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2010年6月10日 (木)

難題の鳥・シロチドリ

 これは難題です。3時間ねばりましたが一声も鳴きませんでした。これで、5年越しの挑戦です。
 課題の鳥はシロチドリ。チドリのイメージとしては群れで鳴き合う印象があるのですが、シロチドリはほとんど鳴きません。今まで録音できたのは三番瀬で、そっと近づいて飛び立った時の数声のみです。それも小さな声です。
 毎年、イラストレイターのM輪さんにお願いしては東京湾で繁殖しているシロチドリを案内してもらっています。今日もお願いして案内してもらったのですがダメでした。
 去年は、目の前で交尾を行うシーンがありました。他のシロチドリとのいさかいもありました。それでも鳴かず、録音はできませんでした。なんとも物静かな鳥です。
 今日は千葉の海岸、かつてコアジサシのコロニーがあった砂浜に、たった一つの巣がありました。今年こそと思いYAMAHAのW24を2台、ソニーのPCM-D50を1台、合計3台を巣の周りに置きました。写真の手前にあるのがW24です。

Kentish_plover
 600mm程度の望遠レンズで撮っているので巣の近くにあるように見えますが、実際は5,6m離れています。こうしておけば、鳥に影響を与えることなく鳴き声が録れはずでした。しかし、人やイヌが近づいてきても警戒の声を出すわけではなく、そっと離れて、そっと巣に戻ってくるだけでした。天気は快晴、海から吹いてくる風はさわやかです。ウインドサーフィンを楽しむ人も多く、初夏の海辺はおだやかでした。しかし、鳴いてくれないのですから商売あがったりです。
 皆さん、お気づきでしょうか。シロチドリがたいへん少ない鳥になってしまったことを。たとえば、1970年代の谷津干潟では干潟に石がたくさん転がっていると思って見ると、千羽近いシロチドリの群れでした。埋め立て地を歩けば、あちこちからシロチドリの雛が走り出してきたものです。造成されたばかりの埋め立て地という繁殖地があったために一時的な増加であったかもしれません。それにしても、ここ数年のシロチドリの減少は著しいものがあります。
 シロチドリと関連して、コアジサシの減少も上げられます。シロチドリは、コアジサシのコロニーの周辺で巣作りをしていとが良くあります。敵に対し果敢に集団で立ち向かっていくコアジサシに守られて、子育てをしている傾向がありました。その守護神のコアジサシが減ってしまったのも大きく影響していることでしょう。
 かつての東京湾では、ツルシギが普通種でした。300羽程度の群れでよく見られました。それが、今では1羽でも出現すれが珍鳥情報として飛び交う対象の鳥となってしまいました。今に「昔は、シロチドリが東京湾で繁殖しててさあ」と言われるように伝説の鳥になってしまわないか心配です。

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コメント

願いがかなわず残念なことになってしまいましたね。

でも、今の録音機は便利になったものだと、読んでみて思いますよ。

昔だったら、こういう時はパラボラを使ってたんでしょうか?

SY-99様
 いつもどうも。
 そうですよね。昔はパラボラ、近年でもガンマイクを使ったことでしょうね。
 パラボラだと大きいので鳥が警戒する可能性があります。そうすると、かなり離れて設置しなくてはなりません。そうなると、海の波音などが大きくなって録りたい声とノイズのバランスがとても悪くなると思います。ガンマイクも離れれば同じですよね。とにかく音源の近くに置ける今の録音機のおかげで、いろいろ工夫ができるようになりました。
 ただ、以前コアジサシのコロニーの録音でボワボワのジャマーを付けて置いたら、モビングをされました。ほ乳類のように見えて反応したようです。さらに、プロフィールの写真のようにコアジサシの雛が録音機の下に入ってしまったこともあります。

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