ニコンEDG双眼鏡 ファースト・インプレ
今までの鳥歴45年の間にニコンの双眼鏡は、5機種を長期にわたって使用したことがあります。その経験と、光学性能はもとより価格、アフターサービスなどを考えると、私はニコンを信頼しています。ですから、初心者の方から「どこの双眼鏡が良いか」と聞かれれば、まずはニコンを勧めています。
そのニコンから最高級の双眼鏡が発表されました。そのウワサの双眼鏡を今年の春、東京バードフェステバルで手にしましたが、その素晴らしさにまさに目を奪われました。ニコンの最高峰の双眼鏡、今までの集大成と銘打っているだけのことはありました。今回、このシリーズのEDG8×32を入手。ここ10日間使用した印象をお伝えいたします。
まずは、双眼鏡おろし。どこで何を見るのか、良い双眼鏡であればあるほど、こだわりたくなります。といっても、このシーズン遠出はできず、近くの六義園へ。池に佇むカワセミをゲットしました。明るい視野にくっきり見える画像に、いつも以上にカワセミがきれいに見えました。まずまずの双眼鏡おろしとなりました。
この間の日曜日は、日光野鳥研究会の戦場ヶ原自然観察会でした。このグループは、装備が飛び抜けて良いのが特徴で、この日も参加者15人中8人がスワロフスキーの双眼鏡や望遠鏡のユーザーです。おそらく、スワロフスキーの営業のT本さんが率いる「ふじしろ野鳥と楽しむ会」に次ぐスワロ普及率の高い会です。この目の肥えた連中にEDGのお披露目です。同時に参加者はニコンはもとより、ツァイス、コーワのユーザーもいますから、それぞれ比較もできました。EDG以前の最高機種のHG8×32との比較もできました。HGの略はハイグレード、さらにその上のシリーズなのですから期待しての比較です。双眼鏡の比較は、実際にこうして野外でやるべきものです。これだけの機種の比較をできるのも観察会ならでは。街のお店ではできない体験です。
手にした多くの方の意見は、くっきりして見える、立体感ある画像に見えるなど、好評でした。私も同意見で、見え味についてはまったく申し分はありません。
バードウォッチングにおける双眼鏡は、見え味だけではありません。手にしたときのバランスはもとより、ストラップ、キャップ、目当ての取り出し、そしてケースなど、総合的に使い易さが求められます。今回、EDGを手にして感じたのは、筐体の手触り、感触の良さです。全体を包むゴムが柔らか過ぎても堅すぎてもダメです。手に吸い付くような感触、手の一部になってくれるような感触があってこそ、一瞬のチャンスを逃すことなく野鳥を視野にとらえ見ることができるのではないでしょうか。このEDGの感触は、かなり好みで私の手にしっくりきます。とくに、今回の観察会では、女性の方から手になじむという感想がありました。小さな女性の手には、なおさら感触の良さが気になるのでしょう。
見え味と感触以外では、ストラップの操作、対物と接眼レンズキャップ、視度調整など、細かいところに手が届いた設計が随所に感じられます。まさに痒いところに手が届いている感じです。現状での難点は、中央軸の折れ具合が柔らかいことで、眼幅がずれてしまったことがあったぐらいです。
これから、寒さのなかでのバードウォッチングを体験することになります。双眼鏡にとっては、暑さより寒さの方が過酷な条件だと思います。そして、双眼鏡の真価は、暑さ寒さを体験しないと分かりません。また機会がありましたらご報告いたします。いずれにしても、これからの冬鳥たちとの出会いをより充実したものにしてくれることは間違いないでしょう。
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こんばんは、初めまして!記事を読み非常に参考になりましたので御礼申し上げます。 ちょうどEDG双眼鏡とスワロフスキーと迷っています。 EDGの情報が少なかったので助かりました!!
投稿: NED | 2011年11月 6日 (日) 00時58分
NED様
ご覧いただきありがとうございます。11ヶ月使い続け(週2-3回程度)ましたが、大きな不具合はありません。気になるのは、眼福が当初より柔らかくなったと感じるくらいです。
何度か思わぬ落下実験をしてしまいましたが、光軸のズレを生じることもありませんでした。
スワロフスキーと迷うとは、うらやまし悩みです。じっくりとお楽しみください。
投稿: まつ | 2011年11月 6日 (日) 08時56分