ハシブトガラスの発声練習
このシーズンならでは、ハシブトガラスの鳴き声があります。それは、幼鳥が発声練習する声です。
巣立った頃の幼鳥は”カラスの鳴かぬ”の記事で紹介したように甘ったれたような「ウンガー」や「ガーア」と聞こえる声で鳴きます。しかし、これでは「お腹が空いた」という意味しか仲間、それも親鳥に伝えることしかできないでしょう。
森の中で生きるハシブトガラスとしては、いろいろな会話しなくてはならないのですから、幼鳥も成鳥のように鳴かなくては生きていけません。
セミ時雨の六義園で1羽の幼鳥がマツの木にとまって、鳴き続けていました。始めは「ウンガー」ですが「ガラララ」「ゴロロロ」と鳴いては、ときどき「カア」と成鳥と同じ声を出しました。この間、20分あまりも鳴き続けていました。あたかも、声変わりのときに発声練習をしているかのように聞こえました。おそらくこうして、鳴き方の練習をすることで「ウンガー」から「カア」へ鳴けるようになるのだと思います。
今まで数回、このような行動を見ていますが、幼鳥の群れの中ではこのような行動を見たことがありません。ポツンと離れた1羽が、やっています。そっと練習をして、早く成鳥の群れの仲間入りをしようとしているのでしょうか。
音源は、その一部です。録音機はPCM-D1、低音ノイズの軽減をしています。
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