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2010年7月18日 (日)

ヒグラシの鳴く頃

 ヒグラシの鳴く頃になりました。日光では先週末に3日間、タイマー録音をしかけました。その最終日にヒグラシの声が入っていましたから11日が初認となります。六義園では、一昨日16日から声が聞こえるようになりました。
 ヒグラシについての誤解その1。「夏に鳴いているのは異常ではないか」とよく言われます。実はヒグラシは鳴き始めるのが早いセミです。関東地方の平地でもっとも早く鳴き、多いニイニイゼミの次となります。今年は、ニイニイゼミが鳴き始めた翌日からヒグラシも鳴き始めました。ヒグラシのもの悲しい声の印象から秋のセミだと思っている人が多いようです。
 誤解その2。「早朝、ヒグラシが鳴いていた異常ではないか」も言われます。ヒグラシは、夜明け前後にも鳴きます。ですから、早朝の録音をしているとヒグラシが良く鳴いていることに気がつきます。今年の日光の初認、タイマー録音に入っていたヒグラシは、午前4時前後に鳴いていました。ヒグラシという名前の印象から、夕方のセミと思っている人が多いようです。
 ヒグラシの声は物悲しいも、やや誤解です。そばで聞くとなかりうるさく聞こえます。たとえばこんな感じです。録音機はPCM-D1、ボリュームを下げた以外の加工はしていません。

「higurasi-1-07080400.mp3」をダウンロード

 ゼミの声の録音はマイクを棒の先に付けてそっと近づければかなりきれいに録れます。私は、壊れたクイックルワイパーの棒の先にマイクを付けて録ります。このヒグラシは三脚につけて録りました。野鳥の声を録るのに比べたらかなり安易、楽な録音方法です。
 しかし、セミの声の録音は簡単であり、また難しい録音でもあります。
 たとえば、前掲の音源ではヒグラシのイメージが表現されていません。図鑑の音としてはわかりやすくても、番組に使えない音となります。ヒグラシの声が、夕方のほの暗い杉林の中から、むせび泣くように聞こえてくるように録るのはかなり難題です。まず、近づいたらダメです。しかし、小さなセミが出す音ですから音量は低く、離れて録れば環境ノイズが大きくなってしまいます。マイクを置いてモニターして、ちょうど良いところを探さなくてはなりません。また、沢音や流れの音がなく車の音も聞こえない静かなところ、そこでヒグラシが鳴いてくれないと録れません。ロケハンから始めて、慎重にマイクポジションを考えないと録れない音なのです。
 いちおう、そのような苦労をして録った音がこれです。DATのPCM-M1+マイクはAT825Nを使用。フェードイン、フェードアウト以外の加工をしていません。

「higurasi-2-175-040704.mp3」をダウンロード

  これでも、まだ満足のいくヒグラシの声とは言えません。ウグイスやヒヨドリが鳴いてしまっているので、夕方の雰囲気が損なわれています。ヒグラシは連続して鳴いているので、カットすると切れ目がはっきりわかってしまいます。ですから、鳥の声をカットすることはできないのです。
 セミの声がにぎやかになる反面、野鳥の声が静かになるシーズン。こうしてセミの声の録音で苦労をしておくと、野鳥の録音のときにもこのテクニックを生かすことができると思います。

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