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2010年7月12日 (月)

金精峠のコマドリ

 週末は、日光でした。このところの雨で川の音がうるさい上に、いつもは流れのないところも水が流れていて録音には不向き。それでも、今シーズンもそろそろ終盤にかかっていますので、少しでも録音してやろうとがんばりました。
  日曜日は、日光野鳥研究会の自然観察会で金精峠の旧道を歩きました。今では立派な金精道路が通っていますが、かつてはこの登山道が唯一の道。菅沼の白根山の登山道入り口に車を置いて、少し戻ると旧道の入り口があります。はじめは、道路と平行しているので車の音がうるさいのですが、小1時間も歩くと山陰に入り野鳥の世界となります。
 標高は、1800m。コマドリ、ルリビタキ、メボソムシクイの領域です。森は深く、地面は苔むし、まるでアニメの「もののけ姫」に出てくるような風景の中を歩いて行きます。ただ、梅雨のまっただ中ということで、歩き始めると雨。ササ藪に覆われた道を歩くだけでも濡れてしまいます。ただ、幸い大降りにはならず、ときどき雨は止んでくれました。
 今回の目的は、コマドリです。コマドリとは、いつも声だけの出会いです。今回は、天気も良くないので、あまり歩かず皆でコマドリの姿を見ることにしました。私は、今までコマドリの声は数え切れないほど聞き録音もしていますが、姿を見たのはわずかに2回。そのうち、1回は六義園の渡り途中のものです。それだけに、時間をかけてじっくりと構え、姿を見てやろうとがんばることにしました。
 ここは、コマドリの密度が高い上に声も近くで聞こえ、姿が見えそうです。皆でじっとしていると、コマドリの声は私たちのいるところを左まわりで巡回していきます。声の移動とともに藪のなかを黒い小さな影が動いていきます。見えそうで見えないもどかしさがあります。しかし、何度か追いかけていると、倒木の上にとまってさえずっている姿が見えました。オレンジ色の美しい体、尾をピンと立てて喉を振るわせて鳴いているのまでわかります。雨の日の森、それも地面近くの倒木ですから暗い所です。しかし、コマドリにスポットライトが当たっているかのように輝いて見えました。
 この後も、姿を見るチャンスは何回かありました。この日だけで、今までの一生で見た以上のコマドリを見たことになります。
 録音は、そのコマドリのさえずりです。ちょうど、登山者が一人、クマ除けの鈴を鳴らしながら歩いて行きました。これも深い森の音の風景です。録音機は、YAMAHAのW24、ボリューム調整、低音ノイズの軽減をしています。

「japanese_robin100711.mp3」をダウンロード

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