霧降高原のリフト
蒲谷鶴彦先生の音源をデジタル化するのをお手伝いしたことがあります。数千本あるオープンテープをCD-Rに焼く作業です。そのため、先生の音源のほとんどを聞くことができました。
おどろいたのは、人工音がほとんどないのです。今私が記憶しているのは、多摩川で録音していたら対岸で火事があり消防自動車がやって来たというサイレンの音と、リフトの音の2つです。リフトは1960年代のものだったと思います。どこの山のものか記憶しておりませんが、はじめてリフトというものができたので、録音をしたとおっしゃっておりました。そのため先生は、リフトの音を起点と終点、途中とあらゆる角度から録音されていました。それだけ当時としては、リフトがたいへん珍しいものであったことになります。
先週末は、日光に行っていました。野鳥のさえずりのシーズンは終わり、おかげでゆっくり夏休み気分でおりました。
ところで、霧降高原のリフトが8月いっぱいで営業を終了いたします。そのため、今月は、無料とのこと。いつもならば、全部乗れば2,000円もかかるリフトがタダなのですから、これはお得です。どんなに混んでいるかと思っていきましたが、待ち時間はまったくありませんでした。おかげで、小丸山まで行き、流れる雲と風に乗り鳴き合うノスリの家族を見ることができました。
この霧降高原のリフトは、昭和40(1965)年に開通、ですから45年で幕を閉じることになったわけです。おそらくこの頃に、各地にリフトが設置されたのでしょう。先生がリフトの音を録音された時期と一致します。
霧降高原のリフトの音は、あと半月もすればもう聞くことはできません。リフトに乗りながら録音機を作動させました。PCM-D1での録音です。霧降高原らしく遠くでホトトギスが鳴いている風景音となりました。
蒲谷先生が録音された当時のように、またリフトの音が珍しくなってしまうのでしょうか。
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