カルガモの死ーテグス問題
今日は風も無く穏やかな日でしたので、朝の散歩は六義園です。
珍しく池に氷が張っていました。1980年代は、池がほとんど凍ってしまうようなことがよくありました。舞い降りてきてカモがすべって滑稽でした。それが、今では珍しい現象となりました。
森のなかを歩くと相変わらず、小鳥の姿が絶えません。しかし、池のカモ類は少なめ、キンクロハジロは1羽もいなくなりました。どうしたことでしょう。気になっていると、池の片隅にカルガモの死体が浮いているのを見つけました。
時節柄、鳥インフルエンザの可能性もあり、まずは事務所に連絡しておきました。夕方、六義園に行くとカルガモの死体を回収、体にはテグスが絡んでいて、それが死因のようだとのことでした。写真を見せてもらうと、テグスばかりではなく魚の形をしたルアーも付いていました。心ない釣り人のおかげで、貴重な野生の命が失われたことになります。
常連のバードウォッチャーの話では昨日、岸に上がろうとしてもがいているカルガモがいたそうです。同じカルガモであったら、助けられたかもしれないと皆で残念がっておりました。
六義園で釣りをすることはあり得ませんので、どこか他の池で被害にあい飛んできたことになります。このように水辺の鳥が、テグスに絡んで死んだり脚を切断してしまう事故はたえません。私は日本鳥類保護連盟にいた(1980年)頃、多摩川でのテグス回収活動を始めました。その後、釣り業界に協力を求めるなどしました。しかし、この運動は立ち消え状態。けっこう野鳥を巡る問題としては大きなことだと思うのですが、個人としてはいかんともしがく内心、忸怩たる思いでいます。
もし、何億円もかけて放鳥しているトキがテグスにからんで死んだら、きっとマスコミを大きく報じ業界も動くかもしれません。カルガモではたぶん無理。しかし、今のうちに対策を講じておかないといずれ大きな損失を被ることになると思います。
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