« 早春の舞岡公園 | トップページ | 時が解決してくれるもの »

2011年2月11日 (金)

建国記念の日の思い出-汐入の池とアカアシシギ

  今日は建国記念の日、この日を迎えると建国記念の日が休日になった最初の日を思い出します。確認したら1967年が、最初の国民の休日となった年でした。ですから私は学生で、日本鳥類保護連盟の会報の発送アルバイトなどで山階鳥類研究所に出入りをしていた時のことです。当時、日本鳥類保護連盟の指導部長だった高野伸二さんに、NHKのニュース取材で東京都大井の先にできた埋め立て地に同行して欲しいと頼まれました。埋め立て地にできた水たまりにカモの群れが入っているので、種類の確認をあげてくれないか言う依頼でした。
 モノレールの駅で言えば、現在の天王洲アイル駅(当時は駅はない)あたりから流通センター駅の間の海側にある広大な埋め立て地です。この埋め立て地に入るためには、大井競馬場駅の近くにある唯一の橋が入り口でした。できたばかりの埋め立て地ですから土塊だけ、まだ草も生えていませんでした。まるで砂漠のようなような環境です。そこをNHKの黒塗りのプレジデントが砂埃を立てて走って行くのですから不思議な風景でした。
 水たまりは、埋め立て地のかなり先のほうにありました。なぜか、そこだけ水がたまっていて周りは小高い土山に囲まれていました。水たまりには、スズガモの群れが入っていて、ディレクターとカメラマンが土山に身を潜めてレンズを向けて撮影していました。私は、水たまりの隅に、シギが1羽いるのを見つけました。この季節、春一番に渡ってくるシギと言えばツルシギですから、私はてっきりツルシギだと思いました。帰ってから高野さんに「ツルシギがいたよ」と報告したのを覚えています。しばらくして、高野さんから「あれはアカアシシギだったよ」と言われ愕然としました。当時は、ツルシギよりアカアシシギのほうがはるかに珍しかったのです。私は、ツルシギは数100羽の群れを見ていましたが、アカアシシギはまだ見たことがなかったのです。その珍鳥のアカアシシギを見誤るなんて悔しいこと。なんとかアカアシシギはアカアシシギとして見たいと、再度埋め立て地に行きました。今度は徒歩です。大井競馬場駅からダンプカーが行き交い埃だけの道を延々と歩いて、水たまりにたどりやっと着きました。土山をそっと上ってみると、幸いなことにアカアシシギはまだいました。飛び立って移動するとき、翼の次列風切羽の白い部分が見えましたので間違いありません。
  その後、この水たまりが汐入の池と呼ばれ、多くの水鳥たちが訪れ当時のバードウォッチャーを楽しませてくれたことになります。そして、現在の東京港野鳥公園の一隅を占めているのはご存じの通り。
 毎年、この日を迎えると埃だらけの埋め立て地にオアシスのようにあった水たまりにたたずんだアカアシシギを思い出します。
 当時、カメラを持っていなかったので写真は残っていません。下の写真は、1970年初頭の頃の汐入の池。白いのは、カモメ類の群れです。Sioirinoike

« 早春の舞岡公園 | トップページ | 時が解決してくれるもの »

観察記録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 建国記念の日の思い出-汐入の池とアカアシシギ:

« 早春の舞岡公園 | トップページ | 時が解決してくれるもの »