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2010年10月 2日 (土)

モズのグゼリを録る-大久保農耕地

 天気の合間を縫っての取材が続いています。今日は、埼玉県さいたま市にある大久保農耕地にモズのグゼリを録りに行きました。
 あぜ道には、今年は半月ほど咲き始めるのが遅かったヒガンバナが満開、秋の田園風景のなかでの録音はとても気持ちの良いものでした。上空では、ツバメの群れが舞い、そのなかにはアマツバメが混じっていました。ときおり、ヒヨドリの渡りの群れが鳴きながら飛んでいきました。鳥たちもつかの間のお天気に忙しいそうです。
 モズのいるところは、去年の取材でだいたい見当がついていましたので、にぎやかな運動場からもっとも離れてているモズのなわばりに録音機をしかけました。モズのグゼリは、声量がないので、すこしでも近くで録音しなくてはなりません。そのため、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる作戦で、SONYのPCM-D50とPCM-M10、YAMAHAのW24の3台を鳴きそうなところに置いておきました。
 だいたい20分ほどの周期で、高鳴きをしたり、グゼリをしてくれました。面白いのは、高鳴きのポイントとグゼリをするところが違うのです。高鳴きは、木のてっぺんや電線の上ですが、グゼリは藪の中が多いのです。そのため、去年の高鳴きポイントを中心に録音機を置いておいたので、途中で場所を変えて設置しました。
 その結果、録れていたのがこの声です。PCM-M10で録音しています。かなり、加工編集しています。「ちょっと来い」の節がかすかにあります。

「bullheaded_shrike101002_03.mp3」をダウンロード

 ところで、グゼリは練習歌、さえずりの練習の歌、あるいはさえずりの未完成の声と解説されています。しかし、今日改めてモズの行動を見ると、すでに高鳴きをしっかりと行っているのですから練習歌の意味は、どう考えてもおかしいことになります。
 グゼリという語感から口のなかで「グチュグチュ」鳴くという印象があります。そのため、コサメビタキのさえずりもグゼリのように鳴くと表現されているのを読んだことがあります。ようするに、グゼリの「行動の意味=練習歌」と「行動の状態=グチュグチュ鳴く声」がいっしょになって混乱しているのです。そして、もっとも知られているモズのグゼリの意味は、解明されているとは思えません。

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コメント

この声がモズのグゼリでしたか。勉強になりました。有難うございます。とても清やかに聞こえます。

翌3日に、大久保農耕地で半日、ノビタキの撮影に出かけました(4羽ほどが度々よく出てくれました)。その間、モズもよく高鳴きをしていました。

石渡様
 もう少しでお会いできるところでしたね。前日には、ノビタキは見つけられませんでしたので、良かったですね。

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