YAMAHAの録音機2種
YAMAHAといえば音楽器機メーカーとして有名です。以前、秋葉原のプロショップの店員に「YAMAHAがメモリー録音機を出すようになったら録音機の本格的な普及が始まるのでは」と聞いたら、店員が「YAMAHAは出さないでしょう」と言っていたのは、わずか4年前のこと。そのYAMAHAが三洋電機と共同開発したPOCKETRAK CXを発売し、さらに二世代目のW24とC24が発売されています。
今日は、日本野鳥の会でYAMAHAの担当者と打ち合わせがありました。私にとっては、高性能で簡単便利、その上安いこれらの機種を使って野鳥録音を普及させることができるか、興味のあるところです。メーカーにとっては、バードウォッチャーという今までつき合ったことのない人種への市場調査と言ったところでしょう。お互いに情報を交換する場でした。
W24 とC24は、まだ2回しか使用していないので、厳密に評価をすることは難しい段階です。本来ならば、夏の暑さ冬の寒さを体験させないと、フィールドでの使用に耐えるのかの判断ができないのです。ここでは、最初の印象まで。
W24もC24も機能はてんこ盛り、細かいところにまで使い勝手を検討して設計されているという印象があります。おそらく、これまで出ている機種の悪いところを洗い出し、改良を重ねたのでしょう。私がもっとも気に入っているのは、自動的に付くファイル名です。なんと、ファイル名に録音時の時刻が分単位まで入るのです。これでは、同じファイルが発生する可能性はまずありませんので、上書きして前のファイルを消してしまうことはないでしょう。そして、ファイル名がそのまま記録となってくれます。
このほか、電池も持ちも長いですね。1本の電池(W24は単3、C24は単4)で、まだ目盛が動きません。起動も速いので、自動的にパワーが切れる時間を短めにしておけばOK。ホールドを使う必要はありません。
W24が携帯電話を小さくしたサイズに対し、C24は驚異的な小ささ、使い捨てライターをやや大きくしたサイズなのです。ただ、小さいだけに老眼には見にくいディスプレイとなっています。
音については、スペクトル表示をしても変なノイズが乗っていることもなく、素直で自然な音に聞こえます。C24は低音のボリュームが足りない感じがしますが、このあたりの検証はもう少し使いこんでから評価したいと思います。
W24が3万円弱、C24が2万円弱と価格も小型軽量です。いずれにしても簡単に手が届くようになったメモリー録音機、これで野鳥のさえずりを楽しまない手はないと思います。
左がC24、右がW24。
追伸1:D50とW24の比較音源をアップします。日光の山の中、ノイズの少ない環境で、いずれも同じウグイスが鳴いています。倒木の上に置いて録音しています。フェードイン、フェードアウト、ボリュームを同じにした以外、加工はしていません。48kHz/16bitで録音したものをmp3に変換しています。ウグイスのまろやかさの比較、虫の羽音、遠くで鳴くセンダイムシクイの距離感など、聞き比べのポイントです。
W24の音源
「W24-002A_100515_1111.MP3」をダウンロード
D50の音源
追伸2:W24とC24の比較音源をアップします。六義園、都会の公園の中での録音です。同じシジュウカラの同じ部分です。両手に持って録音しました。フェードイン、フェードアウトのみ他の加工編集はせず、mp3に変換しています。鳥の声は違いを感じませんが、グランドノイズの「ゴーッ」という音に違いがあると思います。
W24の音源
C24の音源
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なかなか興味深い話ですねぇ。この世界を変えられるのは先生ただ一人。続報を楽しみにしております。
投稿: SY-99 | 2010年5月20日 (木) 06時28分
SY99様
鳥好きのオヤジが楽しみながらやっていることなので、お気軽におつきあい願います。
コメント欄には音源がアップできませんので、記事欄に追伸としてD50との比較音源をアップしておきました。ご参考になれば幸いです。
投稿: まつ | 2010年5月20日 (木) 09時02分