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2010年9月

2010年9月30日 (木)

iZotope RX をグレードアップ

 今までも録音機材の話は取り上げましたが、編集ソフトの話はあまり話題にしていませんでした。野鳥録音といっても、野外での作業と同じくらいの時間と手間がかかるのが室内での編集作業です。コンピュータによる編集作業は、ソフトの機能によって作業効率が違いますし、そもそも音自体が違ってきます。ですから、良い編集ソフトを手に入れるかで、ずいぶん違ってきます。
 私の音の編集ソフトは、おもにAudition Ver.3.0です。Auditionの良いところは、波形とソナグラムによる編集が可能、波形表示で音量の調整、ソナグラム表示でノイズの軽減ができます。Auditionと当時に、iZotope RX も使います。このソフトは、ノイズリダクションの機能が優れているので、ノイズがひどくて捨てていたような音源でも使える音にすることができることもあるからです。
 本日、このiZotope RXのバージョンアップの知らせが来たので、さっそくiZotope RX 2にグレードアップしてみました。これが、けっこう期待できそうなので紹介いたします。
  iZotopeも、波形とソナグラムによる標示ができます。Auditionはいちいち切り替えが必要ですが、一画面で確認することができます。ですから、ノイズを軽減するためのノイズリダクションをかけた時、必要な音のレベルが下がっていないか、同時に確認できてともも便利です。
 ただし、すべて英語でまだ使いこなせない機能があるようで、習得するのに時間がかかるのが難点です。しかし、ノイズをとっても音が損なわれることが少なく、とても重宝しています。それが、グレードアップしてくれたのですから、期待がたかまります。
 まず、DONOISEと言う機能を使ってみました。
 まず、元の音です。これは、今年千葉県笹川で録音したオオセッカの声です。風の音によるヨシの葉音、川波の打ち寄せる音などの騒音にオオセッカの声が埋もれています。

 この元の音を、DENOISE機能で使って調整すると、このようになります。

 されに、500Hz以下の低音部分をカットするとこんな感じです。

 いかがでしょうか。オオセッカの声がはっきりしてきことがわかると思います。

 私がグレードアップしたiZotope RX 2は$249、より機能の多いiZotope RX 2 Advanced   が$749です。詳しくは、下記URLでご確認ください。
  http://www.izotope.com/

2010年9月29日 (水)

三番瀬のミヤコドリ

 秋のシギチドリの渡りも終盤にさしかかってきた今日この頃です。
 本日は、月之座さんとカミさんと3人で、三番瀬に行ってきました。潮加減と今後の天候を考えると、今シーズン最後のチャンスの日かもしれません。昨日の雨とは打って変わり、今日は秋晴れの良い天気。干潟に立つととても気持ちが良く、こんな日は一年に何回も無いでしょう。
 カメラマンのN村さんに、またお会いしました。早朝から来ていたN村さんから情報をまたいただき、ひたすら干潟が引き鳥たちが来るのを待ちます。
 この前に来たのは9月14日ですから、およそ半月たちます。しかし、月之座が見たかったメダイチドリは半月前と同じくらいの数がいて、まずは面目が躍如。このほか、オオソリハシシギやトウネン、ミユビシギは、ほぼ同じ数がいました。
 大きく顔ぶれが違ったのはミヤコドリです。半月前は見つけることができなかったのですが、今日は100羽近くもいました。渡ってきたばかりなのか、群れ全体がハイな感じで良く鳴き合ってくれました。それが、この声です。YAMAHA-W24で録音、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションを軽くかけています。

  先日のツルシギとは逆にミヤコドリは、かつては珍鳥中の珍鳥でした。今の東京ディズニーランドのある埋め立て地にミヤコドリが来たと言うので、見に行ったことがあります。1970年10月6日、たしか高野伸二さんのご夫妻とごいっしょでした。埋め立てられたばかりの造成地には、サンドパイプが縦横に走り、歩けるところは限られていました。ミヤコドリがいたのはこの埋め立て地の遥か彼方の水たまり、近づくことはできません。陽炎が立ち上るなか、ポツンと見えました。白と黒のはっきりしたミヤコドリですから、確認できたものの他の鳥ならば無理な距離。それでも、この時の感動は忘れていません。いっしょにいた超ベテランの高野さんも興奮してたのですから、当時いかにミヤコドリが珍しかったのかわかっていただけると思います。
 それが、こうして録音ができて、多いと200羽を超える群れが越冬しているのですから、時代は変わったものです。

2010年9月27日 (月)

コゲラの秋のドラミング

 昨日の浮島行きは午後でしたので、午前中は六義園をひとまわりしました。
 台風で天気が悪く渡りをためらっていた夏鳥たちが、前夜の好天に渡ってきたのではないかと期待をしての探索です。しかし、夏鳥はおらず出会った常連さんたちも「いないね」が挨拶でした。天気が良すぎて早々に抜けてしまったようです。
 そんななかで、聞こえて来たのがコゲラのドラミングです。このような音です。YAMAHA-W24で録音。かなり、低音ノイズをカットしています。

 これは、通過する夏鳥以上に珍しい出会いです。六義園ではコゲラが数番いますが、ドラミングが聞かれることは春でも希です。今まで各地で数え切れないくらいコゲラに合っていますが、秋にコゲラのドラミングを聞いたことはありません。さらに、キツツキ類が秋にドラミングをしたという記録は聞いたことがありませんから、とても珍しい現象だと思います。
 数日前も六義園で、コゲラのドラミングらしい音を聞いたのですが、セミ時雨に紛れて確認できませんでした。昨日は、とてもラッキーなことに温度が低くセミの声もオフ目。そのため、はっきりと聞こえ録音もできました。
 ドラミング以外にも、ここ1週間ほどコゲラがさかんに追いかけ合いをしているのを見ています。雄同士なのか、雄が雌を追いかけているのか、残念ながらわかりません。ただ、追いかけ合いにあまり緊縛感を感じませんので求愛の可能性があると思います。
 お彼岸前後にシジュウカラが、さえずることがあります。昼と夜の長さが同じ頃、さえずりのスイッチが入ってしまうようです。このコゲラも、同じように春が来たと思っての行動なのでしょうか。

2010年9月26日 (日)

35年ぶりのツルシギ-稲敷

 台風一過の良い天気のなか、茨城県霞ヶ浦のほとり浮島周辺の田んぼでシギやチドリを探しました。ふじしろ野鳥と楽しむ会のT本さんに、ドライバーからガイド役までおんぶにだっこのバードウォッチングです。
 目的は、オグロシギ。実は、私の音のコレクションにオグロシギがないのです。T本さんの情報では40羽が、朝いたということですので期待がふくらみます。霞ヶ浦沿いの堤防を車で走ると、水の張った水田や蓮田にシギがいました。5羽いた端正なシギは、コアオアシシギ。今まで、1羽でいるのしか見たことがない数の少ない鳥です。それが、群れでいるなんて凄い。さらに、期待がさらにふくらみます。
 ところが、いるはずの田んぼに行っても鳥がいません。ということで、次から次に延々と田んぼめぐり。それにしても、よくこれだけの広いエリアの鳥の付くところを把握しているものです。しかし、オグロシギはいません。最後にとっておきの場所と声をひそめて案内してくれた水田に行くと、中型のシギの群れが水を張った水田でさかんに食べ物を啄んでいました。双眼鏡で見ると、アオアシシギ、コアオアシシギ、そして赤い脚のシギが4羽、ツルシギです。
 ツルシギとの出会いは久しぶりです。昔は、ツルシギは東京湾の干潟にたくさんいました。しかし、今では珍鳥です。たとえば私が高校生の頃、はじめて蒲谷鶴彦先生にお会いした新浜の埋め立て地には、300羽を超えるツルシギが羽を休めていました。
 東西線行徳駅を降りて新浜御猟場に向かって歩く間は、耕作をやめた水田が湿地となり、そこにはツルシギがよくいました。その時の写真は、バードフォトアーカイブで掲載されています。下記URLで紹介されています。

http://www.bird-photo.co.jp/1_photo_2009.html#Anchor-BP-39678

 東京都側の葛西でも、100羽単位の群れは普通で、ここでの出会いがおそらく最後。1975年頃のことです。ですから、今日のツルシギとの出会いはざっと35年ぶりと言うことになります。
 どうして、ツルシギが減ってしまったのか、わかりません。中継地の東京湾の湿地の埋め立てが原因なのか、それとも繁殖地の環境の変化なのでしょう。それにしてもわずか35年で、これだけ数を減らした鳥は、そう多くはありません。
 秋の青空を写した水の中のツルシギの赤い脚に見とれていると、そろそろ空が夕方の色になってきました。番組ならば、このあたりでオグロシギの群れが飛んでくるはずです。あるいは、かろうじて1羽見られましたとコメントして、エンドロールが流れていく時間となりました。しかし、現実はそうはいきません。思い通りに行かないのが自然です。
 しかし、気持ちの良い秋の日のバードウォッチング、ツルシギとの出会いのおかげで厚みを増すことができました。T本さん、ありがとうございました。

2010年9月25日 (土)

日本鳥学会から1週間

 日本鳥学会が開かれて1週間ほど経ちました。東邦大学に集まった方々は、すでに職場や学校に戻られたことと思います。学会終了後、どのような感想があるのか、ブログや掲示板の書き込みを読ませてもらいました。多くの方が、学会の熱気やユニークな研究成果を高く評価し好意的な書き込みをしています。ここで自己満足で終わっては学会の発展はない、強いては日本の鳥たちの未来をも暗くすると思い、あえて苦言を述べておきます。
 いちばん私が感じたのは、口頭発表のテクニックのお粗末さです。若い研究者の方が、上がってしまい声が裏返っているのは、まあ許せます。しかし、15分の持ち時間に詰め込みすぎの方が何人かいました。ですから早口になり、聞き取りにくくなります。私が聞いた発表はすべてパワーポイントを使用していましたが、1画面への詰め込みすぎも多いし、コマ数の多い人もいました。「ここは飛ばします」と数コマ流してしまうのは、いったい予行演習をしているのかと思いました。
 気になったのは、一本調子でメリハリがない話し方です。重要なところは2,3回言って良いし、大きな声で話しても良い、ここで乗れば早口になるくらいでも良いのだと思います。全部重要だからと同じ調子で話されると話す方も聞く方も疲れます。話の展開のなかで、強弱が必要だと思います。
 さらに、言葉の選び方です。なんでわざわざ難しい言葉を使うのだろうと思いました。わかりやすい言葉、一般的な言葉で解説するというのは簡単ではありません。内容を完全に理解し消化してこそできることです。学会は専門家の集まりであるからと甘えているのならば手抜きです。というのは、これからより研究を発展させるためには、一般の方に理解してもらえないとならないからです。仮に研究費を確保するための説明の場があったらとしたら、それを評価する人が同じ専門家とは限らないからです。
 今まで、役人が役所のなかで予算を獲得するのに役人言葉でやりとりしていれば良かった時代でした。しかし、これからは仕分け人を前に説明するかもしれません。この仕分け人が専門家とは限らないのです。もし、学会で発表しているような言葉使いならば事業の存続が危ぶまれます。プレゼンテーションのテクニックがないがゆえ、日本の鳥類研究が立ち後れてしまう可能性があるのです。
 録音をしている者として言わせてもらえば、マイクテクニックも下手です。話すときの息がマイクに当たり「ボッ」という音が絶えず入っていました。いわゆる”吹かれ”というノイズです。マイクを口の下に持って行けば、避けることができます。たったこれだけのことで、ずいぶん聞きやすくなると思います。
 逆に「うまいなあ」と感心したのは、慶応大学の伊澤栄一先生の「集団飼育下のハシブトガラス若鳥オス間にみられる相互羽つくろいの機能」です。若鳥たちの順位形成の発見から社会構造の解明につながる可能性を秘めた興味深いお話です。このなかで伊澤先生は、他の方ならば「カラスの雄の若年個体、雌の若年個体」と言ってしまうところを「男の子、女の子」と話されたのです。
 研究対象を擬人化して表現することにより、研究内容が主観的な印象を与えかねない危険な言葉の使い方です。しかし、それを越えるだけの検証と成果は、客観的な事実の積み重ねであって疑念を挟み込み余地はありませんでした。それより、先生が「男の子、女の子」と言うことで、ぐっとカラスに親しみを感じ研究成果を理解することができました。
 いずれにしても、相手に伝えるためには完璧に研究成果をこなし理解した上で口頭発表するということが大前提となります。

2010年9月24日 (金)

堀内讃位を探せ

 塚本洋三さんは、ご自身のWebサイト「田中徳太郎の次は、堀内讃位」と題し、堀内讃位のコレクションの行方を捜す決意をお書きになっています。讃位は「さんみ」と読みます。
 私も塚本さんの一助になればと思い、蔵書をお貸しし引き続き捜索しております。堀内讃位は、戦前から戦後にかけて日本野鳥の会を始め鳥業界を支えたお一人です。本業は、写真雑誌のカメラマンで、日本の伝統的な狩猟方法をカメラによって記録をしようと試みた方です。当時、カメラ1台で家が買えたような時代の写真記録ですから、今となっては貴重な記録です。たとえば、木菟猟というのがあります。コノハズクを止まり木に止まらせ、周辺の小枝に鳥モチを付けて小鳥を捕らえる方法です。これは、小鳥がフクロウ類にモビングをする習性を巧みに利用した狩猟法です。このような狩猟方法を、丹念に写真に撮っています。当然モノクロ写真で、これらの狩猟を行っている風景は今となっては見ることのできない日本の原風景、これも合わせて捉えられています。
 堀内の写真の一部は、出版されています。戦前1939年発行の『写真集・日本鳥類狩猟法』と近年1984年の『日本伝統狩猟法』です。しかし、これらの原板をはじめ、使用されなかった写真が、今どこにあるのかわからないのです。この幻のコレクションを塚本さんとしては、放っては置けません。
 また堀内は、銀座で鴨料理のお店「さんみや」を経営していました。このお店で日本野鳥の会の理事会が開かれたりもしました。今、日本野鳥の会の理事会が野鳥料理のお店で開かれたら大スキャンダルとなりますが、当時はおおらかな時代というか、自然からの贈り物を味あうことは自然に親しむことだったのです。
 後著は、出版科学総合研究所が発行しています。当時、この出版社は彗星のごとく現れ、鳥関連の本を多数出版したのですが、堀内の本を最後に消えてしまいました。この本のまえがきには、ご子息が経営する巣鴨の鳥料理店「さんみや」で出版が企画されたというようなことが書かれています。私は、駒込に住んでいますので巣鴨は隣町、歩いて行けます。ですから出版当時、巣鴨へ行けばいつでもご遺族にお会いできる、いつか訪ねてみたいと思っておりました。ただ、私自身あまり飲めないので、ぶらっと飲み屋に入るという習性がありません。また、肝臓を悪くして前の職場を辞めた時でもあり、つい行きそびれているうちに巣鴨の「さんみや」もお店をたたんでしまいました。
 今思えば、なんとも惜しいチャンスを逸してしまったことになります。悔やんでも悔やみきれません。
 今「堀内讃位」でググルと、鷹狩りのグループなどのサイトで当時の鷹狩りの記録を残した堀内の評価が高いことがわかります。鳥の習性を利用した知恵比べであった伝統狩猟法、私たちも注目すべき事柄ですし、堀内の業績を再評価すべきです。

2010年9月21日 (火)

スズミグモの子どもたち

 六義園でのスズミグモの発見は、以前「六義園でスズミグモ発見」と題し記事にしました。
 その後、スズミグモの巣は4つ発見され、そのうち2つからクモの子が孵りました。
 クモの子を散らすと言うたとえがありますが、スズミグモの子どもたちは親の巣のそばで長い間、かたまって過ごしています。
 写真は、本日の状態です。いちばん下にメスグモがいます。白いのが卵嚢で、その上の灰色のかたまり、生シラスのように見えるのが子どものクモです。

Suzumigumo2

 この巣の子どもを発見したのは、17日でしたから1週間この状態です。その間、東京地方では1時間に数10mmという大雨が降りました。しかし、子どもが減ることもなく親の巣の上にいます。あの大雨をどうやってしのいだのでしょう。もう一つの巣も同じように長い間、子どもが巣のそばにいましたが、だんだん少なくなり親もいなくなり巣も無くなっていきました。
 これだけ大量の子どものクモのうち、どれだけ冬を越し来年まで生き延びることができるのでしょうか。

2010年9月20日 (月)

蚊取り線香ケース

 涼しくなったので、六義園に常連の鳥仲間が戻ってきました。仲間同士の生存確認をしたあと、鳥たちを探していました。今日は、エゾビタキの日のようで数羽が飛び交っていました。
 ところで、六義園の蚊の多さには辟易します。1980年代に調査をしていた頃は、9月になると刺される程度でしたが、このところは5月の連休過ぎから猛攻が始まります。録音のためにじっとしていると、あっという間に数ヶ所刺されます。見回すと、私に蚊の群れがまとわりついているのがわかるほどです。1、2ヶ所刺されるのならばがまんできますが、5、6ヶ所刺されるとテンションが下がってしまい、録音も写真も調査もどうでも良くなってくるのは困りものです。
 ということで、いろいろな蚊除けを試しました。リストバンドタイプのものや帽子に付けるものなど、薬局や山用品の店で買ってきては試しました。結論をいうと蚊取り線香と蚊除けスプレーのダブる効果がいちばんです。ようするに、風が吹くと臭い系や煙系は流れしまい効きません。また、スプレー系は汗をかくと効かなくなります。ですから、2重に防除すれば効くだろうということです。とくに蚊取り線香は、二本炊きが効果絶大です。ようするに外側と内側に火を付けて燃やし、たっぷりと煙を出すのです。
 私が蚊取り線香を腰にぶら下げているので、六義園の常連さんたちも皆、蚊取り線香派となりました。本日、6人いた皆さんの持っているケースを並べてみると2つを除いて、皆違うタイプ、こんなにも種類があるのに驚きました。たちまち品評会となったのですが、機能は線香を燃やすだけですからそう違いありません。人気だったのはK久保さんの大正製薬のもので、予備の蚊取り線香を入れるスペースがあるものでした(写真下、中央)。

Katorisenko1
 しかし、6人が集まるとさすがに煙い。

2010年9月19日 (日)

今日も日本鳥学会

  今日も千葉の東邦大学で開催されている日本鳥学会に行ってきました。久しぶりに会う人、メールやネットでの顔見知りなのですが初めてお会いした人が何人もおりました。
 学会の講演はわずか15分と短いので質疑もできず交流はできません。しかし、ポスター発表は、同じ研究テーマの仲間が集まる交流の場となり盛り上がっていました。私もカラスや音声分析に関係した発表の前で説明を聞きながら、議論に参加して勉強させていただきました。おかげで、昨日も今日も喉が痛くなりました。
 年々、研究発表のテーマは多様化していると思います。それはそれで良いのですが、このテーマの目的は何?その先どうなるの?と思ってしまうものもあります。確かに論理は明確で、事象の成り立ちが解明されているのですが、だから何なんだと言いたくなるテーマもありました。
 悪い例をあげるのははばかれますので、良いテーマの例を申し上げます。
 たとえば、三上修さんの「スズメはなぜ減少しているのか」というテーマは、身近な自然に注目し身近な環境の変化を喚起するとても良いテーマだと思いました。そのため、マスコミにも取り上げられています。ようするに、学会から情報発信されたネタがマスメディアに乗って多くの人が、学会の情報を共有してもらえたわけです。参考のために毎日新聞のURLを下記に。
  http://mainichi.jp/select/science/news/20100918k0000e040050000c.html
  また、ポスター発表では、越川重治さんの「ディストレスコールが都市のムクドリねぐらの分散化と移動を加速」も本来ならばもっと一般に広報されるべきテーマだと思いました。ムクドリのねぐらで多くの人が困っているですから、越川さんの警鐘は広く知らしめる必要があると思います。
 他にも良いテーマはありましたが、例にあげたこの2つは「だから何なんだ」と問いかけられた時に「社会に貢献しているよ」と答えられるテーマなのだと思います。ようするに、研究オタクが趣味でこねくり回したテーマと結論ではなく、広く一般の人も必要とする研究成果です。このような発表がもっとあって欲しいと思ったわけです。
 このように書くと「新聞に載るために研究しているのではない」とお叱りを受けるかもしれません。あるいは、浅学無知の私が理解できていないのかもしれません。しかし、わかる言葉で、伝える努力も研究者の技量の一つだと思います。いずれにしても、研究費をもらうこともあるわけですから、学会参加者に伝たわらないプレゼンテーションは他でも通用しないことにならないか心配です。
 いずれもしても自分の研究結果に、今一度「だから何なんだ」と自問してみてはいかがでしょうか。

2010年9月18日 (土)

日本鳥学会に参加

 日本鳥学会に行ってきました。北海道や九州などでの開催だとなかなか行けないのですが今回は千葉。私の母校の東邦大学ですから、行かないわけにはいきません。
 講演発表を聞き、ポスター発表を見て歩くと勉強になります。しかし、それ以上に若い人ががんばっているのを見るととても刺激になります。このエネルギーをもらうだけでも、学会に参加した価値が大いにあります。
 1970年代までは、日本鳥学会、日本野鳥の会の全国大会、そして全国自然保護連合や自然保護関連のシンポジウムに行くと、同じ顔ぶれに良く会いました。ですから、青森のFさん、仙台のHさん、愛知のTさん、福岡のTさんなどには一年に何回も会ったものです。しかし、今では、学会は学会、日本野鳥の会は日本野鳥の会、自然保護のグループはグループと色分けがはっきりしてきました。
 特に学会は、若い人が多いことが頼もしい限りです。先日、ご案内した大阪の「カラスとフクロウの若き研究者たち」のお三方もポスター発表でがんばっていました。逆に、私が年を上から数えて何人目だろうろうと50人はいる会場を見回すと3人目くらいでしたから、いかに若い人が多いことがおわかりいただけることと思います。
 それに引き替え同じ鳥に関わる人間でありながら、バードウォッチャーや野鳥カメラマンは高齢化が進んでいます。それぞれの色分けされていった経過のなかで、いつの間にか世代のギャップが生じてしまった不思議があります。
 学会はこの連休3日間連続して行われます。明日も刺激を受けに行ってまいります。
 学会会場は、著作権や肖像権の関係で基本的には撮影禁止です。写真は、会場となった東邦大学のキャンパスです。卒業した38年前に比べ、木々がかなり大きくなっていました。

Tohouni

2010年9月17日 (金)

群れで鳥を見ないというこだわり

 デジスコドッドコムのメールマガジン・デジスコ通信の第61号(2010年9月17日号)に「群れで鳥を見ない」というタイトルで投稿いたしました。下記URLで、ご覧ください。
 http://www.digisco.com/mm/dt_49/toku1.htm
 鳥が群れるには理由があります。バードウォッチャーが群れるのにも理由があります。その一つがネット情報だけに頼って鳥を見つける風潮です。自分で鳥を見つける知識も経験もないためです。野鳥を勉強しない限り研鑽を積まない限り、人の多い中で写真を撮ったり珍鳥を見なくてはならないのです。
 情報の出回った野鳥を見ないというコンセプトも群れで鳥を見ないというコンセプトと同じことになると思います。
 ネタ元になっていただいたTさんに、重ねてお礼申し上げます。

2010年9月16日 (木)

鳥のものまねのCD

 一昨日の記事で紹介した「野鳥の秘密の歌声」といっしょに購入したCDです。まずは、ジャケットの写真です。

Birdmimicry

 タイトルは”Bird Mimicry”訳せば「鳥のものまね」、副題は”a remarkable collection of imitations by birds”「鳥による物まねの驚くべきコレクション」かな。
 鳥が行っているものまねの声を集めたCDです。イギリス製なので、ヨーロッパやオーストラリアの鳥が中心です。ホシムクドリのニシコクマルガラスのまねからはじまって、どう聞いても人の口笛、楽器、話し声を真似する鳥も収録されています。いわば、鳥の世界の江戸家猫八さんですね。
 まねをすることで歌のレパートリーを増やし雌の注目を得ることができるわけですが、真似をするのは覚えなくてなりません。学習能力の優れた雄が、雌に選ばれることになるのでしょうか。さえずりの発達を”ものまね”というキーワードで説くと、より深い意味が読み取れます。
 そんな難しいことは、ぬきにしても楽しいCDですし笑えるCDです。
  BIRDSOUNDS.NL のURLは下記。
 https://www.birdsounds.nl/index.php?pg=home
 Bird Mimicry-a remarkable collection of imitations by birds-のURL
 http://www.birdsounds.nl/index.php?pg=productoverviewitem&id=637

2010年9月15日 (水)

『中西悟堂と善福寺』展

 同じように野鳥が好きなのに話の合わないバードウォッチャーがいると思えば、話が止まらず後で喉が痛くなるほど話に興じることができる鳥仲間がいます。後者の一人が、日本野鳥の会東京支部・元支部長の西村眞一さんです。
 西村さんのライフワークは、中西悟堂研究です。悟堂は、日本野鳥の会の創立に関わり、いわば日本の野鳥の父です。私自身、悟堂の著作に巡り会ってから野鳥の世界に目ざめ、現在の私があるわけですから、どんな人物なのか興味を持って資料を集めていました。しかし、西村さんの取り組みは半端ではありません。悟堂が住んでいた場所を確定したずねたり、著作はもとより、名刺、ハガキ、原稿に至るまでコレクションをして、その足跡をたどるところから悟堂の精神を理解しようとしています。
 その西村さんがプロデュースした展示会が今、杉並区役所で開催されているということで本日、行ってきました。1階と2階のロビーの展示ですから、規模は大きくありません。しかし、西村コレクションのお宝が並ぶ中身の濃い展示となっていました。また、悟堂が住んでいた日本野鳥の会創立当時の善福寺周辺は、とても自然の豊かな環境であったことがわかります。当時の善福寺は、ヒクイナが鳴きサンコウチョウが舞い飛ぶ豊かな自然がありました。その自然が悟堂をはぐくみ、その後の活動に影響を与えたことは想像に難くありません。
 今こうして私たちが野鳥を楽しんでいるのも、悟堂のような先駆者のおかげです。お近くの方は、悟堂の息吹に触れることができる展示会にお出かけいただければと思います。
 展示会の概略は以下です。
日時:9月13日(月)~19日(日) 午前9時~午後5時
     13日(月)は午前11時開始、19日(日)は午後3時終了
場所:杉並区役所1階ロビー
      ・善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業(建設課)
      ・善福寺公園内の野鳥写真(西村眞一)
   杉並区役所2階ロビー
      ・『中西悟堂と善福寺』展
展示解説:『中西悟堂と善福寺』(担当:西村眞一)
     杉並区役所2階ロビー
      ・18日(土)午後2時~3時
      ・19日(土)午前10時~11時、午後1時~2時
       展示内容とともに、日本野鳥の会創設のエピソードも解説します。
詳しくは下記URLへ
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/event/event.asp?event=13071

 展示会場です。撮影禁止のところ、拙ブログに使用のため西村さんの許可を得て撮らせていただきました。

Godoten

2010年9月14日 (火)

三番瀬での録音

 今朝は眼が覚めると、身体が動く気温でした。そのため三番瀬、船橋海浜公園に行きました。いちおう下調べでは、珍鳥の出現はなく鳥も少ないとのこと。それならば、人が少なく自由に干潟を歩けるだろうと思っての計画です。
 午前9時30分に着くと、満潮の状態で鳥はほとんどいません。潮の引くのを待っていると、顔なじみのカメラマンのN村さんに会いました。雑誌ビーパルでお世話になった方です。早朝から来ていて、サルハマシギがいたなどの情報をいただきました。
 ところが、潮が引き始め干潟が顔を出してもシギの群れがやって来ません。いつもは、すぐにやって来て近くでさかんに鳴き合います。それを狙ってのことなのですが、今日は様子が違います。しょうがないので、持ってきたSONYのPCM-D1とYAMAHAのW24とC24を並べて波の音を録ったりしていました。
 そうとう干潟が引いてから、やっとメダイチドリの群れがやって来ました。それとともに、ダイゼン、オオソリハシシギ、ハマシギ、ミユビシギ、ソリハシシギなどが、目の前の干潟に降りてくれました。そこそこの種類と数、そして良く鳴き合ってくれました。これ幸いと、録音開始。ところが、目の前の群れを見るとハマシギにまじってサルハマシギの幼鳥がいました。N村さんが見つけたものでしょう。
 誰も気が付かなければ良いと思っていましたが、めざとく見つけたカメラマンのオジさんが他の人にも声をかけたため人が集まってきてしまいました。人が集まってきたので、それを避けてサルハマシギは私のほうへどんどんやって来ます。それとともに、バードウォッチャーたちも来てしまいました。
 お金と女と鳥は、追えば逃げるという法則を知らないバードウォッチャーが多いのは困ります。
 写真手前は、録音機を置いてある携帯イス。その前の汀線にサルハマシギがいます。

Sanbanase

 この時、録音した音はこんな感じです。ダイゼンとメダイチドリの声が聞こえます。YAHAMAのW24 で録音しています。低音ノイズの軽減、ノイズリダクションを軽くかけています。

 

2010年9月13日 (月)

野鳥の秘密の歌声

 ”Secret Songs of Bird.s”「鳥の秘密の歌声」という気になるタイトルのCDをBIRDSOUNDS.NL で見つけました。副題には”The hidden beauty of birdsong revealed”とあり「明らかにされた鳥の鳴き声の隠された美」とでも訳しましょうか。
 なんでもThe British Libraryが、制作したものでヒバリなどの声を再生の速度を変えることで、鳥の歌声を違った角度から鑑賞できるCDだそうです。
  BIRDSOUNDS.NL のURLは下記。
 https://www.birdsounds.nl/index.php?pg=home
 Secret Songs of Bird.sのURLは下記。
 http://www.birdsounds.nl/index.php?pg=productoverviewitem&id=1050
 価格は、19.99ユーロ。円高のうちにと注文いたしました。
  ジャケット写真は下記です。

Secretsongsofbirds 

 さっそく聞いてみると、これは面白い。たとえば、ミソサザイの声を再生速度を30%にして聞く(ノーマルの再生速度と30%で再生した音が収録されている)と、まるでコウライウグイスなど暑い地方のジャングルで鳴いている鳥の声のように聞こえます。鳥たちは、私たちとは違った耳でお互いの声を来ている可能性があり、このように聞いているのかもしれません。
 ということで自分の音源でもやってみました。ところが、これがなかなかうまくいかないのです。ノイズがあると、その音がゴボゴボいう音になり聞きづらくなります。そうとうクリアな音源でないとこの加工ができないことがわかりました。
 ノイズの少ないウグイスの音源を探しだし、やっと真似事ができました。
 まずは、ノーマルな再生速度です。

 30%の再生速度です。

 遅くすることで、音の上がり下がりがよくわかります。たとえば、ウグイスの耳の解像力では、この違いを聞き分けウグイス同士は個体識別をしている可能性があるわけです。
 ご興味のある方、円高のうちにどうぞ。

2010年9月11日 (土)

広くなった鳥海書房

 昨日は、神田神保町で打ち合わせがありました。
 神保町に来たらどうしても寄ってしまうのが、交差点に近い古書センターの3階にある鳥海書房。鳥関連の古書をたくさん扱っている古書店です。私の古書の蔵書の半分くらいは、ここから購入したのではないでしょうか。ところがこのところ、すっかりご無沙汰で東京バードフェステバルなどのイベントでの出店では店員の皆さんとお話をしているのですが、お店にうかがうのは久しぶりです。
 エレベーターで3階にあがり狭い廊下を通って行くと、なんとシャッターが下りています。まさか、つぶれたのではと一瞬思いましたが「同じ3階の反対側に移転しました」の張り紙があり、ほっと安心。シャッターの下りた店舗を見るとつぶれたと思ってしまうご時世なのですね。
 3階の反対側に行くと、以前より広いスペースに本が並び、いつもの顔ぶれの店員の皆さんが迎えてくれました。なんでも、以前あった本屋さんが撤収し急な移転だったそうで、引っ越してから1ヶ月くらいです。
 以前の店舗はとても狭く、本棚と本棚のスペースがなく、人がすれ違うことはできませんでした。それに下の方の本を見ようと腰を落とすと後ろの本棚にお尻がぶつかるところもありました。老眼が進んだ昨今、暗い上に本の背表紙との距離を取れなくて、タイトルが読めず苦労をしたものです。それが、移転のおかげでスペースが広くなったので、本を見やすくなりました。でも、以前の店舗では、まだ未整理の本が横に積まれ、その中から未見のタイトルを見つけて値段交渉をする楽しみがなくなってしまったのはちょっと寂しい気がします。
 店員さんとの話ではお互いに「本が売れない」という、ぼやきになってしまいたました。バードウォッチャーは増えたのに、どうしてもっと勉強しようとしないのか。知識の宝庫の書籍に目が行かないのか。ネットで得られる情報とは、質も量も違うはずと、私と思っていることと同じように店員の方も認識されていました。
 こうして、鳥関連の書籍を埋もれることなく伝承していこうという鳥海書房の姿勢はありがたいものです。諸先輩が培ってくれた財産である書籍を守っていこうという仕事は、いわば野鳥保護区を作って自然を保護することと同じではないでしょうか。野鳥保護区があれば利用するバードウォッチャーは多いと思いますが、書籍を利用しないバードウォッチャーが多いことは嘆かわしいことです。
 鳥海書房のWebサイトのURLを下記しておきます。
  http://www9.ocn.ne.jp/~toriumi/

2010年9月10日 (金)

六義園、秋の渡りのはじまり

 台風が去り、昨晩は風も穏やか。夜渡る小鳥たちが、今日あたり六義園にたどり着いているのではないかと思い、今朝の散歩は六義園園内といたしました。
 案の定、シジュウカラも増えていて群れを作っています。しばらく、シジュウカラの群れを見ているとシジュウカラとは違った動きをする小鳥がいました。キビタキの雌、あるいは若鳥です。さらに、センダイムシクイも見つけました。
 池に行くとイソシギが2羽、水面すれすれを飛んでいきました。イソシギは珍しい鳥ではありませんが、六義園では記録の少ない鳥です。たとえば、1984~1992年の間では4回記録されているにすぎません。たいがい1羽での出現です。六義園で2羽のイソシギを見たのは今回が初めてです。
 いよいよ秋の渡りが、本格的になってきました。

Common_sandpiper

2010年9月 8日 (水)

10月の『朝の小鳥』は大久保農耕地

 来月の『朝の小鳥』は、埼玉県さいたま市にある大久保農耕地の鳥たちです。本日、スタジオ収録を行いました。
 大久保農耕地の刈り取りの済んだ田んぼとヨシ原が織りなす自然は、どこか懐かしい風景。そこでは、たくさんの野鳥との出会いを楽しめます。来月の番組では、その大久保農耕地の秋の鳥たちの声を紹介します。
 去年の秋は、ずいぶん大久保農耕地に通いました。その理由のひとつに謎の声との遭遇がありました。大久保農耕地に行き、そろそろ帰ろうかと土手を登り始めると、今まで聞いたことのない声がヨシ原のなかから聞こえました。ヨシ原のなかですから、姿は見えません。はっきりした声なのとシロハラクイナのいたところでしたで、クイナの仲間であろうと思い録音しました。
 家に帰ってから海外のCDからWebサイト上にアップされているクイナ類の声をかたっぱしから聞いてみましたが、該当するものはありません。
  そのため、翌日も大久保農耕地に行きました。今度は、昨日録音した音源を流しての誘因作戦です。鳥に影響の可能性のある誘因はやりたくないのですが、今は繁殖期ではないし影響は少ないだろうという判断です。また、ヨシ原など姿の見えづらい環境に生息する鳥は、ボーカルコミュニケーションが発達しているはずですから鋭く反応するはずです。
 機材を整え、くだんの場所に行くと昨日と同様の声が聞こえます。さっそく、携帯用のスピーカーから音を流したのですが無反応。まったく近づいてきません。この日も、より良い音の録音ができたものの無念の帰宅です。
 こうなったら助っ人を頼むしかありません。録音仲間のTさんです。1人では、近づいて飛び立ってしまったら姿を見損なうことがあります。千載一遇のチャンスを逃してしまうかもしれません。とにかく、今まで聞いたことの無い鳥なのですから何が飛び出すかわかりません。最後の手段として私が近づいて姿を探し、もし飛び立ったら土手の上から彼に見てもらうという作戦です。
 そして3日目、くだんの場所に行くとすでにTさんは到着していました。そして、「ヨシゴイの幼鳥のようです」とのこと。Tさんは、早く来て見ていたらヨシゴイが飛んできて幼鳥に食べ物を与えたら鳴いたとのことでした。
 言われたところを見ていると確かにヨシゴイの幼鳥がいます。そして、声もそこから聞こえています。しばらく見ていると、口の動きと聞こえる声が一致。間違いありません。誘因作戦が聞かないはずです。でも、かなり遅い子育てです。まさかこの季節に幼鳥がいるとは思いませんでした。今回は、3日がかりで謎の声が解明できました。Tさん、ありがとうございました。
 ということで、10月の最初の日曜日は本邦初公開、ヨシゴイの幼鳥の声です。
 以下の放送予定は、下記のとおりです。
10月3日 ヨシゴイ幼鳥
    10日  モズ
    17日  セッカ
    24日  クイナ
    31日  ジョウビタキ

2010年9月 7日 (火)

アブラゼミの声紋

 暑いだけあって昆虫たちは元気です。とくに、セミがにぎやかです。
 網戸にとまったアブラゼミを腹側から録音してみました。それも、数cmも離れていない距離からです。PCM-D1による96kHz/36bitの高品位での録音です。
 そして、声紋を見ると、とても美しいパターンとなりました。

Aburazemiseimon

 左右は1分15秒。天地は48,000Hzまで表示しています。
 音は、次のとおりです。アップするためには、容量を減らさざるをえません。時間を30秒に短縮し、96kHz/16bitから44.1Hz/16bitに変換、さらにmp3に変換していますので、実際の音とは異なりますことをあらかじめご了承ください。

 メインの音は10,000~15,000Hz にあることがわかります。もう私には聞こえない音域ですから、その下の5,000Hzあたりの音をかろうじて聞いていることになります。また、30,000Hz以上にまで、うっすらと倍音が見えます。これらの音すべてが、織りなすアブラゼミの声。とてもではありませんが、カタカナで表現できるわけがありません。

2010年9月 6日 (月)

アナグマの死-日光

 週末、日光を車で走っていると、道ばたに動物の死体があるのを見つけました。車を止められるようなところではなかったので、歩いて引き返すと、アナグマでした。

Anaguma
 大きな外傷は見られませんでしたが、場所から交通事故死でしょうか。可哀想です。
 ハエがたかり、お腹がふくらんでいるので腐敗が進行しているようです。死後1日くらいの感じです。それにしても見たことのない野生動物、見たいと思っていた野生動物と死体との対面は残念です。
 中型以上の日本産ほ乳類を見てやろうとがんばっているのですが、なかなか見ることができなかったのが、このアナグマです。日光では、市街地の近くの別荘地でも見たという人がいます。また、カミさんは奥日光で見ていますから、けっこう広く分布しているようです。いずれにしても夜行性で警戒心の強いほ乳類を見ることは、知識と経験に加えて”運”が大きく左右します。
 今度は、ぜひとも生きたアナグマを見てみたいものです。
 あとは、中大型のほ乳類で見ていないのは、ツキノワグマだけです。この出会いは、いろいろ”運”が必要ですね。

2010年9月 2日 (木)

ムクゲコノハがいた頃

 六義園の森のなかを歩いていると視野の隅に一瞬、光がまたたきました。光のするほうを見ても何もありません。目の迷いか、あるいは目がおかしくなったのか。
 いぶかしげに思い立ち止まっていると、また視野の隅で光りました。光は、地面からでした。その方向を見ていると、光がふわっと飛びあがり地面に下りると、消えてしまいました。
 生き物であることは間違いないようですが、いったい何?
 光が消えた当たりを一生懸命、探しましたが何もいません。
 すると、まるで地面につもった枯れ葉のなかに灯がともったようにオレンジが現れました。よく見ると、3cmほどのガがしました。全体に枯れ葉のような色をしているので、枯れ葉の上に下りると、完全な保護色となり見えなかったのです。
 これが、翅を閉じたところの写真。

Mukuge1_2

 翅を拡げた写真。翅を拡げると後ろの隠れた鮮やかなオレンジ色の翅が出てきます。このオレンジ色が、またたく光のように見えたのでした。

Mukuge2_2
 写真を撮ろうと近づくと、写真を撮ってくれと言わんばかりに、きれいな翅を見せてくれます。考えて見れば、このガにとって精一杯の威嚇なのでしょう。
 ガの名前を調べると、ムクゲコノハとわかりました。六義園にはムクゲはありませんが、周辺の住宅の庭にはよくあります。しかし、食草はクヌギなど、クヌギのある六義園産かもしれません。
 このムクゲコノハを見つけたのは、5年前の2005年9月3日のことです。その後、ムクゲコノハを見つけることはありませんでした。
 それにしても5年前の同じ日は、キノコの写真をたくさん撮ったり、ムクゲコノハを見つけたり、自然観察を楽しめました。今日のように暑かった記憶はありません。今日のこの暑さから、ムクゲコノハとの出会いが本当にこの日だったのか疑問に思って調べたための記事でした

2010年9月 1日 (水)

檻に入ったオオタカ

 六義園内では、東京都が設置した捕獲檻でカラスの捕獲をしています。
  日曜日に六義園に行ったら、駆除業者の人が「オオタカが2羽入って1羽喰われていた」と報告があったと職員から言われました。
 今まで、オオタカが入ってしまったことが2回ありましたが、いずれも1羽でした。写真は、その1羽。茶色なので若鳥であることがわかります。手前のハシブトガラスも口の中が赤いので若鳥です(2002年2月23日)。

Goshawkcrow_2

 まず、数の少ないオオタカが2羽も入るものなのでしょうか。仮に2羽ということならば夫婦の可能性があり、それならば共食いすることもないでしょう。さっそく、檻の置いてある場所に行き、まわりに羽毛が落ちていないか調べましたが、カラスの羽はあるものの猛禽類の羽はなく疑問は疑問のままでした。
 このままでは気になってしょうがないので本日、東京都のカラス担当の方に問い合わせて確認をいたしました。すぐに業者に問い合わせていただいたところ、オオタカ2羽は間違いないのですが2羽とも放鳥したとのことでした。ですから、食べられていたのはカラスということで、オオタカがオオタカを食べたは誤報、報告の表現がわかりにくいためでした。
 オオタカの共食いは無かったことで理解しましたが、つぎにオオタカが2羽も入ることがあるのでしょうか。2羽が夫婦で、つられて入ってしまったのでしょうか。しかし、結婚できるほど成長した成鳥であれば、警戒心が強いはずで捕獲檻のなかに入ることがあるのでしょうか。次の疑問が湧いていきます。
 そして、準絶滅危惧種として環境省のレッドリストに載っているようなオオタカが入ってしまうような捕獲檻による捕獲事業をこのまま続けて良いものなのでしょうか。
 

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