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2010年12月30日 (木)

出水の鳥インフルエンザーその後

 出水のツルの鳥インフルエンザ問題、その後です。
 TVニュースでは昨日、専門家会議が都内で開かれたと伝えています。ニュース映像には東大の樋口広芳教授をはじめ日本野鳥の会の金井裕さん、山階鳥類研究所の茂田良光さんの顔が見えました。鳥関係としてはそつのない顔ぶれですのが、会議はかなりの大人数です。彼らの意見が、少数意見とならないよう祈るばかりです。
 その後、ナベヅルばかりではなく感染死したマナヅルが見つかったとの報道もあります。予断は許されません。ただ、養鶏場のニワトリのようにバタバタと鳥が死んでいくという事態にはなっていなのが幸いです。工場のような養鶏場で高密度な状態と、密度が高いとは言え野生状態の個体間距離では染率の広がり具合に違いあれば良いのですが。
 友人知人から情報をいくつか頂いているものの中から。
 日本野鳥の会のKさんからは「韓国でワシミミズクで2例の報告があった」とメールをいただきました。その後、日本野鳥の会のサイトにも詳しく報告されています。下記URLです。

http://www.wbsj.org/nature/infection/influenza/101227.html

 なぜワシミミズクなのか不思議に思いましたが、魚も食べるので水辺に行きカモ類などの水鳥の糞から感染ということなのでしょうか。そうなると、もっと分布が狭く数の少ない日本のシマフクロウも同じような習性ですので、感染の危険性があるということになります。これまた、心配の種が増えました。
 出水に詳しい知人からは、私の意見の「給餌を直ちに止めて強制的に分散させろ」は養鶏業者など「分散した先の住民の不安など人間の立場で考えれば」無理とのことでした。これに関連して私は、出水周辺が養鶏の一大生産地であることは初めて知りました。それならばなおさら、鳥インフルエンザを運んでくる鳥を出水に集めず分散させることをしていなくてはならなかったはずです。ツルの存続を図るとともも地元産業を守ると言うことで、もっと強力に分散計画ができたと思うのです。養鶏は農水省、ツルは環境省という縦割りのなかで意見交換がされなかったためなのでしょうか。
 また、現状でできることは監視することしかなさそうとのこと。監視というのは、死んだツルをトビやカラスが食べて二次三次の感染が広がらないように、死体や弱ったツルをいち早く見つけて回収するという作業です。強制的に分散をさせることができないのならば、今のところできることはこれくらいしかないと思います。一口に監視と言っても、あの広い荒崎の田んぼでの作業を思うとご苦労はたいへんなことです。それに、この監視は正月返上で行わなくてはなりません。より有効な監視体制を実施するためには、宮崎で口蹄疫が発生したときのように自衛隊が出動しても良いぐらいのことだと思うのですが、いかがでしょうか。とにかく、人海戦術でないと対応できない対策です。
 出水のツルの鳥インフルエンザ騒動はたいした対策も取られず、このまま年を越しそうです。

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