エアーレーションを利用するハシビロガモ
六義園の池で、ハシビロガモが面白い行動をしていたので報告します。
ハシビロガモが、池の浄化のために動いているエアーレーションを利用して、食事をしているのです。これが、その写真です。
ハシビロガモは、ご存知のようにくちばしを水の中に入れてパシャパシャやり水中の植物プランクトンをくちばしの縁にある櫛状の突起で漉して食べます。そのため富栄養、ある意味、汚れた沼のような環境を好むカモです。
六義園では、1980年代はハシビロガモは少ない鳥でした。その頃、キンクロハジロが数100羽が昼ネグラとして利用していました。キンクロハジロは夜、外へ出て行き食事をし昼間、六義園で寝ていました。そして、大量の糞をしたはずです。そのため、六義園の池の栄養度が上がりその後、ハシビロガモが増えました。
それからキンクロハジロが少なくなってもハシビロガモは減ることなく、多ければ10羽程度が居着くようになりました。池の栄養度が慢性的に高いのでしょう。今年の夏も水面に藻が浮いたりアオコが大量に発生していました。
そのため、六義園サービスセンターでは水質をきれいにするためにエアーレーションを数カ所で行っています。ようするに、水槽でぶくぶく空気を入れる装置の大規模なものです。
面白いのは、エアーレーションの泡のまわりでさかんにハシビロガモが食事をしているのです。エアーレーションによって、池の底のほうにいたプランクトンが舞い上がってくるのを狙って食べているのです。エアーレーションは、タイマーが働いているのか間欠的に動きます。泡がぶくぶく出てくるとそのまわりに集まり、さかんにくちばしをパシャパシャやり始めます。泡が止まるとゆっくりとなったり、他に行ってしまいます。そして、また泡が出始めると集まってきます。かなり、エアーレーションに依存していることがわかります。汚れた水の好きなハシビロガモが、水質浄化のためのエアーレーションのおかげで食べ物を効率良く得ることができるって、ちょっと面白いですね。
人を利用してたくみに食べ物を得る鳥がたくさんいますが、さらにハシビロガモが加わったことになります。
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