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2010年9月24日 (金)

堀内讃位を探せ

 塚本洋三さんは、ご自身のWebサイト「田中徳太郎の次は、堀内讃位」と題し、堀内讃位のコレクションの行方を捜す決意をお書きになっています。讃位は「さんみ」と読みます。
 私も塚本さんの一助になればと思い、蔵書をお貸しし引き続き捜索しております。堀内讃位は、戦前から戦後にかけて日本野鳥の会を始め鳥業界を支えたお一人です。本業は、写真雑誌のカメラマンで、日本の伝統的な狩猟方法をカメラによって記録をしようと試みた方です。当時、カメラ1台で家が買えたような時代の写真記録ですから、今となっては貴重な記録です。たとえば、木菟猟というのがあります。コノハズクを止まり木に止まらせ、周辺の小枝に鳥モチを付けて小鳥を捕らえる方法です。これは、小鳥がフクロウ類にモビングをする習性を巧みに利用した狩猟法です。このような狩猟方法を、丹念に写真に撮っています。当然モノクロ写真で、これらの狩猟を行っている風景は今となっては見ることのできない日本の原風景、これも合わせて捉えられています。
 堀内の写真の一部は、出版されています。戦前1939年発行の『写真集・日本鳥類狩猟法』と近年1984年の『日本伝統狩猟法』です。しかし、これらの原板をはじめ、使用されなかった写真が、今どこにあるのかわからないのです。この幻のコレクションを塚本さんとしては、放っては置けません。
 また堀内は、銀座で鴨料理のお店「さんみや」を経営していました。このお店で日本野鳥の会の理事会が開かれたりもしました。今、日本野鳥の会の理事会が野鳥料理のお店で開かれたら大スキャンダルとなりますが、当時はおおらかな時代というか、自然からの贈り物を味あうことは自然に親しむことだったのです。
 後著は、出版科学総合研究所が発行しています。当時、この出版社は彗星のごとく現れ、鳥関連の本を多数出版したのですが、堀内の本を最後に消えてしまいました。この本のまえがきには、ご子息が経営する巣鴨の鳥料理店「さんみや」で出版が企画されたというようなことが書かれています。私は、駒込に住んでいますので巣鴨は隣町、歩いて行けます。ですから出版当時、巣鴨へ行けばいつでもご遺族にお会いできる、いつか訪ねてみたいと思っておりました。ただ、私自身あまり飲めないので、ぶらっと飲み屋に入るという習性がありません。また、肝臓を悪くして前の職場を辞めた時でもあり、つい行きそびれているうちに巣鴨の「さんみや」もお店をたたんでしまいました。
 今思えば、なんとも惜しいチャンスを逸してしまったことになります。悔やんでも悔やみきれません。
 今「堀内讃位」でググルと、鷹狩りのグループなどのサイトで当時の鷹狩りの記録を残した堀内の評価が高いことがわかります。鳥の習性を利用した知恵比べであった伝統狩猟法、私たちも注目すべき事柄ですし、堀内の業績を再評価すべきです。

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