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2010年6月16日 (水)

タイマー録音の傾向と対策

 昨日の「はじめてのタイマー録音」を書いて以降、いろいろ考えました。
 昨日の記事を読んだ研究者のU田さんからは、YAMAHAの機種で30日間タイマー録音が可能かとの問い合わせのメールをいただきました。今まで、OLYMPUSのDS71で朝3時間、夜1時間を毎日、WMA形式で録音してデータを収集。これを30日間放置して収集したそうです。WMAですからメモリーは余裕です。そして、電源はAC電源から取ることで対応。しかし、この機種は廃盤となってしまい他の機種を選定中とのことでの問い合わせでした。
 凄いことを考えたものです。確かにタイマー録音を利用すればモニタリング調査のデータが録音機の台数分収集できます。一回置いておけば良いのですから、何回も出向く必要はありません。データ収集がとても楽にできることになります。それも大量に確実に入手することができるのですから、ありがたい機能です。
 YAMAHAのW24やC24のタイマー録音の設定を見ると、毎日と曜日指定ができます。たとえば、毎日の午前3時~6時と設定して日曜日に設置して、次の休みの日曜日に回収しに行けば、たっぷりと録音できているはずです。野鳥のさえずりのハイシーズン、体がいくらあってもたりない季節ですから、この方法を試して見たいと思います。
 あるいは、毎週特定の曜日、たとえば水曜日の午前3~6時と設定して、5月から6月まで録音。8日×3時間=24時間ですから16Gあれば、48kHz/16bitでの録音が可能です。バッテリーの持続時間は、カタログ値ではW24がmp3録音で56時間、wav(44.1kHz/16bit)で38時間、C24はmp3録音で26時間、wavで16時間となっています。ですから、W24ならばwavで、C24ならばmp3で録音すれば可能ということになります。こうしてデータを収集すれば、季節によるさえずりの量と質の変化、日の出時間とさえずりのピークの季節変化など、とらえることができると思います。
 いずれにしても、雨が当たらない都合のよい設置場所があることと、拾われることのない場所ということになります。それにしても、防水仕様の録音機が出ればもっと安心して、タイマー録音ができます。
 こんな便利なタイマー録音、問題もあります。このまま、タイマー録音をしてばかりいたら、生で野鳥の声を聞かなくなってしまうのではないかという心配です。真っ暗な森がかすかに明るくなると、わき上がるように聞こえてくる野鳥たちのコーラス、清涼でかぐわしい森の空気に包まれて聞く野鳥たちの歌声の素晴らしさは、やはり生で聞かなくてはその本当の良さはわかりません。それに実際に体験しているからこそ、編集でいろいろ加工しても自然な音として再現できるわけで、体験無くして編集もできません。
 それに、タイマー録音した音源って、著作権が発生するものなのでしょうか。著作権は、創意工夫を行ったところから発生します。録音機をただ置いただけの作業で、実際録音しているときは本人はいないのですから、創意工夫の余地はありません。
 いずれにしても、メモリー録音機で広がり深まる世界があると思いますが、問題も同時に考えていくべきでしょう。

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コメント

はじめまして、
私も昨年からICレコーダーでのタイマー録音に興味を持ちまして挑戦しています。どちらかというと生息鳥類調査の意味合いが強いのですが、なかなか勇気が無くて行けない深夜の深山とかにおいては予想以上に成果がありました。
近くの山でコノハズクの生息を確認出来たりもしました。

トモ様
 記事をご覧いただきありがとうございます。また、コノハズクの確認、おめでとうございます。
 タイマー録音機能は、研究者の方にとっては福音ですね。現場で使用しての体験談などお暇なときにいただければ、多くの方の参考になると思いますので、いずれよろしくお願いいたします。
 素晴らし研究成果を上げることをお祈りいたしております。
 

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