« 今日は「子ども科学電話相談」 | トップページ | 今日も「子ども科学電話相談」 »

2010年7月27日 (火)

コウモリの録音

 今年は、例年と違う事例が気になります。
  ハシブトガラスの幼鳥の出現が遅く、少ないことは以前書きました。
 このほか、気になっているのはコウモリが少ないのです。
 いつもならば、梅雨時から夕方になると六義園の上を数匹が舞っています。今年は、梅雨が明けてからやっと1匹を見ました。それ以降は1回1匹を見ただけです。例年どおり毎日、夕暮れ時はベランダでビールを飲んでいるのですから間違いありません。
 コウモリは、イエコウモリだと思います。都会でも池や河川の周辺で、ごく普通にいるコウモリです。なぜ少ないのか、私にはわかりませんが気になります。
 話は、録音のことになります。最近のメモリー録音機では、96kHz/36bitという高品位で録音ができます。音楽CDだと44.1kHz/16bitですから、およそ倍の密度と言ったらわかりやすいでしょう。また、音楽CDだと高い音は22kHzまで。しかし、96kHz/36bitで録音すると、高い音は48kHzまで録音できます。これもおよそ倍です。人が聞こえる音域は20kHzと言われていますから、ある意味オーバースペック、何の意味があるのか不思議な機能です。しかし、音にこだわる人は少しでも高品位な録音をということで、96kHz/36bitの録音ができるかどうかが機種選定のポイントになっています。
 この高品位録音で、コウモリの声が録れそうですね。ただし、録音機のスペックを見ると、入り口のマイクの性能はだいたい24kHzまでの高さまでしか録音できないことになっています。高品位な録音ができる機能を生かすことのできないマイクが付いているというのもおかしなものです。
 以前、埼玉県さいたま市の大久保農耕地に行った時、日が沈むとイエコウモリの大群が土手の上に舞っているのを見たことがあります。どうも、土手に風が当たって食べ物となる昆虫が舞い上がるのを狙っているようです。向こうの風景が見えないほどの大群でした。マイク性能からいって録音はできないことはわかっていましたが、戯れにPCM-D1を96kHz/36bitに設定してコウモリの群れに向けて録音してみました。もちろん、私には何も聞こえません。
 家に帰って声紋表示をさせてみると、なんと40kHz付近にたくさん縦筋のパターンが見えます。コウモリの声です。これが下記の図です。本来はステレオですが、わかりやすいようにモノラルにしています。

Koumori

 マイク性能から無理なはずなのに不思議なことに録れていました。パターンはもっと上まで伸びていますから、おそらくコウモリの声の低い要素を捉えているようです。ただ再生しただけでは、私の耳では聞こえません。40kHz以下をカットし、それ以上の部分のボリュームを上げると「ブッブッブッブ」と音に聞こえます。
 PCM-D1では96kHz/36bitで録音することが多いので、早朝の録音や黄昏時の録音では同じようにコウモリの声のパターンが入っていることが気がつきました。メモリー録音の高品位録音の機能によってコウモリなどの声の一部を捉えることができます。お持ちの方、お試し下さい。

« 今日は「子ども科学電話相談」 | トップページ | 今日も「子ども科学電話相談」 »

機材」カテゴリの記事

観察記録」カテゴリの記事

コメント

これがイエコウモリの超音波ですね
これは、よほど耳の良い子供でも聞き取るのは無理な周波数域ですね。

私も以前、オヒキコウモリの声を録音したのですが
人間の耳でも聞きとれる周波数で10~15kHzで鳴いていました。

全く私達の耳に聞こえていないイエコウモリの声が、周波数スペクトルで見れると言うのは驚きました。

kochan様
 お暑うございます。
 高品位の録音ができることで、野鳥のこえも倍音がかなり高くまであることもわかりました。私たちとは違った音の世界で生きているのでしょう。
 これからが楽しみです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コウモリの録音:

« 今日は「子ども科学電話相談」 | トップページ | 今日も「子ども科学電話相談」 »