ムクゲコノハがいた頃
六義園の森のなかを歩いていると視野の隅に一瞬、光がまたたきました。光のするほうを見ても何もありません。目の迷いか、あるいは目がおかしくなったのか。
いぶかしげに思い立ち止まっていると、また視野の隅で光りました。光は、地面からでした。その方向を見ていると、光がふわっと飛びあがり地面に下りると、消えてしまいました。
生き物であることは間違いないようですが、いったい何?
光が消えた当たりを一生懸命、探しましたが何もいません。
すると、まるで地面につもった枯れ葉のなかに灯がともったようにオレンジが現れました。よく見ると、3cmほどのガがしました。全体に枯れ葉のような色をしているので、枯れ葉の上に下りると、完全な保護色となり見えなかったのです。
これが、翅を閉じたところの写真。
翅を拡げた写真。翅を拡げると後ろの隠れた鮮やかなオレンジ色の翅が出てきます。このオレンジ色が、またたく光のように見えたのでした。
写真を撮ろうと近づくと、写真を撮ってくれと言わんばかりに、きれいな翅を見せてくれます。考えて見れば、このガにとって精一杯の威嚇なのでしょう。
ガの名前を調べると、ムクゲコノハとわかりました。六義園にはムクゲはありませんが、周辺の住宅の庭にはよくあります。しかし、食草はクヌギなど、クヌギのある六義園産かもしれません。
このムクゲコノハを見つけたのは、5年前の2005年9月3日のことです。その後、ムクゲコノハを見つけることはありませんでした。
それにしても5年前の同じ日は、キノコの写真をたくさん撮ったり、ムクゲコノハを見つけたり、自然観察を楽しめました。今日のように暑かった記憶はありません。今日のこの暑さから、ムクゲコノハとの出会いが本当にこの日だったのか疑問に思って調べたための記事でした
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