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2010年6月28日 (月)

無音体験

 何の音もしない無音体験を自然の中でしたことがありますか。では、「『シーン』と何の音もしない」と言う、『シーン』は何の音なのでしょう。
 初めての無音体験は、日光の男体山の裏側にある志津小屋に泊まったときでした。志津小屋は、トイレも水道もない避難小屋です。まわりに沢も無く、町からも離れているので人為的な音は、上空を通る航空機だけ。それも、深夜になればまったくの無音となります。アカネズミでしょうか。ときおり、「カサッ」と言う音が大きく聞こえたのを覚えています。
 先週末の日光の山奥でも無音体験をしました。このシーズン、まだ虫が鳴いていません。風も無い夜なので、夜が更けるとともに無音となりました。暗闇の中で、音がしないというのは不安をかき立てられます。まるで、自分の体が空中に浮いているかのような錯覚さえします。もし、同行している仲間がいなければ、気の小さい私は怖くって、早々に引き上げていたことでしょう。
 そこで、無音を録音してみました。録音機は、PCM-D1です。録音ボリュームは、いつもの7。無音の音量は-48デシベルでした。ということは、音はあったのです。最近のメモリ録音機は、テープ走行のノイズなどが無くS/N比が低いのが利点です。ですから、この-48デシベルは録音機が立てる音ではなく、無音と聞こえる自然の音と考えて良いでしょう。
 同じ録音ボリュームで、何も音がしないと感じる森の中で録音すれは-18~-12デシベル、街の公園で静かと感じる状態でも-12デシベルを越えます。ですから-48デシベルというのは、かなり静かであることは間違いありません。
 しかし、聞こえづらいと思いますので、-36デシベルまでボリュームを上げてアップしておきます。

「muon-D1.mp3」をダウンロード

 いかかでしょうか。「シーン」と聞こえますか。どうきいても「ゴーッ」ですよね。実際、この音は聞こえません。無音と感じていました。この程度の音は、自分の耳鳴りの中でかき消えてしまう音なのでしょう。ですから「シーン」は耳鳴りの音だと思うのですが、いかがでしょうか。

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