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2010年12月

2010年12月30日 (木)

出水の鳥インフルエンザーその後

 出水のツルの鳥インフルエンザ問題、その後です。
 TVニュースでは昨日、専門家会議が都内で開かれたと伝えています。ニュース映像には東大の樋口広芳教授をはじめ日本野鳥の会の金井裕さん、山階鳥類研究所の茂田良光さんの顔が見えました。鳥関係としてはそつのない顔ぶれですのが、会議はかなりの大人数です。彼らの意見が、少数意見とならないよう祈るばかりです。
 その後、ナベヅルばかりではなく感染死したマナヅルが見つかったとの報道もあります。予断は許されません。ただ、養鶏場のニワトリのようにバタバタと鳥が死んでいくという事態にはなっていなのが幸いです。工場のような養鶏場で高密度な状態と、密度が高いとは言え野生状態の個体間距離では染率の広がり具合に違いあれば良いのですが。
 友人知人から情報をいくつか頂いているものの中から。
 日本野鳥の会のKさんからは「韓国でワシミミズクで2例の報告があった」とメールをいただきました。その後、日本野鳥の会のサイトにも詳しく報告されています。下記URLです。

http://www.wbsj.org/nature/infection/influenza/101227.html

 なぜワシミミズクなのか不思議に思いましたが、魚も食べるので水辺に行きカモ類などの水鳥の糞から感染ということなのでしょうか。そうなると、もっと分布が狭く数の少ない日本のシマフクロウも同じような習性ですので、感染の危険性があるということになります。これまた、心配の種が増えました。
 出水に詳しい知人からは、私の意見の「給餌を直ちに止めて強制的に分散させろ」は養鶏業者など「分散した先の住民の不安など人間の立場で考えれば」無理とのことでした。これに関連して私は、出水周辺が養鶏の一大生産地であることは初めて知りました。それならばなおさら、鳥インフルエンザを運んでくる鳥を出水に集めず分散させることをしていなくてはならなかったはずです。ツルの存続を図るとともも地元産業を守ると言うことで、もっと強力に分散計画ができたと思うのです。養鶏は農水省、ツルは環境省という縦割りのなかで意見交換がされなかったためなのでしょうか。
 また、現状でできることは監視することしかなさそうとのこと。監視というのは、死んだツルをトビやカラスが食べて二次三次の感染が広がらないように、死体や弱ったツルをいち早く見つけて回収するという作業です。強制的に分散をさせることができないのならば、今のところできることはこれくらいしかないと思います。一口に監視と言っても、あの広い荒崎の田んぼでの作業を思うとご苦労はたいへんなことです。それに、この監視は正月返上で行わなくてはなりません。より有効な監視体制を実施するためには、宮崎で口蹄疫が発生したときのように自衛隊が出動しても良いぐらいのことだと思うのですが、いかがでしょうか。とにかく、人海戦術でないと対応できない対策です。
 出水のツルの鳥インフルエンザ騒動はたいした対策も取られず、このまま年を越しそうです。

2010年12月29日 (水)

とり納め-北本自然観察公園

 今日は、埼玉県北本市にある北本自然観察公園へ。先日、足立自然にふれあう会の探鳥会に行ったおり、鳥が近くて楽しかったのと不明のクイナ系の声が気になっての再訪です。
 クイナらしい声が聞こえたアシ原に行くとなんと半分ほど刈られています。それに、なんだか「ブンブン」と音がうるさくて録音は無理です。
 しかし、このまえと同じようにマガモの群れが盛んにディスプレイをし、その上をカワセミが飛び交い、さらにその上をハイタカが飛んでいくという北本ならではのバードウォッチングが楽しめました。鳥がなんとなく近いのも北本ならでは。ヤマガラのこんな写真も撮れました。これが、今年の撮り納めになるでしょう。

Variedtit

 ひとまわりして戻ってくると、残ったアシ原からクイナの声が聞こえました。秋から冬に聞かれる間を開けて鳴く「キュ。キュ」と言う声です。しかし、「ブンブン」という音がうるさくて録音は断念。録り納めとはなりませんでした。
 さらに、順路をまわって自然観察センターの近くにいくと「ブンブン」という音がいちだんと大きくなりました。どうも音の発生場所は、この建物のようです。建物は改修中でシートに覆われています。工事のための音のでしょうか。暮れも押し迫っているのに熱心なことです。しかし、建物の横に行くとどこから音が出ているかわかりました。エアコンの室外機です。この室外機は大型のもので、5台ほど並んでいます。このうち、稼働している2台のうちの1台が音を立てていました。この室外機は、ファンが上にむかって付いているタイプです。上から落ちた小枝がファンをカバーしている部分に引っかり、それがファンにぶつかり大きな音を立てているのでした。小枝を取り払おうと触るとスポンとファンに飛ばされてしましました。そして、あのうるさい「ブンブン」という音はあっという間に無くなり、あたりは「シーン」とウソのように静かになりました。
 あのうるさい音に職員は気がつかなったのでしょうか。機械の故障とか発想しなかったようです。少なくとも、私が入園し枝を取るまでの約4時間、ファンに枝が当たっていたことになります。よく、壊れなかったものです。
  録音しているため音に敏感だからと言われてしまえばそれまでですが、多くの方が音に鈍感なのには困ります。

2010年12月28日 (火)

六義園納め

 明日から六義園は年末年始の休園。今日が今年最後の六義園でのバードウォッチングです。六義園の野鳥たちに年末の挨拶をしてきました。とは言っても、こちらの仕事が納まらず六義園に行ったのは昼近くになってしまいました。
 ここ数日、六義園の野鳥が急激に増えました。おそらく山に降った雪に追われてきたのだと思います。昼近い時間ですが、クロジのきれいな雄、今年初めてのアカハラ、たくさんのシロハラなどに出会いました。いずれも地面で食べ物を取るタイプの鳥たちです。雪に覆われてしまった山から下りてきたのでしょう。
 今日、カルガモの群れの中におかしなカモがいるのを見つけました。マガモとカルガモのハイブリッド、通称マルガモの雄です。

Spotbilledduckmallard

 一見、マガモの雄に見えますが、ちょっと変です。良く見ると、くちばしがカルガモなのです。頭のエメラルド色も輝きが無く黒っぽい感じです。また、尾の上にあるカールした羽もありません。六義園にはマガモも数羽いますが、このマルガモはカルガモの群れと行動していました。見ていると、カルガモの群れに中心にいることはなく、1羽だけ離れていることもあり、ちょっと仲間はずれの感じです。
 以前の記事で「マルガモが生じるわけ」で、マガモとカルガモのディスプレイが似ているためにハイブリッドができるのではないかと書きました。六義園では数年に1羽くらいしか記録のないマルガモが出現するなんて、まるで予言が当たったような気分になりました。

2010年12月27日 (月)

カワウの奮闘

 昨日、六義園の池でカワウが大きな魚をくわえて飲み込もうとしていました。しかし、魚が大きすぎてなかなか飲み込めません。大きな魚をくわえているため、身体が重くなりいつもより身体が沈んでいます。
 もう魚はぐったりしていて今にも飲み込めそうなものなのですが、いかんせん大きすぎます。なんどもくわえ直しては、飲み込もうとするのですが、ダメです。奮闘すること10分以上もたったでしょうか。とうとう諦めて、魚を放しました。
 岩の上に乗ったカワウは翼を拡げて乾かすいつものポーズですが、首を垂れて疲れ気味です。目の前に、さきほどの魚が白い腹を出して浮かんでいるのですが、もうチャレンジする気もないようです。
 撮った写真を見ると魚はオオグチバス、いわゆるブラックバスのようです。

Cormorantvsbass

 寒い季節で動きの鈍くなったところをカワウに捕まってしまったようですが、こんな大きなオオグチバスが六義園の池にいることも驚きでした。

2010年12月26日 (日)

エアーレーションを利用するハシビロガモ

 六義園の池で、ハシビロガモが面白い行動をしていたので報告します。
 ハシビロガモが、池の浄化のために動いているエアーレーションを利用して、食事をしているのです。これが、その写真です。

Shoveler

 ハシビロガモは、ご存知のようにくちばしを水の中に入れてパシャパシャやり水中の植物プランクトンをくちばしの縁にある櫛状の突起で漉して食べます。そのため富栄養、ある意味、汚れた沼のような環境を好むカモです。
 六義園では、1980年代はハシビロガモは少ない鳥でした。その頃、キンクロハジロが数100羽が昼ネグラとして利用していました。キンクロハジロは夜、外へ出て行き食事をし昼間、六義園で寝ていました。そして、大量の糞をしたはずです。そのため、六義園の池の栄養度が上がりその後、ハシビロガモが増えました。
 それからキンクロハジロが少なくなってもハシビロガモは減ることなく、多ければ10羽程度が居着くようになりました。池の栄養度が慢性的に高いのでしょう。今年の夏も水面に藻が浮いたりアオコが大量に発生していました。
 そのため、六義園サービスセンターでは水質をきれいにするためにエアーレーションを数カ所で行っています。ようするに、水槽でぶくぶく空気を入れる装置の大規模なものです。
 面白いのは、エアーレーションの泡のまわりでさかんにハシビロガモが食事をしているのです。エアーレーションによって、池の底のほうにいたプランクトンが舞い上がってくるのを狙って食べているのです。エアーレーションは、タイマーが働いているのか間欠的に動きます。泡がぶくぶく出てくるとそのまわりに集まり、さかんにくちばしをパシャパシャやり始めます。泡が止まるとゆっくりとなったり、他に行ってしまいます。そして、また泡が出始めると集まってきます。かなり、エアーレーションに依存していることがわかります。汚れた水の好きなハシビロガモが、水質浄化のためのエアーレーションのおかげで食べ物を効率良く得ることができるって、ちょっと面白いですね。
 人を利用してたくみに食べ物を得る鳥がたくさんいますが、さらにハシビロガモが加わったことになります。

2010年12月25日 (土)

デジスコ通信に投稿-探鳥会で学んだこと

 考えて見れば日本野鳥の会東京支部の探鳥会で、教わったことはたくさんあります。
 そのひとつは、”雲上人に教わったおかげで”にも書きました。
 今回、デジスコ通信にも「探鳥会で教わったこと」と題し投稿いたしました。下記URLで読めます。ご高覧いただければ幸いです。
  http://www.digisco.com/mm/dt_51/toku1.htm
 追記すると、当時の同年代の鳥友たちには探鳥会に出てくることはなくなりました。バードウォッチングの方法から識別ポイントを学んだので探鳥会に出てくる必要がなくなったのです。どこかの探鳥地で、ばったりと会うと「探鳥会を卒業した」と言っていました。また、多くの者は就職や結婚などの人生の岐路を迎えて鳥から離れていきました。バードウォッチングそのものを卒業していってしまったことになります。私のように、そのまま留年してバードウォッチングの世界にいることのほうが少なく希有な存在だと思います。
 卒業し世間の荒波を越えてきた彼らが今、定年を迎えて舞い戻ってきています。彼らが探鳥会で学んだことに世間で学んだ常識を加えて、指導をしてくれると良いのですが。

2010年12月24日 (金)

江戸家猫八師匠と対談

  今日は、日本野鳥の会事務所にて江戸家猫八師匠と対談の取材でした。今年は、これでトークショーを含め師匠とは3回もお仕事をさせていただいたことになります。
 おかげでお互い何を聞き、何を答えるか分かっています。そのため打ち合わせをすることなく、いきなりの本番。それだけに2人だけ盛り上がって、まわりがついてこられない世界に入り込ないように注意をいたしましたが、いかがなりましたでしょうか。
 『野鳥』誌のページ見開き2ページのスペースに1時間近く話したのですから、おまとめになる編集者の方がご苦労されることと思います。
 今日、師匠の話のなかに「自分の鳴きまねが合っているか、チェックをしに自然のなかに野鳥の声を聞きに行く」というエピソードがありました。「何をチェックしに行くのか」おたずねしたところ「音色」だそうです。テンポでも節回しでもなく音色だとおしゃいました。
 野鳥のさえずりを覚えられないと初心者の方はよくおしゃいます。しかし、ベテランになると、どんなに変わった節で鳴いてもアカハラはアカハラとわかります。北海道に行けば、キビタキはまったく別の節回しです。それでもキビタキとわかるのは、さえずりの節回しを覚えているのではなく、音色が頭に入っているからだと思います。
 節回しやテンポは”聞きなし”で、ニュアンスを伝えることができます。しかし、音色を伝えるのはたいへん難しいものがあります。キビタキのさえすりを「初夏のミズナラ林の木漏れ日のよう」、クロツグミを「重厚で濃厚なユリの香りのよう」とワインのソムリエみたいに言ってもなかなか伝わりません。
 音色は録音して覚える、あるいは頭で覚えるしかないと思っていましたが、師匠のように真似をして身体で覚えるという方法がありましたね。
 ところで、この対談は『野鳥』誌の2011年3月号より連載が始まる「野鳥録音講座」第1回目を飾ります。どうぞお楽しみに・・・

2010年12月23日 (木)

出水のツルに鳥インフルエンザ

 昨日、文化放送で番組収録後、以前『朝の小鳥』でシナリオを読んでいた高橋小枝子さんがスタジオに顔を見せ「出水のナベヅルの鳥インフルエンザの件でインタビューを」ということで、コメントを求められました。今日の朝と夜のニュースで、流れていると思います。
 出水のツル類渡来地で鳥インフルエンザが蔓延したらどうなるは、以前から警鐘が鳴らされていました。しかし、今まで対策らしい対策は講じられてきませんでした。
 まず問題はツル類の集中化です。写真は、5年前に出水に行った時の写真です。給餌場に集まったマナヅルとナベヅルです。どう見ても、自然なツルの生態とは思えない風景です。

Cranesizumi

 集中するツル類を分散させるために行われた対策では、伊万里の水田にツルのデコイを置き、そこでツルの声を流しての誘致作戦があります。私もこの音源を提供することで協力いたしました。1万羽以上もいるのですからすぐに数千羽程度は舞い降りるのではないかと思いましたが、残念ながら数羽程度の誘致しかできませんでした。歴史的に長い給餌を行っている出水の魅力には勝てないのでしょう。今や保護から観光目的となった出水の給餌をやめない限り、ツル類の分散化は難しいものがあったのです。
 では、今からどうしたら良いのでしょうか。
 ひとつは、出水の給餌をただちに止めて物理的に追い払い強制的に分散させる作戦です。給餌とととも出水に集まるのは、狩猟を避けていることもあります。そのため九州全域と行くであろう四国を全面禁猟にして受け入れ体制を作らなくてはなりません。こうして、少しでも感染を逃れた群れの生き残りをはかる方法です。この分散作戦の問題は、感染したツルを拡散させてしまうことになり、さらに他の野鳥への感性と広がっていく恐れがあります。
 もうひとつは、このまま給餌を続け留め置いておき感染は出水のツル類でとどめる方法です。その結果、すべてのツル類が感染し、激減する可能性があります。とくにナベヅルは、この出水に集まる群が世界の7~8割と言われていますから絶滅してしまう可能性が極めて高くなります。
 さあどちらが良いでしょうか。これは、究極の選択です。
 ウィルスや細菌と戦う海外テレビドラマ”Re:Genesis”の主人公デビッド・サンドストロム博士ならばどう考えるでしょうか。おそらく前者ですね。分散化して少しでもツル類を生き残させるという方向に行くでしょう。いつものエピソードのように行政や世論と戦いながら艱難辛苦を乗り越えて少しでも多くのツルたちの命を救うということになると思います。
 しかし、日本の現状を見ると、このまま思い切ったことはしないでズルズルと給餌を続け、すべてを失ってしまうことになりかねません。

2010年12月22日 (水)

1月分『朝の小鳥』収録-HD53NとHP-53FB

  今日は、文化放送『朝の小鳥』のスタジオ収録、来年の1月放送分の音録りです。テーマは、北海道の野鳥たちです。暑さ寒さを音で表現するのはたいへん難しいことです。今回も、極寒の北海道の雰囲気が少しでも伝わればと思います。
 C.E.CのI渡さんにお借りしたDA53Nのおかげで、今日の音源に関しては家でのチェックと文化放送のスタジオでの違いはさほど感じませんでした。また、今回はもうひとつお借りしたヘッドフォーンアンプHD53Nの効果もあると思います。I渡さんから、コンピュータ→USB→DA53N→HD53N→ヘッドフォンで音をチェックしてみたらの提案をいただきました。そのためのヘッドフォンHP-53FBも同梱していただきました。このヘッドフォンは、ちょっと特殊でプラグがXLR3ピン、3ピンのソケットがフロントにあるHD53Nに合うようになっています。
 蒲谷鶴彦先生は、音のチェックにはヘッドフォンを多用しておりました。ご愛用されていたのは、ソニーのMDR-CD900STです。歌手のスタジオ収録の風景では、たいがいこのヘッドフォンが使われています。
 私も持っているのですが、夏は暑いし一年中重いので、基本的には使っていません。しかし、今回ヘッドフォンアンプを使用しヘッドフォンから音を聞くと、また別の世界が広がっているのではないかと思うほど違いを感じました。自分の録音した野鳥の声なのですが、手を伸ばせばそこにいるかのように聞こえると言ったらよいでしょうか。音のクリアさや透明感といったものがより強調され、ステレオの広がりがよくわかります。
 ヘッドフォンの良いところは、周辺の音を遮断してくれることがまず大きいと思います。我が家はスタジオではないので、六義園のハシブトガラスやヒヨドリの声がたえず聞こえて来ます。コンピュータはいちおう静音設計なのですが、それでも音がします。この程度のものはHD53Nは密閉型なのでよく遮断してくれます。また、軽いのがありがたいです。少なくとも春秋冬は使えます。
 以前、ゼンハイザーのヘッドフォンの宣伝コピーで「ヘッドフォンは音の虫眼鏡」というのがありましたが、まさにそれを実感いたしました。小さな「プチ」音や「ガサ」音がよくわかります。音源を虫眼鏡でチェックして、汚れを見つけてはきれいにしていくことができました。どうぞ、その成果を1月の北海道の野鳥たちで聞いていただければ幸いです。写真は、上がヘッドフォンHP-53FB、中がヘッドフォンアンプのHD53N、下がD/AコンバーターのDA53N。

Cecda53n
 なお、放送スケジュールは下記の通りです。
2011年
 1月2日 タンチョウ
    9日  ハシブトガラ
    16日 オオハクチョウ
    23日 ヤマセミ
   30日 オオアカゲラ

2010年12月21日 (火)

北千住の謎の鳥

 鉄道の駅で鳥の声を流すようになってどのくらい経つでしょうか。一番初めは、おそらくJR山手線鶯谷駅のウグイスの声だと思います。そして、JR各駅に広がり最近では私鉄でも流すようになりました。
 鶯谷駅のウグイスは昔、本物を流しているという話を聞いたことがありますが、それ以外の鳥の声は、それらしく作っているものだと思います。あるいは、かなり加工してある音で、ちょっと聞いただけではどの鳥を模したものか、わからないものあります
 鳥の声が聞こえると身体が反応してしまうので、駅で聞こえる鳥の声はとても気になります。私の習性で、鳥らしい声が聞こえると思わず頭のなかで鳥の名前を検索してしまうからです。たとえば、カッコウはすぐわかります。また、複雑な節の繰り返しはキビタキでしょう。単純な節の繰り返しはホオジロを模したものでしょう。このほか、コマドリ、アカショウビンなどを聞いたことがあります。
 ところが、日光に行く時に通る北千住駅で流されている鳥の声がわからないのです。このような鳥の声です。

  自然の中の録音と違って、街の中の録音は難しいですね。このような駅の雰囲気はなかなか録れません。録音機はR-09を使用し、低音を調整しています。
 さて、この声は同じ節を繰り返し笛のような音で鳴いています。おそらく、楽器かコンピュータで作った音だと思います。ちょっと聞くと、どこかにありそうな声です。しかし、よく聞くと聞いたことの無い鳥です。あるいは、外国産の鳥の声を模したのでしょうか。
 このように、鳥の姿や声が聞こえて鳥の名前が特定できないのは、私にとってストレスとなります。北千住駅を通るたびに、ちょっとイラとします。

2010年12月20日 (月)

ハシブトガラスの喉袋

 風邪症状が治まらないので、昨日の日光野鳥研究会の自然観察会は欠席。欠席しなければ今年は皆勤賞だったのですが、残念です。
 日光には行けないので近くの六義園を散歩していたら、喉袋をふくらませたハシブトガラスに出会いました。
 Largebilledcrownodobukuro
 この写真を撮る前までは、この柵下の枯れ葉の中を盛んにあさっていました。私がレンズを向けたので警戒して柵に飛び上がったところです。このハシブトガラス、良く見ると喉袋がぱんぱんにふくらんでいます。ハシブトガラスは、食べ物があるととりあえず喉袋に入れて安全なところに行き、吐き戻して食べる習性があります。また、この季節ですから喉袋に入れて貯食場所に運ぶつもりなのかもしれません。
 ところで、この喉袋の構造がわからないのです。舌の下にあるのか、それとも喉にあるのか、よくわかりません。口をあけて見たことがありますが、舌があってその先に気管の入り口がすぐにあって、あとは喉でした。
 たとえば、ペリカンは下嘴の下が皮膚のように弾力性があって、ここに魚を入れて巣へ運ぶことができます。カワウは、魚を飲み込んで長い首の食道でとどめ、はき出して雛に与えます。いずれも喉袋、あるいは喉にと言われますが、まったく構造が違います。
 この写真を見る限り、ハシブトガラスの場合、ペリカンのように下嘴に貯めているようにも見えます。あるいは、嘴の付け根から喉に欠けてふくらんでいるようにも見えます。カワウの場合、食道に留め置いても大きな魚なので胃まで行かないのだと思いますが、ハシブトガラスが食べているものは小さなものです。おそらく、この時は地面に落ちていた木の実です。もし、食道ならばそのまま嚥下されてしまうと思います。食道に流れないように、途中に袋状の器官があるのでしょうか。
 いろいろ調べましたが、どのような構造になっているか明記したものを見つけることができませんでした。喉袋か咽袋か、あるいは首袋といったほうが正しいのかもわかりません。身近なハシブトガラスなのですが、わからないことが多いですね。
 今度、カラスの解剖を良くされている宇都宮大学の杉田昭栄先生に会ったら、ぜひうかがっておこうと思います。

2010年12月19日 (日)

選書家という職業

 今朝のNHKニュースで”選書家”という方が紹介されていました。どんな本を読めば良いか選んでくれるという職業です。私がよく使う野鳥研究家と同じくらい怪しい肩書きですが、紹介されていた方は元編集者、あらゆる分野の知識がある上に現在出版されている本の情報を知らなくてはできない職業です。
 私としては、人に本を選んでもらうなって考えたことはありませんし考えられません。書店に行って、ずらっと並んだ本を前にして、その中から好きな本を探すのは至福の時です。新刊本の書店で、こんな本が出ていたのかとまだインクの臭いのしそうな新刊を手にした時は、はじめての鳥に出会った時の喜びと同じ。古書店で探し求めていた本を見つけた時は、シギチドリの大群のなかからたった1羽の珍鳥を見つけた時の喜び以上のものがあります。その楽しみを人にやってもらうなんて、なんとももったいないことです。
 ところで、ニュースをご覧になった方、出てきた古書店が神田神保町の鳥海書房であることに気が付いたでしょうか。顔なじみのいつも鉢巻きをしている店員のお兄さんも映っていましたね。

2010年12月16日 (木)

足音の録音

  久しぶりに風邪を引いてしまったので、他の方のネタから。
 以前、カタツムリの食べる音の録音で紹介した『生録。』のO村さん。今度は屋根裏を走り回るネズミの足音の録音に成功しました。その音をブログにアップされています。左にあるリンク・リストから辿り、お聞きいただければと思います。夜、寝静まってところで聞くと大きな音に聞こえます。しかし、実際に録音しようとすればかなり難題の音なのですね。プロならではの機材を活用して、一年近くかかったそうです。
 私も同じように昔、住んでいた平屋の都営住宅でもネズミの足音はよく聞かれました。両親が「ネズミの運動会が始まった」と良く言っておりました。子どもの私は、屋根裏でネズミが紅白の鉢巻きをして、走り回っている絵をイメージしていました。なんとも懐かしい音です。たしかに日本家屋ならではの音。現在のマンション住まいでは、失われた音です。
 私の在庫から足跡の音を探したら干潟の上を走るハマシギがありました。これは、三番瀬でDAT時代に録ったものです。

 いちおう右から左に小走りに歩いています。音が右から左へ移動していけば、ステレオの設定が正しいことになります。ただ、音が高いですね。「ペタペタ」というより「ヒタヒタ」という感じに聞こえます。声紋で見てもかなり高いところ、20kHzまで音が伸びています。低音を軽減していますので、なおさら高音が立ってしまっています。
 いつか、波に追われて走るミユビシギの足音を録ってみたいですね。防水の録音機が開発されればできそう、機械と機会があったら試してみたいと思います。

2010年12月14日 (火)

再生環境の向上をはかる-DA53N

 以前『「朝の小鳥」6月放送分・収録』に、家で作った音源を文化放送のスタジオで聞くと違うことがあると書きました。
 家での音作りでは、コンピュータで再生したものをUSBオーディオデバイスのUA-4FXを通してRolandのアンプ付きUSBスピーカーMA150Uで聞いています。この音とスタジオの音が違うことがあるのです。
 普通コンピュータから音を出すためには、音源ボートか外付けのUSBオーディオデバイスを使います。音源ボードだとコンピュータ内のノイズを拾う可能性がありますので、私は外付け派です。
 この外付けのUSBオーディオデバイスは、アナログ(たとえばカセットテープ)の音源をデジタルに変換してコンピュータに取り込む機能がメインです。これに加え、DATのようなデジタル音源をデジタルまま取り込む、コンピュータのデジタル音源をアナログ音源にしてスピーカーに流すといったときに使います。音を使う仕事では、なくてはならない機材です。
 そのため、私はYAMAHAのPR-U100、ONKYOのSE-U55、現在はEDIROLのUA-4FXと3台目。この変遷は、サンプリング周波数が44.1kHzから48kHz、そして96kHzと向上しために買い換えざるをえなかったためです。
  文化放送のスタジオとの違いは、このUSBオーディオデバイスに問題があるのではないかと思い、このところこの手の機材をチェックしてみました。今使っているUA-4FXは数年前の機種ですから、現在ではもっと進んでいるはずです。ネットをいろいろ調べたところ、C.E.C.のDA53Nに行き着きました。
  http://www.cec-web.co.jp/products/da/da53n/da53n.html
 DA53NはD/Aコンバーターと銘打っています。デジタルからアナログに変換することがメイン。そのため、USBや光端子のインターフェースを備えています。
 C.E.C.社長のI渡さんはバードウォッチャー、お会いしたことはありませんが野鳥についてメールのやりとりをしている仲です。週末にお仕事についてのおたずねは恐縮とは思いましたが、鳥仲間の気安さ。「DA53NはUSBオーディオデバイスと同じ機能があるのか」おたずねいたしました。打てば響くご返事で、私の必要な機能は兼ね備えた機種であることはわかりました。しかし、「入荷後、すぐに売り切れてしまいますので宣伝は一切していません(年内入荷分は既に売り切れです)」とのこと。情報が少ない理由、ネット上の評判から売り切れになるのは納得できます。うーん残念と思っていたところ「貸出機があるので使ってみては」とのありがたい申し出をいただきました。二つ返事で、お願いしたところ今日、手元に届きました。
 さっそく、セッティングして聞いてみると、今までの音はなんだったのかと思うほど。音の表現はとても難しいものがあります。また、それを録音してアップするのも意味がありません。感じたことをそのまま表現するしかありませんが、音に透明感があるというか、透き通ったような感じに聞こえます。部屋が狭いので左右のスピーカーの距離が近いセッテングです。それでも、以前より音の広がりを感じることのできます。隣の部屋で聞いたいたカミさんが「音がきれい。一昨日覗かせてもらったコーワの新機種の望遠鏡のよう」と違いがわかるほどです。
 I渡さんからは、会社の技術者の方と相談した結果、「UA-4FXのようなUSBで電源を得る機材では力が不足、独立電源をもった機種の使用がよろしい」「モニタースピーカーは使用せずにヘッドフォンアンプにヘッドフォンを接続、ヘッドフォンにてモニターリングしながら編集した方がよいのでは」など、細かいアドバイスをいただきました。
 野鳥録音をしている仲間の話を聞くと、野鳥の声を録音したところで終わっています。「録れた!」ということで満足してしまいがちです。私もそうです。
 これからは、いかに自然な音に再現するか勉強していきたいと思います。
 I渡さん、ありがとうございました。しばらく楽しませていただきます。

2010年12月13日 (月)

雲上人に教わったおかげで

 昨日の足立自然にふれあう会の北本自然観察公園探鳥会で、懐かしい人に会いました。かつて日本野鳥の会東京支部の幹事をされていたK野さんです。私が高校生で室内例会や探鳥会に行くと、ひときわ大きな声でベランメエ調の話が聞こえ、誰かと思うとK野さんでした。おそらくK野さんは、インターネット環境にないと思いますので、言いたいことを書いておきます。
 当時(1960年代)、私も含め高校生や大学生のバードウォッチャー仲間が何人かいました。当然のことながら初心者です。私たちから見ると、野鳥の名前を一瞬にして言い当てる幹事さんたちはスーパーマンに見え、雲上人と言っていました。
 この高校生や大学生の若者たちに、大きな声でハッパをかけるのはK野さんです。いわば、体育会系バードウォッチャーといった感じでした。たとえば、「野鳥の会だったら、これが区別できないでどうするんだ」と叱られ「○○と××の識別ポイントはどこだ」と突然言われるのですから、幹事の顔ぶれのなかにK野さんがいると緊張したものです。
 ダイシャクシギとホウロクシギ、あるいはオグロシギとオオソリハシシギの違いを言い当てるために、K野さんのプロミナーを覗かせてもらいました。当時、望遠鏡を持っているのは幹事さんていどです。ですから、頭を下げて覗かせてもらったり、重い望遠鏡を持ってあげることとで優先的(持っているのだから最初に覗ける)に見たものです。
 もちろん、野鳥の区別の仕方、見方を教えてもらったわけですから、春日部のほうに足を向けて寝られません。
 今、このように厳しい指導者がいるでしょうか。日本野鳥の会は、会員を増やすという目的がある以上、会員はお客という対応です。うるさい、厳しい幹事の探鳥会では、参加者が来なくなるかもしれません。野鳥をいかに多く見つけてあげて、楽しい雰囲気の探鳥会にするために工夫をしているというのが実情ではないでしょうか。まして、バードウォッチングツアーを主催する旅行会社にいたっては、お客様は神様ですから厳しい指導など望むべくもありません。
 しかし、今の自分がこうして野鳥業界で飯を食え、バードウォッチングを楽しめるのは、初心者のときにK野さんはじめ諸先輩にいろいろきびしく教えてもらったことが生きているのだと思います。
 昨日の探鳥会ではK野さんは、木から昆虫の名前まで教えてくれました。そのネタと話題の豊富さは、往年の雲上人そのものでした。そう、当時の幹事は鳥だけでなく自然全般も詳しい人たちでした。それでこそ尊敬され、きびしいことを言われてもがんばったことを思い出しました。

Kitamotokouen2

  鳥ばかりではない観察会のようす。

2010年12月12日 (日)

初めての北本自然公園

 雲一つない初冬の青空のもと、枯れ葉が舞い落ちる雑木林が広がっています。ときおり、甲高いヒヨドリの声が聞こえて来たかと思うと、ひょっこりと顔を出したジョウビタキと目が合う、そんな野鳥たちの出会いの多い里山の風景が続いています。ここは北本自然観察公園。今日は、足立自然にふれあう会の探鳥会におじゃまして、はじめて北本自然観察公園を訪れました。
Kitamotokouen  

 かつてはどこにでもあった里山の風景ですが、今となっては珍しい風景となってしまった環境を保存している公園です。印象としては、とても鳥影が多く、たえず視野に何かしらの鳥が入ります。
 それだけに歩いている人の多くが、双眼鏡を首からぶら下げていました。また、ルリビタキやカワセミのポイントでは、カメラの砲列が並んでいました。考えて見ると、こうした風景が東京近郊の公園では当たり前になってしまいました。
 同行したグループの方から「ジョウビタキを撮ったら虫をくわえていたので何でしょう?」と写真を見せられたら、くわえているのはミルワームでした。小鳥の餌して売られているもので、野鳥を餌付けて写真を撮ろうと誰かが置いていることになります。なんとももはやひどい時代になったものです。自然のなかの野鳥を自然のままに鑑賞したり、写真を撮るのが本来でしょう。写真さえ撮れれば、後はどうなっても良いという神経が私にはわかりません。
 今、どこの公園でも当たり前になったカメラの砲列が並ぶ風景、いったいいつまで続くのでしょう。私は、意外と近い将来なくなるのではないかと思います。理由はいくつかあります。このような写真は、飽きられる、飽きてしまうというのがいちばん可能性ある理由です。次は、彼らのおかげで野鳥が減り、撮るべき対象がなくなるといういちばん悲しいパターンになるかもしれません。
 今のうちにカメラの砲列の写真を撮っておけば「昔は、この風景が当たり前だった。昔は良かった」と語る時代が来るかもしれませんね。

2010年12月11日 (土)

アカショウビンは雌もさえずる

 今日、NPO法人・行徳野鳥観察舎友の会のS藤さんから「アカショウビンは雌もさえずる」という情報をいただきました。以下、S藤さんのご了解を得て、ご紹介いたします。
 なんでも保護飼育していたアカショウビンが良くさえずっていたそうです。ところが今回、このアカショウビンを井の頭文化園に移しDNA判定したところ、雌であることがわかったというのです。S藤さん自身も「移動時の捕獲の際に、恥骨の幅を指で確認したところ広く感じました。」とのこと。雌は産卵のため恥骨の幅が広く雄は狭いそうです。触って雌雄が分かるとは、プロは凄いものです。いずれにしても、アカショウビンは雌もさえずる可能性がとても高いことがわかりました。
 私自身、アカショウビンの声を聞いたのはわずか3回。録音はそのうちの1回にすぎません。この時は、千載一遇のチャンスのアカショウビンの声ですから、録音機を鳴いている方に向けてそっと置き後ずさりして離れてじっとしていました。ですから姿は見ていません。また、見えたとしても雌雄の姿による判断はできないのですから、同じことですね。
 ところで、雌もさえずる鳥は意外と多く記録のあるものを列記すると、コジュケイ(御厨正治・1965)、イワヒバリ(中村登流、中村雅彦・1995)、コマドリ(川村多実二・1947)、アカヒゲ(中村登流、中村雅彦・1995)、コルリ(高野伸二・1967)、イソヒヨドリ(太田春男・1947、長柄他喜男・1947)、マミジロ(藤林和男・1976)、キビタキ(大石健次郎・1965)、オオルリ(中西悟堂・1964、御廚正治・1965、新妻博・1965、大石健次郎・1965)、サンコウチョウ(川村多実二・1947)、イスカ(水野武雄・1955)、イカル(中村登流、中村雅彦・1995)、コウライウグイス(黒田長禮・1958)となります。蒲谷鶴彦先生は、オオルリの雌のさえずりを録音したことがあります。私もマミジロの雌が雄のようにさえずっているのを見たり、オオルリの雌がささやくようにさえずるのを録音したことがあります。
 これらの記録の多くは雌雄がはっきりと区別できる種類です。ウグイス類やホトトギス類では、雌雄の区別は簡単にはわかりません。本当にさえずっているのは雄ばかりなのでしょうか。では、雌雄の区別ができるシジュウカラはどうでしょう。あるいはホオジロ類、さえずっているの本当に雄ばかりなのでしょうか。今回のアカショウビンの話を聞いて、さえずるのは雄という先入観を持たず確認してみるべきだと思いました。

 S藤さん、貴重な情報。ありがとうございました。

2010年12月10日 (金)

忙中、忙あり

 印刷物や番組づくりに関わっていると年に2回、魔の時が訪れます。5月のゴールデンウィークと年末年始です。それぞれの一ヶ月前くらいは連休進行、年末進行と言って繁忙期となります。たった1週間くらい休むために1ヶ月間は忙しく、どう考えても計算が合わないのですが、とにかく忙しいのです。今まさにそのまっただ中にいます。
 とくにデアゴスティーニの『週刊・野鳥の世界』は、週刊ですからなおさらたいへん。毎週1回の作業が、このところバイク便のお兄さんが3日置きに来ています。そのほか、連載原稿も早め早めと催促されています。合計すればいつもと同じ量の仕事をしているだけなのですが、追われると凄い量の仕事こなしているような気分になります。
 そんな中、昨日は午前と夜に打ち合わせがありました。
 午前中の打ち合わせは、西五反田の日本野鳥の会事務所で『野鳥』誌の連載について。8回枠で野鳥録音の話を書きます。来年の春にはじまります。『野鳥』誌に連動してWebサイトでも野鳥の声を聞こえるようにするなど、今までにない企画のため各部署から5人の職員が顔を並べての打ち合わせでした。どうぞ、お楽しみにしていただければ幸いです。
 夜の打ち合わせは、古くからの鳥仲間で中華料理店経営のI川さんちでTV番組の企画について。動物ものの企画なのですが、それぞれの分野の専門家に集まってもらってアイディアをいただきたいというもの。私は気楽に行ったのですが、ほ乳類、は虫類、昆虫、コウモリのそうそうたるメンバーが集まりました。せっかくI川さんが作ってくれた料理がなかなか減らないほど話は盛り上がりました。私が、ついていくのがやっとと言うくらい専門的な話にもあって楽しい限り。しかし、これで番組のアイディアとなったのか不安です。
 いろいろな話が出た中で気になったのは、TV番組での動物ものの扱われ方です。ようするに番組内容をわかりやすくするために、複雑な仕組みや構造の話はカットされてしまうのだそうです。ですから、野生動物の生態や自然の仕組みといった説明の難しい話には、踏み込むことはせず安易な話になってしまうのです。その結果、動物はペットとしての扱いが楽となり『天才!志村どうぶつ園』みたいな番組になってしまうとのことでした。また、カラスは悪者、コウモリは不吉といったイメージがあれば、それを覆すエピソードを延々と説明すると、わかりにくくなるので企画が通りにくい。皆が思っているイメージをそのままに番組を作った方が、わかりやすく評価されてしまうのだそうです。
 昨夜、参加された放送現場の方たちもそれは分かっていて、できたらいろいろな生き物の生態を紹介することで正しい方向に持って行きたいということでした。
 忙しい中の会合でしたが、得たものが多くありました。おかげで今日は喉が痛かった。

2010年12月 8日 (水)

キレンジャクとヒレンジャク-声による区別

 先々週の日曜日、日光野鳥研究会の戦場ヶ原自然観察会で、キレンジャクの群れに会いました。Tさんはじめ仲間から「レンジャク類の声がする」と言われましたが、私には聞こえません。たくさん鳴いているというところでかろうじて、かすかに聞こえます。キレンジャクもヒレンジャクもかなり高い声で鳴くので、もう老耳になった私には聞きづらい声となっています。
 カラマツの木のてっぺんに10数羽のキレンジャクがとまっていましたので、PCM-D1のマイクを向け、ダメモトで録音。意外なことに、けっこう鳴いていて初めてのキレンジャクの声をゲットすることができました。
 ところで、私は『野鳥大鑑鳴き声420』に、キレンジャクとヒレンジャクの声による区別は難しいと書いています。あまり出会いのない鳥なので、経験が少なく断定的なことは言えず、気になっていました。
 今回、この戦場ヶ原のキレンジャクと以前、録音したヒレンジャクと比較してみました。すると、けっこう違いがあるのです。
 まず、ヒレンジャクの音源です。PCM-D1で録音したものを加工編集しています。

 その声紋です。天地が24,000Hz、左右が2.5秒です。

Japanese_waxwingsp_2

 そして、キレンジャクの音源です。同じくPCM-D1で録音し加工編集しています。

 その声紋です。同じく天地が24,000Hz、左右が2.5秒です。

Bohemian_waxwingsp_2

  音は、mp3に変換することで、かなり変質していますので、ご了承ください。しかし、声紋を見れば一目瞭然、ヒレンジャクのほうは5,000Hzに、ほぼまっすぐな基音があり、その上に倍音が3つ見えます。一方、キレンジャクのほうは5,000~7,000Hzの間に幅広く基音があります。この基音を良く見ると0.05秒の間隔で5,000~7,000Hzの間で”へ”の字型にパターンがあるのがわかります。震えるように聞こえる声は、この音の上がり下がりにあります。また、倍音は薄く1段しかみえません。
 ところが、聞いてみると声紋のパターンほど違いを聞き分けられません。キレンジャクの0.05秒間の上がり下がりの震え声は、テンポが早くそれほど実感できないためでしょう。音域がほんとんど同じのヒレンジャクの1本調子のと変わらなく聞こえてしまううのではないでしょうか。
 よく聞けば、ヒレンジャクのほうが倍音があるのでふくらみのある声に聞こえ、キレンジャクのほうは震える感じが強く、音が高いので甲高く聞こえるという違いがあるはずなのですが、いかがでしょう。この声が両レンジャクの典型的な声だとはいえませんが、他の部分を比較しても同じような印象がありました。今度、野外でレンジャク類に出会ったら声による区別が可能かどうか検証してみてください。

2010年12月 7日 (火)

気になる録音機-サンヨーとベセトジャパン

 「週刊アスキー」には、月之座さんのイラストが載っているのでよく買っていましたが、このところとんとご無沙汰。久しぶりに買ったら、録音機の新機種の情報があり、いずれにもちょっと気になる機種でした。
 まず、サンヨーのICR-PS515RM。メーカーのURLは下記。
  http://jp.sanyo.com/icr/lineup/ps515rm/
 売りは世界初という「3WAYロータリーマイク」と、音楽録音などで威力を発揮する「低域補正マイク」を搭載とのこと。サンヨーだけに、本体でエネループ充電が可能。いずれにしても、タイマー録音の設定ができて長時間、大容量のメモリーを入れられるので、データ収集を目的とした野鳥録音では威力を発揮しそうです。価格は、16,000円程度。
 つぎは、ベセトジャパンのDP1000。メーカーのURLは下記。
  http://beseto.co.jp/item/dp1000/index.shtml
 このWebサイトには、付属のバッテリーパックを装着すれば約1週間録音できると明記、超長時間録音が売りです。1週間ということは、160~170時間となります。タイマー録音もできますから、たとえば午前3時~6時を設定し毎日録音しても2ヶ月間、置きぱなしでデータ収集ができることになります。メモリーの容量からWAVでは無理ですがmp3ならば、けっこう行けるかもしれません。もちろん、後の整理はたいへんですけれど。これ以外にも、ラジオのFMが聞けて録音できるなど、機能がてんこ盛りです。価格は、15,000円程度。
 ただ、どちらもリニアPCMで録音できるのですが、不思議なことにサンプリング周波数の数値が明記されていません。DP1000では「CDをはるかに超える」とありICR-PS515RMでは録音時間の目安の表で48kHzの項目がある程度です。いまどき44.1kHz/16bitはないと思いますが、96kHz/26bitまで行けるのか、あるいはそれ以上いけるのか気になります。
 これ以上、機材が増えても良い録音ができるとはかぎりませんが、新製品が発表されるとやはりウキウキしますね。

2010年12月 6日 (月)

怖い話-あるいは宮古島の珍鳥

 今日、カラス関連のメーリングリストでの話題です。まず、下記URLの宮古毎日新聞の報道を見てください。
   http://www.miyakomainichi.com/2010/11/9597/
 沖縄県宮古島でハシボソガラスが初めて記録されたという内容です。ハシボソガラスは日本では、九州から北に分布しています。希れに沖縄島で記録されているていどで、より南の宮古島では記録がない鳥、珍鳥ということになります。当たり前の鳥でも、ずいぶん地方によって異なるものです。
 ところが、このハシボソガラスの写真を良く見てください。どうもミヤマガラスではないかと話題になっています。私も写真を見て、嘴が尖っていること、体つきもシャープなことでミヤマガラスではないかと思いました。案の定、ミヤマガラスを追いかけているバードリサーチのT木さんから「ミヤマガラスの若鳥に見える」とコメントがありました。若鳥まで分かるとはさすがです。
 私はハシブトガラス専門、ハシボソガラスはもとよりミヤマガラスとなると心許ないので静観しておりましたが、その後おおかたの意見はミヤマガラスに傾いています。皆さんは、ご覧になっていかがでしょうか。
 私が困ったなあと思ったのは「野鳥研究の権威組織である山階鳥類研究所(千葉県)に鑑定を依頼した。9日、研究所が『ハシボソガラスに間違いない』と同定した」という記事の内容です。誰が同定したのかわかりませんが、後輩や知人が多いだけに、ご同情申し上げます。
 私自身も、この手の鑑定依頼をときおり受けますので、これは怖い話です。だいたい新聞社やTV局からの問い合わせは、まず時間がありません。すぐに答えて欲しいというものです。それもはっきりしない映像や写真を見せられることもあります。ぼけぼけのFAXの写真で、日本野鳥の会では他の職員が間違ったことがあります。
 また、会員からの問い合わせでは、珍しい鳥であって欲しいという願望のもと、たずねてきます。何枚かある写真でも、もっともそれらしい写真を見せられて「○○ですよね」と聞かれれば、つい「○○です」と言ってしまいます。同じく日本野鳥の会で、このパターンで誤認したことがあります。このような場合、「だと思います」や「可能性があります」といっても「~だ」になってしまう怖さもあります。
 ですので、今回の判断もどのような状況で、どのような資料で判断したのか、またどのように答えたのか分からない以上、いちがいに山階鳥類研究所を責めることはできません。それに、このようなマスコミからの問い合わせはノーギャラであることが多いことも書き添えておきます。
 それにしても、宮古島ではハシボソガラスの記録がないということを知っている本土のバードウォッチャーがどれだけいるでしょうか。もし、見つけてもなんだカラスかで、見過ごしてしまっていることでしょう。それも怖い話ですね。

2010年12月 5日 (日)

ニコンEDG双眼鏡 ファースト・インプレ

 今までの鳥歴45年の間にニコンの双眼鏡は、5機種を長期にわたって使用したことがあります。その経験と、光学性能はもとより価格、アフターサービスなどを考えると、私はニコンを信頼しています。ですから、初心者の方から「どこの双眼鏡が良いか」と聞かれれば、まずはニコンを勧めています。
 そのニコンから最高級の双眼鏡が発表されました。そのウワサの双眼鏡を今年の春、東京バードフェステバルで手にしましたが、その素晴らしさにまさに目を奪われました。ニコンの最高峰の双眼鏡、今までの集大成と銘打っているだけのことはありました。今回、このシリーズのEDG8×32を入手。ここ10日間使用した印象をお伝えいたします。
 まずは、双眼鏡おろし。どこで何を見るのか、良い双眼鏡であればあるほど、こだわりたくなります。といっても、このシーズン遠出はできず、近くの六義園へ。池に佇むカワセミをゲットしました。明るい視野にくっきり見える画像に、いつも以上にカワセミがきれいに見えました。まずまずの双眼鏡おろしとなりました。
 この間の日曜日は、日光野鳥研究会の戦場ヶ原自然観察会でした。このグループは、装備が飛び抜けて良いのが特徴で、この日も参加者15人中8人がスワロフスキーの双眼鏡や望遠鏡のユーザーです。おそらく、スワロフスキーの営業のT本さんが率いる「ふじしろ野鳥と楽しむ会」に次ぐスワロ普及率の高い会です。この目の肥えた連中にEDGのお披露目です。同時に参加者はニコンはもとより、ツァイス、コーワのユーザーもいますから、それぞれ比較もできました。EDG以前の最高機種のHG8×32との比較もできました。HGの略はハイグレード、さらにその上のシリーズなのですから期待しての比較です。双眼鏡の比較は、実際にこうして野外でやるべきものです。これだけの機種の比較をできるのも観察会ならでは。街のお店ではできない体験です。
 手にした多くの方の意見は、くっきりして見える、立体感ある画像に見えるなど、好評でした。私も同意見で、見え味についてはまったく申し分はありません。
 バードウォッチングにおける双眼鏡は、見え味だけではありません。手にしたときのバランスはもとより、ストラップ、キャップ、目当ての取り出し、そしてケースなど、総合的に使い易さが求められます。今回、EDGを手にして感じたのは、筐体の手触り、感触の良さです。全体を包むゴムが柔らか過ぎても堅すぎてもダメです。手に吸い付くような感触、手の一部になってくれるような感触があってこそ、一瞬のチャンスを逃すことなく野鳥を視野にとらえ見ることができるのではないでしょうか。このEDGの感触は、かなり好みで私の手にしっくりきます。とくに、今回の観察会では、女性の方から手になじむという感想がありました。小さな女性の手には、なおさら感触の良さが気になるのでしょう。
 見え味と感触以外では、ストラップの操作、対物と接眼レンズキャップ、視度調整など、細かいところに手が届いた設計が随所に感じられます。まさに痒いところに手が届いている感じです。現状での難点は、中央軸の折れ具合が柔らかいことで、眼幅がずれてしまったことがあったぐらいです。
 これから、寒さのなかでのバードウォッチングを体験することになります。双眼鏡にとっては、暑さより寒さの方が過酷な条件だと思います。そして、双眼鏡の真価は、暑さ寒さを体験しないと分かりません。また機会がありましたらご報告いたします。いずれにしても、これからの冬鳥たちとの出会いをより充実したものにしてくれることは間違いないでしょう。

Nikonedg3_3

2010年12月 4日 (土)

六義園で紅葉狩り

 昨日の嵐で六義園のモミジが皆、散ってしまったのではないかと心配で今日の散歩は六義園に行きました。
 今までになく枯れ葉が、順路を覆うように散っていました。しかし、散ったのは茶色になってしまった葉が多かったようで、まだまだモミジは残っています。かえって茶色の葉っぱがなくなった分、森が明るくなり赤や黄色の葉が引き立っていました。よろしければ、壁紙にどうぞ。Rikugienreaf_2
 六義園のライトアップは、明日で終わり。しかし、まだ赤くなっていない緑色のモミジの葉も多くありますので、昼間の紅葉狩りはとうぶん楽しめそうです。

2010年12月 2日 (木)

バトル・オブ・葛西

   この間、葛西臨海公園の自然観察会では猛禽類がたくさん見られました。しかし、お話をしなくてはなりませんのでカメラは持って行きませんでした。そのため今日はもう一度、猛禽類に会いたくてカメラを持って葛西臨海公園へ。
 12月の葛西ならば、木枯らしのなか羽毛服に身を固めバードウォッチングをした記憶があります。しかし、今日は小春日和の中、バードウォッチングを楽しむことができました。
 猛禽類は、チュウヒ、ハイタカ、オオタカ、ノスリが見られ、おかげで相変わらずカモ類や小鳥は少なめでした。
 とにかく猛禽類は、多い上にいろいろなシーンがありました。たとえば、オオタカが出現したと空を見上げていると、ハイタカが2羽がやって来て同時に3羽が飛び交ってくれました。今までハイタカの識別点は分からなかったのですが、2種類が同時に飛んでくれたので、よく分かりました。ずいぶん大きさと翼の形が違うことが理解できました。
 おかげで鳥類園をなわばりにしているハシブトガラスは大忙しで、猛禽類が飛んでは急発進して追い払おうと攻撃していました。とくにノスリにはご執心で、ノスリが出現するとからならず追いかけています。写真を見ると、ノスリのほうが大きいのにハシブトガラスに追いかけられます。しかし、ときどき形勢が逆転してノスリがハシブトガラスに向かって行き追いかけることもあって見ていて飽きません。しかし、こうした空中戦を写真に撮ろうと狙っていたため首が痛くなりました。写真は、首が痛くなったノスリとハシブトガラスの空中戦です。

Buzzardvscrow

2010年12月 1日 (水)

YAMAHA録音機のインプレ

 YAMAHAのPOCKETRAK W24と C24の使用リポートを拙サイトsyrinxにアップいたしました。半年間、使用しての使用方法のポイントと感想です。両機種で同時に録音した音源を比較できるようにサンプル音源もアップしています。
 下記URLで「POCKETRAK W24 & C24使用リポート」です。
  http://www.birdcafe.net/howto/howtoall.htm
 現在、内蔵マイクが付いたメモリー録音機は、およそ40機種が発売されています。このなかで、どちらかと言うとYAMAHAの録音機は地味な存在です。しかし、後発機種だけに、過去に発売された機種の悪いところを洗い出し、良いとこ取りをして設計された感があります。たとえば、両機種ともバッテリーが長持ちして大容量のメモリーを増設できることで長時間録音が可能です。そのため、拙ブログの記事で何度か紹介いたしましたように長時間のタイマー録音ができます。このおかげで、簡単便利にデータを収録することができるようになりました。私は、この機種のおかげで今まで録ることのできなかった野鳥の声をいくつも録ることができました。
 いずれにしても、工夫次第で野鳥録音の幅を拡げることができる機種だと思います。まずは、ご参考まで・・・

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