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2010年11月17日 (水)

12月分「朝の小鳥」収録-困った和名

 今日は「おはようございます。『朝の小鳥』の時間がまいりました」で、はじまる文化放送の番組『朝の小鳥』の収録日でした。本日は、12月放送分の番組制作です。
 12月は3年前に行ったオーストラリアのケアンズ周辺で録音した鳥たちです。外国での野鳥たちの番組を作る時に、いつも困るのは和名です。
 今回もキミドリコウライウグイスとクロモズガラスで困りました。シナリオの打ち合わせでは、キミドリコウライウグイスでは「ウグイスなのにハトくらいの大きさなの?」「ウグイスの仲間でなく、コウライウグイスの仲間です」「ウグイスでないのに、なぜウグイスという名前が付いているの?」。クロモズガラスでは「モズなのかカラスなのか分からない」「いや、カラスの仲間ではなくフエガラスの仲間です」「カラスでないのにカラスという名前がなぜ付いているの?」となります。
 前回のオーストラリアの鳥を取り上げた時は、チャイロモズヒタキやオナガテリカラスモドキが出てきて混乱しました。モズなのかヒタキなのか、オナガなのかカラスなのかとなりました。
 書き手の立場から言えば、どんなにやさしくわかりやすく書いても難しい和名ですべてをぶち壊されてしまうのです。ではどうして、外国産の鳥たちの和名が分かりづらいのでしょうか、原因はいくつかあります。鳥類学者は文学者でないので無機的に名前を付けてしまった、剥製と図鑑を元に名前を付けたので色と形でしか命名のヒントがなかったことが、大きな原因でしょう。また、初期の和名は、飼い鳥として輸入された鳥に順次付けて行ったことになります。その鳥の周辺の種がどのようになっているか、関係なく名付けていったわけです。
 そして、和名の付いていない世界の鳥、すべてに和名を当てる事業は、山階鳥類研究所が1970年代に行いました。私が勤めていた日本鳥類保護連盟は研究所に間借りをしていたので、その現場も見ています。当時は、コンピュータなどありませんでしたからカードで整理していたのを覚えています。
 なぜ、このような事業が行われたかというと、当時結ばれた渡り鳥条約のためです。渡り鳥条約は、1972年にアメリカとまず締結されました。環境庁は、和訳資料のために、アメリカ産の鳥たちの和名が必要となり、山階鳥類研究所に委託したのです。そのために、まずアメリカの鳥すべて和名が付けられました。そして、渡り鳥条約は、ソ連、オーストラリア、中国と締結されたために、それぞれの国の鳥の和名を付け、その勢いで世界の鳥に和名を付けたことになります。ですから、順次輸入された飼い鳥に和名を付けたのと同じように全体を見渡すことなく、アメリカ、ソ連、中国、そしてそのほか地域と、和名を付けて行ったのです。ですから、大きなものにオオと付けた後に、もっと大きなものが出てくるとダイ、さらに大きなものオニを付けることになります。そして、さらに大きなものが出てきてオニオオカッコウなどという珍奇な名前が付いてしまうことになります。また、キミミミツスイなんて3回言えば早口言葉みたいな名前が出てくると、腹が立ってきます。
 なにしろ9000種類もの鳥に名前を付けるのですから、たいへんな作業であったことは否めません。しかし、少なくとも1種1種の鳥の名前に愛を感じませんね。
 放送予定は、下記のとおりです。
 12 月5日 キミドリコウライウグイス
    12日  ナンヨウショウビン
    19日 クロモズガラス
    26日 ツチスドリ

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