隅田川にハクガン
今日は1日雨予報、こういう日ならば江戸東京博物館も空いているだろうと、午後に出かけました。魅力的な展示があると行くのですが、長い行列に恐れをなして入り口で帰って来たことが何度かあります。
現在開催されいる特別展のテーマは「隅田川」。先に行ったN井さんから「隅田川にハクチョウが描かれている」との情報をいただいています。ですから、浮世絵や屏風絵のなかに描かれている鳥をじっくりと探すためには、混んでいたら困ります。
江戸東京博物館に着くと、この天気にも関わらず日程を変えられない修学旅行のバスがたくさん並んでいました。しかし、幸いなことに特別展は空いていました。おかげで、自分のペースでじっくり、そして何度も見ることができました。そして、屏風絵のなかにいろいろな鳥が描かれていることを発見しました。
たとえば、この企画展のWebサイトに掲載されている鳥文斎栄之の「隅田川風物図屏風」(文政9・1826)には、門跡と書かれたお堂の上にコウノトリが巣を作っています。永代橋のほとりですから西本願寺のようです。この屏風絵には、このほかコサギ、ユリカモメ、カラス類がいます。
入ってすぐにところに展示されている「江戸名所図屏風」は、とても小さく鳥が描かれています。しかし、いずれもリアルなために種類がわかります。このなかに、なんとハクガンがいました。白く大きめな鳥の翼の先が黒く描かれています。同じ画面には、ハクチョウがいますので、明らかに描き分けています。東京湾にハクガンの群れの記録はありますが、隅田川の記録は初めてです。このほか、この屏風にはカワウ、ユリカモメ、オシドリ、コサギ、スズメ、マガン、ドバト、そしてトモエガモらしい鳥がいます。
このほかの展示の中から、オナガガモ、マガモ、コガモ、ツバメを確認しました。このほか、種名のわからないものも何点かありました。暗い照明とガラス越しの展示のため確認が取れないものもありましたので、目のいい人ならばもっと見つけられるかもしれません。
しかし、「隅田川」と銘打っていながら、隅田川の自然についての解説はまったくといっていいほどありません。まして、そこに描かれている鳥については一言もありませんでした。この豊かな自然の隅田川の恵みが江戸の自然と文化をはぐくんだと思うのですが、ちょっともったいない感じがいたしました。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
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