カラスのカラ騒ぎ
このところ、夕方の六義園に通っています。真っ赤に紅葉したハゼが夕日を浴びてさらに赤く輝くのは、わずか数分。日没前の一瞬の輝きが六義園を覆いつくす、瞬間を見たくての散歩です。
今夕の夕焼けも素晴らしいものでした。また、今日はネグラに集まるカラスが多い日でした。おそらく1,000羽を超えていたでしょう。ハシブトガラスばかりではなく、ハシボソガラスの声もしました。
「スズメのお宿を録音」で話題にしましたように、ネグラ前のスズメはとてもハイになります。スズメとおなじようにカラスも騒ぎます。数も多く声の大きなカラスのカラ騒ぎは、そうとうの喧噪となります。写真は、今日の六義園、カラスの群れの一部です。
10年前に都内のカラス・ネグラの調査をした時、どこのネグラでも午後4時30分頃にカラスがいっせいに飛びたち乱舞していました。初めてこの乱舞に遭遇すると、調査員がパニックになりデータが不正確になってしまいます。せっかく1羽1羽ていねいにカウントしていたのに一斉に飛び立つのですから無理もありません。そのため、調査前の打ち合わせでは「午後4時30分にカラスが舞うからパニックにならず冷静にカウントするように」と申し渡しました。はじめての調査員は、なぜ時間が分かるのか怪訝な顔をします。そして、実際にその時間に飛び立つのですから、こちらはしてやったりという顔をすることになります。
この時の調査は、12月でしたら日没時間はもっと早かったわけで乱舞も早め。11月の今日は、乱舞が午後4時40分から始まり50分まで続きました。この飛び立つ群れをざっと数えると500羽、飛び立たない群れがその倍と見て1,000羽を超えていると判断したわけです。いろいろな規模のカラスのネグラを見ていると、喧噪からだいたいカラスの数の規模もわかるようになります。その感覚からでも1,000羽単位のネグラという印象でした。
しかし、なぜネグラの前に騒ぐのでしょうか。これから暗い不安な夜を迎えるに当たって神経質になっているのでしょうか。そのため、ちょっとしたことが刺激になって群れで舞い上がるのでしょうか。それが毎日、どのネグラでも同じ時間というのは説明がつきません。今のところ、納得できる説明に巡り会っていません。
身近なカラスやスズメでもいくらでも不思議があるものです。
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