日陰と日向のアカハラ
六義園を歩くと小鳥の影がいちだんと多くなりました。なかでも、ツグミ系が増えました。ツグミはもとよりシロハラも多いですね。ただシロハラが4,5羽に対し、アカハラはたぶん1羽しかいません。いつもの年は、同じ数かアカハラのほうが多いときもあるのに、ちょっと傾向が変わってきました。そのたった1羽のアカハラを今日、見つけ写真を撮りました。最初に撮ったのは、この写真です。けっこう頭が黒く見えるので雄のアカハラでしょう。
ところが、このアカハラが日の当たるところへ行くと、頭の黒味が無くなりました。これがその写真です。
間違いなく同じアカハラですが、日の当たり具合でこうも頭の色が変わるのは驚きました。アカハラの頭の黒は、色素による発色ではなく構造色により黒く見えるためでしょう。
良く頭の黒いのは亜種のオオアカハラと言われます。オオアカハラで画像検索すると、たくさんアップされています。ただし、”?”が付いていたり”らしい”と記事にあります。叶内図鑑でもオオアカハラは「と思われる」となっています。基本的には、測定値と繁殖地での判断ですから、越冬地で撮影された大きさの分からない写真での判定は難しいものがあります。「と思われる」と書いた叶内図鑑はとても良識的な判断だと思います。
私は、カムチャツカでオオアカハラを見ています。北千島ではさえずりを聞き、録音もしています。見た感じでは、大きなアカコッコという感じでした。アカハラより大きい上に、頭は頭巾をかぶったように黒く見えました。ただし、これは繁殖期のことですので、夏羽で越冬期の冬羽とは趣が変わるかもしれません。ちなみに、声は亜種アカハラとの違いはわかりませんでした。というか、アカハラはたいへんバリエーションが多いので、その1つと言われれば、それまでと言った違いです。
今日の写真のアカハラから、オオアカハラと言われているもののなかには、日向と日陰のアカハラの違いではと思うものもかなりありますね。
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