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2010年4月15日 (木)

キジバトのさえずりは番組にしづらい

 今日は寒かったですね。家の前のクスノキの新緑のなかで、キジバトが体をふくらませて雨をしのいでいました。この体をふくらませたキジバトの姿は冬の風景、新緑には似合いません。

Oriental_turtledove

 キジバトと言えば生前、蒲谷鶴彦先生が「キジバトのさえずりを番組(「朝の小鳥」)で取り上げるのは、いつも躊躇する」とおっしゃっていたことを思い出しました。キジバトの声は、低いので低音のノイズに埋もれてしまうからだと思ったのですが違うのです。まず、キジバトのさえずりを聞いてみてください。

「oriental_turtledove.mp3」をダウンロード

 キジバトのさえずりはカタカナで表記すると「デ、デ、ポーポー」です。これを何度が繰り返して鳴き続けます。しかし、どんなに長く鳴いても最後は「デ、デ、ポーポー」ではなく「デ、デ、ポ」で終わるのです。私が録音した何点かの音源をチェックしてみましたが、最後を「ポーポー」と2声でかつ伸ばして終わるものはありませんでした。

 なぜ、これが困るのか。実は音の編集をしているとわかるのですが、何度も「ポーポー」と鳴いているのに突然「ポ」で終わってしまうと、なんだか編集をミスして音をぶった切ってしまったような感じになってしまうのです。といって、「ポーポー」で終わらせたらウソになってしまいます。だから、番組で取り上げるに躊躇するということになります。

 蒲谷先生にうかがうまで、私もキジバトがそんな鳴き方をしているなんて知りませんでしたし、この話をベテランのバードウォッチャーに話すと皆「へえ」という顔をします。「デ、デ、ポーポー」と鳴けばキジバトと名前がわかり、それ以上、声を聞くことはないからです。野鳥録音をしていると、気がつくバードウォッチングの奥深さです。

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コメント

リンクありがとうございました 
今日は関東の一部で雪が降ったみたいで寒い一日でしたね
ウグイスのホーホケキョが控え気味でした。

何十年とキジバトのさえずりを聞いておりますが、最後はポで止めていたとは知りませんでした。
次回から気にしながら聞いてみます。

kochan様
 リンク、遅くなりまして申し訳ございませんでした。
 ちょうど1年前の沖縄県やんばるで録音した亜種のリュウキュウキジバトのさえずりも同じように「ポ」で終わっていました。西日本も同じだと思いますが、違っていたら違うで面白いですね。

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