カラスが増える巣落とし
今年から東京都が都立公園のカラスの巣落としをすることになりました。そのため、六義園では造園業者を雇って巣落としをすることはなくなりました。私もこれで嫌な思いをしないですむとほっといたしております。ただ、繁殖状況はひとつの指標なのでデータは取っています。
実は今日が東京都が雇った駆除業者が六義園の巣落としを実地する日でした。私は、今日中にやらなくてはならない仕事があったので、これ幸いと立ち会うことはしないで家で仕事をしていました。毎年、六義園の巣落としのときには、ハシブトガラスが騒いで園内が騒然となります。しかし、今日は静か。造園業者ではなく専門の駆除業者はさすが違う。どんな方法をとっているか立ち会うべきだったとちょっと反省をしておりました。
夕方になって仕事が一段落したので六義園へ出向き、様子を聞こうと事務所に寄ると窓口の女性から「巣は3つしか落とせなかった、トイレに入ってたばこを吸ってお茶を飲んで帰って行った」とのこと。どうりで静かなわけです。
もう、閉園時間がせまっていましたので、6箇所しかチェックできませんでしたが、3個は確かになくなっていました。しかし、3個は手つかず。17個ありましたから、まだ14個残っていることになります。
私の経験では、散発的な巣落としは残ったもののが有利になり結果として、その地域で生産される雛の数は減らない可能性があります。ひょっとしたら増えるかもしれません。ようするに競争相手が減って、残ったものがより多くの雛を育て上げられる間引き効果となってしまうのです。こうした間引き効果のある巣落としを都内の公園各地でやっているのでしょうか。カラス対策にはならないかもしれない巣落とし、税金の無駄遣いと言われてもしかたないかもしれません。
このことは、拙著『カラスはなぜ東京が好きなのか』に書いています。また、六義園には私のようにうるさいオヤジがいることも情報として持っていない業者ということになります。カラスのことも勉強もせず、情報も持たない人間ではカラスに負けます。
巣のある木にマークとして巻いたビニールも、はずしていかない杜撰な仕事ぶり。
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ご無沙汰しております。
近所の例の公園では黄金週間前に
園内のカラスの巣は大方撤去され
木々は強めの剪定を施されてました。
オナガのネグラまで丸坊主に。
連休明けに公園に行ってみると
所在なさ気に呆然としていたカラスの番が
急に執拗に威嚇してきました。
巣はもう撤去されているのに。
撤去した業者に対する抗議行動?
もう一度巣作りを試みたりするのでしょうか。
それでも去年の古巣は撤去されておらず
プロの仕事なのかなと思いました。
公園外の人家の大木などには
巣がいくつか残されていますが
新緑が濃くなるにつけカモフラージュされ
中の様子を窺い知ることができません。
連休前まで続いた低温と雨の中
巣から尾だけ出していた親鳥に
逞しさを感じ、元気を貰いました。
今年もツミは・・・現れないようです。
投稿: 月之座 | 2010年5月19日 (水) 01時32分
月之座様
お久しぶりです。
ゴールデンウィーク前に巣落としですか。まだ、卵状態なので作り直しする可能性大ですね。これもハシブトガラスの習性を知らないで行っている巣落としとなり、税金の無駄遣いとなると思います。
また、剪定しても数年で木は茂ってしまい、荒い剪定はそこから細かい枝が出て、かえって巣を作りやすい枝振りになることがあります。
あと、オナガ、キジバト、あるいはツミ、オオタカの巣が、間違えられて落とされているのではないかと懸念しています。
これからひっそりと子育てするハシブトガラスが生き残っていくかもしれませんね。
投稿: まつ | 2010年5月19日 (水) 08時38分