雨の中の録音-編集と加工
去年のサロベツでは、天候に恵まれませんでした。天売島では、好天続きでしたので貯金を使い果たした感じです。それでも、せっかくサロベツまで来たのですから、あちこち見て回りました。一昨年は、行けなかった兜沼もその一つです。
その兜沼沼では雨は本降りとなり、もう帰ろうと駐車場に行くとヤナギの木の中から聞いたことのない小鳥の声が聞こえました。当初、カラフトムシクイだと言われ録音しましたのが、後にハシブトガラのさえずりとわかりました。
なお、一昨年はサロベツでムジセッカの声を録音し、日本で初めての繁殖期の記録としてバードリサーチの研究誌に発表しました。下記URLで読み、声を聞くことができます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/birdresearch/4/0/S9/_pdf/-char/ja/
今回もカラフトムシクイの日本初の繁殖期の記録と興奮をいたしましたが、下記の注のとおり誤認とわかり訂正いたします。
カラフトムシクイでないことがわかりましたが、雨のなかの録音が編集加工することでどの程度、きれいになるかの例としてあげておきます。
まずアップするのが加工前の原音です。雨のなかで鳴いている様子がわかると思います。
「pallass_leafwarbler090630091.mp3」をダウンロード
それを丁寧に雨音を取って、クリーニングをするとこうなります。
「pallass_leafwarbler090630092.mp3」をダウンロード
いかかでしょうか。雨の中での録音は、今まで諦めていませんでしたか?
ここまで、きれいにできるのですから諦めることなく、まずは録音しておくことが新しい発見につながるかもしれません。
注:アップ当時は、カラフトムシクイのさえずりということで記事にいたしましたが、花鳥茶屋のA井さんから「ハシブトガラのさえずりに聞こえる」というご指摘とともにご自身で録られた声紋もお送りいただきました。傍証するために、ハシブトガラのさえずりを探したところ上田秀雄さんの「野鳥の声283」(1998)に収録されているものと一致もいたしましたので、記事を訂正し全面的に書き換えました。A井さん、ありがとうございました。
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