コムクドリの夢
去年の今頃は、六義園ではコムクドリの群れが出現していました。
過去にも記録はありましたが、もっと遅く10月頃に現れ、それもムクドリの群れのなかに1,2羽が入っているという程度でした。ところが、去年は多いと100羽を超える群れでの出現で、それが何日も続きました。ですから六義園の常連のバードウォッチャー皆でたっぷりと楽しむことができました。
私の認識ではコムクドリは減った鳥の一つなのです。そのような鳥が群れで出現するとは驚きです。それも、秋の渡りのシーズンではなく、真夏にやって来るなんて夢を見ているようでした。
私の学生時代、大学の寮が中軽井沢にあり一泊素泊まり100円で泊まれたため、夏休みになると野鳥のサークルの合宿を行いました。1年生の時の1968年の夏はコムクドリがとても多く、群れが森の上を飛び交っていました。しかし、軽井沢にゴルフ場がたくさんできると、森林性のムクドリのコムクドリは目に見えて減り、ムクドリが増えました。私が大学に在籍したわずか4年間で、軽井沢のムクドリ類は、コムクドリからムクドリに入れ替わってしまった印象があります。その後、コムクドリに会えたのは、岩手県盛岡、青森県仏沼、北海道各地で、北日本ではまだいる、そして居るところでは、かなり繁栄している印象がありました。
また、栃木県日光では日光駅前の杉並木周辺で数羽が繁殖しています。ここ20年間、この傾向はほとんど変わりがありません。その1羽の写真です。
千葉県でムクドリのねぐらを調べているM輪さんの話では、ムクドリのねぐらに数千羽のコムクドリが入ることがあるそうです。北の地方で繁栄していることは、間違いないようです。六義園にやって来たのは、このような群れの一部の可能性があります。
よく野鳥が減った、増えたという方がいますが、このコムクドリについて考えると、とても難しく軽々に言えません。軽井沢だけで鳥を見ていればコムクドリは少なくなった鳥の印象が強いでしょう。日光ならば、変化な無し。北日本では増えているかもしれません。見ればみるほど、調べれば調べるほど、野鳥が減った増えたの判断は難しいですね。
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