11月の「朝の小鳥」は葛西
文化放送のスタジオの日は、なぜか雨の日が多いのですが、今日は晴れ。ちょっともったいないくらいの晴れでした。
本日収録した11月の放送内容は、東京都江戸川区にある葛西臨海公園の鳥たちです。季節外れのシジュウカラのさえずりからスズメのネグラ入りの声まで野鳥たちの初冬の声です。去年と一昨年、この季節にずんぶん葛西に通いましたので、その時の音源を使っています。シジュウカラのさえずりもびっくりするほど元気な声で晩秋らしくないのですが、事実として構成してみました。
今日の打ち合わせでは、巣やネグラなど、専門用語の使い方で盛り上がりました。というのは、ネグラも巣と同じように何か構造物があって、鳥はそこで寝ていると思っている人がなぜ多いのかです。以前、講演会で「巣は産院のベットと同じ、巣立ってしまえば使うことはない」と説明した後、ネグラの話をしたら「ネグラはどんな形をしているのですか?」と質問されて戸惑ったことがあります。巣もネグラも、多くの人が人の家からイメージしているための混乱だと思っていました。
今日の打ち合わせ目からウロコは、この混乱は飼い鳥にあるのではないかということ。というのは、ブンチョウやセキセイインコを飼うときに籠のなかに、藁で作った”巣”を入れますね。鳥は、ここで卵を産んだり、夜に眠ったりしています。多くの人はこれを見て、ネグラも巣も同じと思ってしまい、ネグラも巣のような構造物があって、そこで寝ていると思ってしまうのではないかと言うことでした。ですから、ネグラという言葉だけからでは、ただ木の枝にとまって寝ているいうイメージが伝わらないことになります。
シナリオや原稿を書いていて難しいなあと思うのは、こうした巣、ねぐら、なわばり、さえずりなど、専門用語として定義されているにも関わらず国語として普及している言葉です。なじみの言葉だけに、つい説明を怠って使うと、こちらの意図が伝わらないばかりか誤解を招くことさえあるのです。
最近、コマーシャルで良く出てくる”進化”もしかり。進化の定義をそのまま生かせば「イチローが進化した」と言ったら、身体の構造が変わり遺伝子が変化していなくてはならないことになるのです。
いずれにしても、シナリオを練る作業はいつも勉強になります。
11月の放送予定は、下記のとおりです。
7日 シジュウカラ
14日 ハクセキレイ
21日 カイツブリ
28日 スズメ
« ナメクジの音 | トップページ | 秋のヒバリ-大久保農耕地 »
「番組・報道」カテゴリの記事
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-2月は舎人公園(2023.01.18)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-来年1月は日本三鳴鳥と三霊鳥(2022.12.15)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-12月は謎の鳴き声(2022.11.24)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-11月は鳥のトリビア(2022.10.20)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-10月は神島(2022.09.22)
「徒然」カテゴリの記事
- ブログ、しばらくお休みいたします(2022.08.24)
- 日光のメイプルシロップ『雪の華』-ご紹介(2022.07.17)
- 日本野鳥の会名誉会長・柳生博さん-訃報(2022.04.21)
- 蹴ったのはイヌでした-日光(2022.03.12)
- 蹴られた録音機-日光(2022.03.05)
コメント