深夜の怪音
この週末は、日光野鳥研究会の観察会で栃木県日光にいました。このところの寒さのためまだ夏鳥が薄い日光ですが、どうせならと日光の森のなかにPCM-D50を一晩置いておきました。昨晩の日光は氷点下まで下がりました。朝、霜柱が大きく成長しているという条件です。録音は、午後5時30分から今朝の午前7時30分まで14時間、サンプリング周波数は48kHz16bitで9G分ありました。これだけ録れても、バッテリーはあと1目盛り残っていました。あらためて、PCM-D50の底力を認識いたしました。
夕方のコーラスは遠いクロツグミだけ。深夜は鳥の声はなく、夜明け頃にクロツグミがかなりオンで録れていて、ヤマガラと掛け合いになっていました。ただ置いておくだけで、申し訳ないほどの音が録れました。
このように放置録音は簡単便利なのですが、問題は不明な音が録れてしまうことです。今回も、早朝のコーラスのなかにわからない小鳥風の声が入っていました。そして、何ともわからないのがこの声、あるいは音です。
カタカナで書けば「カタ、カタ」ですが、リズムがあります。また、高い音がこの音に合わせて鈴の音のように聞こえます。
夜の11時20分頃に録音されていました。まわりには、何の音もなく突然この音が入っています。足音や羽音があれば、生き物という感じがするのですが、そういった気配はありません。この後も気配はなく同じような音が一声あるだけです。
感じから鳥らしくはないのですが、といって獣も思い当たりません。カエルにしては昨夜は寒いでしょうし、もっと鳴き続けてくれると思います。謎の声は、推理をするのは楽しいのですが、わからないもどかしさもあります。
お心当たり方、ヒントでもいただければ幸いです。
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こういうリズムで鳴いているのは聞いたことありませんが,音質はムササビの声と似ているように思います。もし,そのあたりにムササビがいるようなら,ムササビじゃないですかね。
投稿: 植田睦之(バードリサーチ) | 2010年4月29日 (木) 08時44分
植田睦之様
コメントありがとうございます。
ムササビのいるところですので、可能性はあります。足音がしない理由も、飛んでくることを考えると納得できます。
録音したところは以前、植田さんが調査をされた別荘地で、最初の晩にこもったところです。
バードリサーチとリンクされていただきました。重ねてよろしくお願いいたします。
投稿: まつ | 2010年4月29日 (木) 17時00分
たいへん興味深く聴かせていただきました。
ムササビの鳴き声というと、よく聴く「グルグル」か「ギーッ」だったのですが、どうも他にもあるそうです。
「ムササビの音声コミュニケーション」というおもしろい報告がでております。CiNiiから無料でダウンロード出来ます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006954705/ja/
この論文にもある「キョキョ」パターンが松田さんの録音された怪音にあたるのではないでしょうか?
声紋分析も載っていますので、比較すれば判明するかもしれません(実はちょっとやってみたのですが、私の技術ではよくわかりませんでした。パターンはかなり似ているような気がします。)。
投稿: あべM | 2010年5月 1日 (土) 21時51分
あべM様
ムササビの音声の研究、ご教授ありがとうございます。ご存知のように遠出をしておりましたので、お礼が遅くなり申し訳ございません。
確かに似ていますね。しかし、よくこれだけムササビの声をコレクションできたのには驚かされます。これから、長時間録音ができるメモリ録音機が普及すればもっと研究が深まる世界だと思いました。
投稿: まつ | 2010年5月 4日 (火) 21時26分