もっとも鳥の少ない季節
六義園で毎月2回、センサス調査を行っています。一定のコースを1時間ほどかけて歩き、出会った鳥の種類と数を記録するものです。今日がその日でした。ご近所の鳥仲間のK久保さんが、蚊と戦いながら同行してくれました。
この季節、もっとも鳥の少ない時です。鳥との出会いは、わずか22ポイントしかありませんでした。多い時には80ポイントを越えることもありますから、最盛期の4分の1です。種類数も8種類にすぎません。数的には、ハシブトガラスやスズメの群れがいたので、74羽となりました。六義園として変わったところでは、カイツブリの幼鳥がいたことくらいです。きっと、親離れをして新天地を求めて、やってきたのでしょう。
この”いない”という記録がとても気になります。野鳥の調査は、珍しい鳥を見つけたり、たくさん鳥を見つけることではないのです。身近な鳥たちの不思議に巡り会うことが、とても楽しいのです。今まで調査をして来て出会った謎のひとつが、なぜこのシーズンは鳥がいないのか、いなくなった鳥はどこへ行っているのかです。
たとえば、シジュウカラを例にとれば、冬は20~30羽が記録されています。ところが、今日は3羽にすぎないのです。木が茂りセミがうるさいとはいえ、この私の目を逃れているとは思えません。
実は日光に通うまで平地でいなくなった鳥たちは山にいるものだと思っていました。しかし、このシーズンは日光でもとても鳥が少ないのです。近郊の高尾山でも同じです。
昔、8月は鳥の換羽の季節、そのため動きが鈍いので見つからないという説を聞いたことがありますが、毎日食べ物を捕らなくては生きては行けない小鳥がそんなにじっとしているものでしょうか。
今のところ解答は持ち合わせていません。しかし、シジュウカラで言えば、このシーズン思わぬところで出会います。たとえば、アシ原にいたりします。ですから、今日突然出現したカイツブリのように、放浪しているのかなと推測しています。
いったい、いなくなった小鳥たちは、どこでこの暑い夏を過ごしているのでしょう。
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