謎のペリット-六義園でフクロウか
今日の午後、六義園に行きました。
順路のまんなかに、灰色の物体が落ちているのに気がつき、よく見ると小さな骨が入っています。下の写真がそうです。
獣の糞であれば胆汁などの消化液にまみれ、黒または茶色ぽい色をしているはずですが、ネズミの毛そのものの色をしています。鳥の尿にあたる白い部分が無いので、鳥起因とするならばペリットです。大きさからは、カラス大の鳥ということになります。
ネズミを食べペリットを出すのはフクロウ類が多いですね。たとえば、コミミズクのペリットは、大人の親指ほどの太さと大きさをしていて、しっかりとした形をしています。また、トラフズクも同じような形です。ただ、日光でよく見るフクロウのペリットは、この写真のように崩れているものが多いように思えます。この道は、昨日も通っています。ですから、見落とす可能性が少ない場所ですので、このように崩れたのは、はじめからの可能性があります。
また、コミミズクは草原性のフクロウ。トラフズクもその傾向があり、六義園の森の環境にはそぐわない鳥です。六義園で、フクロウの記録は1986年1月20日に職員の方が「カラスに攻撃されている大きな灰色のフクロウのような鳥」を見ています。ですので、フクロウの可能性がまったくないとはいえません。また、日付を見ると今日と近いですね。
ただ、もう一つの可能性はカラスです。ハシブトガラスとハシボソガラスがねぐらに集まってきています。ただ、カラスの可能性が低い理由があります。まず、ペリットの落ちていた場所は、カラスのねぐらかは離れたところです。カラスのペリットの多くはねぐらのなかに多く、周辺には糞が大量に落ちていますが、このペリットがぽつんと落ちていてまわりには糞がありません。また、カラスのペリットの中身はネズミだけというように1種類で構成されていることはまれです。いろいろなものが混ざっているのが普通です。
状況証拠からフクロウ7に対しカラス3ぐらいの可能性があると思うのですが、いかがでしょうか。
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こんにちは。
私の卒論はフクロウのペリットでした。飼育していましたが、ネズミを食べたフクロウのペリットはいつもしっかりとした形をしていました。ですので、フクロウだとするとこんなふうに崩れているのはちょっと不思議です。
ただ、中身がネズミということであれば、やはりフクロウ類の可能性が高いと思います。六義園の森なら、フクロウが迷い込んでもおかしくないかも知れません。昔はきっといたんでしょうね。父の話では、父が子どものころには上野の森にもフクロウが棲みついていたそうですから。
投稿: 松田まゆみ | 2011年1月26日 (水) 15時17分
松田まゆみ様
北海道は寒そうですが、お元気そうでなによりです。
フクロウの生息域で、ペリットを見ることがありますが、しっかりしたのは見たことがありません。ひょっとすると、飼育下ではすぐ見られるので壊れないけれど、自然のなかでは壊れやすいということがあるのでしょうか。
コミミズクのものは、引きちぎるように力を入れないと壊れませんでした。
なお、ペリットのあったところは私の枕元から直線で、10数メートルしか離れていません。私の頭の上にフクロウがいたかと思うと感慨無量です。
投稿: まつ | 2011年1月26日 (水) 18時34分
北海道は寒いといっても、近年は温暖化の影響か、以前にくらべて冷え込みはすっかり緩くなりました。
おっしゃる通り、コミミズクのペリットはしっかりとしています。中身を調べるために崩すときも、しっかり固まっているのでけっこう大変です。それに比べたら、たしかにフクロウのペリットは崩しやすかったような気がします。フクロウの場合、出したばかりのときはしっかりした形をしていても、崩れやすいのかもしれません。なるほど・・・。
それにしても、ビルに囲まれた都心の公園でフクロウが飛んでいたというのは、ちょっとロマンがありますね。
投稿: 松田まゆみ | 2011年1月27日 (木) 09時48分
六義園にフクロウがいるとは驚きです。
散歩の時よく見るようにしてみます。
これからたびたび立ち寄らせていただきます。
投稿: naohnaoh | 2011年1月27日 (木) 19時54分
松田みゆみ様
そうですか。やはりフクロウとコミミズクではペリットの堅さに違いがありましたか。
私の印象だとトラフズクは、その間くらいの堅さですね。
投稿: まつ | 2011年1月27日 (木) 20時02分
naohnaoh様
昔の記録がカラスに攻撃されていたように、昼間フクロウがくればハシブトガラスが大騒ぎをすると思います。
もし、あのペリットがフクロウだとすると、きっと夜にそっと通っていたのではないでしょうか。
投稿: まつ | 2011年1月27日 (木) 20時03分