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2010年5月 7日 (金)

カンムリウミスズメの声、公開

 先日、PCM-D50、凱旋でご紹介したカンムリウミスズメの声が日本野鳥の会のWebサイトで公開されました。ぜひお聞きください。下記URLです。

http://www.wbsj.org/nature/kisyou/sw/about.html#twitter

 実際の音源は、ガーガーピーピー賑やかなオオミズナギドリやウミネコの声のなかでカンムリウミスズメの声が突然onで入っています。それと同時にバックノイズが急に静かになる不自然なものです。こんな感じです。フェードインとフェードアウトかけ、鳥の声の間隔を詰めただけです。

「japanese_murrelet.mp3」をダウンロード

 これは、PCM-D50のデジタルリミッターが働いているためです。リミッターは突然大きな音が入ってきた場合、ボリュームを下げて録音する機能です。かつてのカセットデンスケにもありましたが、アナログの場合音を感知してからボリュームが下がるのでほんの一瞬ですが、音が割れたりひずんだりします。

 ところが、PCM-D50などのデジタルの場合、ADコンバーターを使い通常の音声とともに12dB低いボリュームでたえず録音していて、急に大きな音がした場合、その時点までもどってデータを差し替えてくれます。ですから、タイムラグはなく、音がひずむこともありません。

 今回のカンムリウミスズメの場合は巣の前に置いたので、おそらく鳥と録音機の距離は数10cm、そのため声はかなり大きな音で入っていました。それを、ひずみなく音を差し替えてくれるデジタルリミッターの威力はたいしたものです。

 ただ、録音ボリュームが下がることでそこだけバックのノイズも小さくなり不自然なつながりとなります。そのため、今回はonで入ってきたカンムリウミスズメの声の部分4ヶ所を取り出し、それをひとつずつのファイルにして、それぞれボリュームを同じになるように調整しました。さらに、3000Hz以下のノイズを軽減、さらにヒスノイズリダクションをかけて全体のノイズを軽減しておきました。つぎに、バックに使用する部分、カンムリウミスズメが鳴いていなくて全体に音が均一なところを20秒ほど取り出しファイルにします。これも3000Hz以下のノイズを軽減しておきます。このベースのファイルの適当なところに、カンムリウミスズメの声のファイルを配置して、ミックスダウンしました。さらに間を詰め、フェードイン、フェードアウトをかけて完成です。もとのファイルはwavですので、mp3に変換しアップしています。全行程、1時間ほどの作業です。

 種明かしをしてしまいましたが、実際に聞いておわかりになるでしょうか。「松田がうまくやっているなあ」と思われては失敗です。加工しているのがバレてはいけません。報われないですが「良い録音ですね」と言われると、してやったりと思います。

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