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2011年3月

2011年3月31日 (木)

オオコノハズクの課題

 皆さまのおかげで謎の木魚鳥がオオコノハズクであろうという見通しが付きました。
 では、私が三宅島で録音したオオコノハズクとの声の違いは、何なのでしょう。まず、その声をお聞きください。

  「キャン、キャン」と聞こえる声です。まるで小型犬の鳴き声のように甲高く聞こえます。はじめ大路池で聞いた時は、イヌが遠くで鳴いているのだと思ったほどです。
 木魚鳥とされた声は、100~250Hzとたいへん低い声です。それに対して三宅島のオオコノハズクは、400~650Hzと800~1200Hzという高めの2つの音が重なっています。そのため、単純な節なのですが深みのある音に聞こえます。この声紋のパターンは、下記の論文でも掲載されていますので、これがオオコノハズクであることは間違いないのです。下記URLで読むことができます。

 http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjo1915&cdvol=29&noissue=2-3&startpage=91&lang=ja&from=jnlabstract

 この論文のタイトルは「日本にすむオオコノハズクの鳴き声について」となっていますが、実際は三宅島のオオコノハズクの声についての報告です。
 つぎに”三宅島のオオコノハズクは木魚鳴きをしないのか”という疑問が生じます。さっそく、元三宅島のアカコッコ館のレンジャーであったY本さんに聞いてみました。すぐにご返事をいただきましたが、返事は意外なものでした。
 「三宅島で繁殖期に聞いた声は、今回添付いただいた周波数の高い声(注:上にアップした音源)で、木魚鳥のような低い声は聞いたことがありません。」
 三宅島では、木魚鳴きをするオオコノハズクの声は聞いたことがないというのです。Y本さんによれば、冬は個体数が増えるので本州から渡ってくるものがいることが予想できるのにかかわらずです。
 三宅島はY本さんのような方がいらっしゃるので話が早いのですが、本州で三宅島のように「キャンキャン」鳴くオオコノハズクがいないという確認ができれば面白いことになります。
 この鳴き声の違いは何なのでしょう。島と本土との違いならば、上田秀雄さんの『野鳥の声283』に収録されている木魚鳴きしている音源は長崎県対馬での録音ですから該当しません。
 それとも本土と三宅島では亜種が異なり、鳴き声に差異が生じているのでしょうか。今までの分類は剥製主義です。姿形の違いを根拠に分類をしてきました。そのため、トラツグミとオオトラツグミ、コノハズクとリュウキュウコノハズク、メボソムシクイ3亜種などは鳴き声が異なることから種の検討が行われ、種として認められる方向性が見いだされました。
 もし、三宅島のオオコノハズクと本土のオオコノハズクの鳴き声がこれだけ違うのであれば、検討すべき課題と言えるでしょう。

2011年3月30日 (水)

ハシブトガラスがベランダで巣作り?

 カミさんが「来て見て!」とベランダで大きな声で呼びます。何があったのかと行ってみると、ガスの室外機の上に白い針金ハンガーが6本と木の枝が乗っています。写真は、それを撮ったものです。

Largebilledcrownestb

 私の家は、本郷通りに面したマンションの7階ですから、人のイタズラとは考えられません。枝の太さ、針金ハンガーということで犯人はハシブトガラスです。
 今朝、やはりカミさんがベランダでカラスが変な声で鳴いていると言っていました。耳をそばだててカーテンの陰から聞いていると「グガガ・・・」などというくもごった声が聞こえました。私たちの気配に気がついたのか、その後は静かになり飛び去ったようです。
 以前、ハシブトガラスの巣作りを観察した時に「ブツブツ」言っているのを聞いたことがあります。隣町のカラス仲間のHさんも同様の声を聞いており、いつか録音したいと思っていた声です。まさか、ベランダで巣作りをしているとは思いもよらず、貴重な録音の機会を逸してしまいました。なんとも残念なことです。
 ガスの室外機の幅は、わずか25cmしかありません。大きければ1mにもなるハシブトガラスが巣を作るのは、いくら何でもせますぎます。今までの経験では、試作巣を作ることが多いので、試しに巣材を置いてみたといったところでしょう。
 以前、5年間毎年50個、延べ250個の巣を観察したことがあります。いちばん変わった巣作りの場所は山手線にかかる橋(本郷通り)の下でしたが、ベランダというのはその記録を超える変わった場所の筆頭となりました。
 それにしてもよりによって、なんで私の家のベランダなのでしょうか。

2011年3月28日 (月)

おたくさ-長崎のお菓子

 カミさんの長崎の友人から”おたくさ”というお菓子をいただきました。
 これだけで植物好きの方なら、シーボルト、奥さんの滝、お滝さん、お滝さんの名前を学名に付けたアジサイ、おたくさと、連想されることと思います。
 シーボルトには、植物はもちろんのこと、鳥類も海産生物、あるいは文物を調べれば、かならず行き当たります。日本の近代生物学の礎を築いた人物ですから当然です。私もネタに困ると、シーボルトを当たります。そのシーボルトの艶っぽい話として、滝の存在があります。自分の奥さんの名前を学名に付けるなんて究極の愛情表現です。ただ、当時の日本人にはその意味と価値はわからなかったことでしょう。今でも、この愛情表現を理解してくれるのは、理科系の人間くらいかもしれませんが。しかし、残念ながらアジサイの学名は、すでに付いていたので採用されなかったというエピソードが伝わっています。科学の世界と愛情は、相容れないのです。
 ちなみに、オウムに人の声を覚えさせる言葉に「おたきさん」が、昔は定番でした。これも、シーボルト由来と読んだことがあるのですが、出典を見つけることができませんでした。
 ところで、お菓子の”おたくさ”は、唐草というメーカーの製品です。アジサイの花をイメージした形をしたパイのお菓子です。洋風の味に日本風の形ということで、シーボルトのイメージにつながります。さくさくとしたパイで、ほんのりした上品な甘みのある美味しいお菓子でした。長崎のE藤さん、ごちそうさまでした。
  箱には、水彩画のアジサイの絵が描かれています。

Otakusa1

 アジサイのはなびらイメージした形です。

Otakusa2

2011年3月27日 (日)

カミさんの録音-高尾山編

 昨日、カミさんは高尾山に行ってきました。カエルの声が録れたとのこと。聞いてみたらこんな声が入っていました。

 ひょうきんなオジさんですが、録音しているのがわかったら「ごめんね」も言わないでほしいと思います。

 YAMAHAのC24は、小型のなので携帯電話に見えてしまったようです。録音しているとわかってもしゃべり続けるオバさん。山道なのによく息が切れないものです。きっと、鳥のように肺には5対の気嚢があるのか鳴管で話しているのでしょう。

 カエルは、ヤマアカガエルでよろしいでしょうか。
 

2011年3月26日 (土)

キガシラシトドのさえずり録音成功

 昨日は、キガシラポイントに行きました。3.11以来のキガシラポイントです。いつ地震で電車が止まってしまうかもしれないので遠出は控えていました。
 キガシラシトドは、2週間ぶりに見たらかなり夏羽になっていました。また、お目にかかったE東さんから「8時頃、ヤナギの木の上でよくさえずっていた。オオルリの下手なさえずりのようだ」の情報。しかし、昼まで待ちましたが鳴く気配なし。だいたいこんなものです。そうはうまくは行きません。だんだん風も強くなったので、録音は断念して引き上げました。
 ということで今日は午前5時に目が覚めたので出かけました。天気予報では、午前9時から北風が強くなるとのことでしたので少しでも早く行かなくてはなりません。それ以前に、姿も夏羽、さえずり始めたのですからいつ渡り去ってしまうかもしれません。もうチャンスは少ないはずです。気がせいて小走りに土手を上り息が切れました。
 現地着6時30分でしたが、もうカメラマンが1人いたのは驚きました。そして7時台には、5.6人となりました。人が増えると話し声も多くなるので、早く鳴いてくれるのを祈るばかりです。ふと気がつくと、ヤナギの木から聞き慣れない声が聞こえてきました。「ヒーリリリー」と伸びやかな声は、たしかにオオルリに似ています。それに続く複雑な節は短く、またすぐに「ヒーリリリー」と続けています。たしかに、E東さんのオオルリのさえずりを下手にしたという表現がぴったりです。こんな声です。PCM-D1で録音。低音ノイズの軽減、ボリューム調整をしています。

  北アメリカのCD("Bird Songs of Alaska" by Leonard J. Peyton 1999)のキガシラシトドのさえずりを聞くと、この「ヒーリーリリ」を単純に続けているだけで、間の複雑な節はありません。この声は、まだ練習歌なのかもしれません。
 ところで、キガシラシトドポイントに2日通い、驚いたことがあります。なんと、2日続けて録音機を持った方に出会ったのです。今まで野外で録音機を持った人にあったのは、わずか1回。日光のE村さんだけです。野鳥を録音をしようと思えば、どうしても人を避けるのですから出会うはずがありません。その記録が、2日連続して破られたことになります。おかげさまで情報交換をしつつ、野鳥録音の楽しみと深さを語り合うことができました。

2011年3月24日 (木)

謎の木魚鳥

  一昨年の6月、A部夫妻・義弟と連れだって群馬県黒滝山に行きました。道すがらA部旦那から「去年行った時に、お寺の和尚さんが木魚鳥が鳴いていると言っていた」との情報。何でも、木魚を叩く音に似た声で鳴く鳥がいるというのです。運の良いことに黒滝山を登ると和尚さんに出会い話を聞くことができました。和尚さんの話では、やはり木魚のように鳴く鳥がいるとのこと。「今年は檀家総代の方が亡くなったのだが、その晩はことのほかよく鳴いた。これも何かの因縁・・・」など、興味深い話をしてくれました。和尚さんの話を総合すると、木魚鳥は夜に鳴く。5月に鳴き始める。森のなかで鳴く。フクロウではないということになります。ではミゾゴイかと思い、携帯電話に入っている声を聞いたもらいましたが、これではないとのこと。それではいったい何なのか「もし鳴いたら連絡をください」と名刺を渡したものの去年は、連絡はありませんでした。
 また、南牧村役場のWebサイトの黒瀧山不動寺のページには「黒瀧山の三霊鳥といわれる仏法僧、木魚鳥、慈悲心鳥の鳴く声が響き」とあり、木魚鳥は地元では知られている鳥になっています。また、黒瀧山不動寺の解説で「『ポクポク』と木魚のような音で鳴く木魚鳥(ツツドリ)」と書かれたWebサイトもありますが、ツツドリは夜鳴かないので和尚さんの話とは異なります。
 ところが去年、日光の自然仲間のE村さんから「栃木県日光市湯西川の山奥に一晩おきっぱなしにした録音機に聞いたことのない声が入っていた、その声が木魚のように聞こえるのでこれは木魚鳥ではないか」と情報をいただきました。そして、聞くと確かに木魚のように聞こえます。今まで、私が聞いたことのない声です。今回、E村さんのサイトにその声がアップされましたので、皆さまにも聞きていただきたいと思い記事としました。合わせて、ご意見をいただければと思います。
 下記URLで、SOUND→不明種→「5/ 16 2010 3:28日光市湯西川」で聞いてください。なお、録音はバイノーラル録音ですからヘッドフォーンで聞くと良いでしょう。
  http://nikkotoday.com/
 どうでしょうか。木魚のように聞こえませんか。
 まず、鳥の声でしょうか。鳥の声だとすると何でしょう。
 黒滝山の標高が870m、日光が約1000mですから、さほど違いのない高さです。また、植生は広葉樹とスギの人工林が入り交じった環境、渓流があり、どちらも比較的湿った森です。そして、時期もどちらも初夏です。時刻は、夜。E村さんの録音では、他の鳥は鳴いていません。
 関東地方で、夜鳴く鳥となるとフクロウ類、ミゾゴイ、ヨタカ、トラツグミと限られています。低い声で繰り返して鳴くというとミゾゴイなのですが、ミゾゴイの鳴き声のバリエーションのなかにこのような声があるのでしょうか。『野鳥大鑑鳴き声420』に収録されている典型的なミゾゴイの声は200~400Hz。木魚鳥は、100~250Hzとより低い声です。鳥の鳴き声でもっとも低いのはサンカノゴイですが、100~400Hzですから、これより低い声となります。
 いったい木魚鳥は、何でしょう。そもそも鳥なのでしょうか。謎解きのはじまりです。

2011年3月23日 (水)

ブログ開設1年

 syrinxブログ編を解説してから、ちょうど一年たちました。
 最初の頃は、来訪者の数が1日30人程度でしたので、ちょっと寂しい気持ちでした。しかし、おかげさまでこのところ順調に増えています。さきほど、カウンターを見たらちょうど7万を超えたところでした。このカウンターはちょっと甘そうなのですが、延べ7万人平均1日200人もの人が見てくれたと思うと感激です。
 記事数は278件書きました。5日に1回くらい休んでいますから、週休2日で書き続けたことになります。ネタがたくさんある日もあれば、ない日もある。この案配が難しいことがありますね。今読み返してみると、濃い内容もあれば薄い内容もあってお恥ずかしい限りです。
 いずれにしても私に「しゃべるな。書くな」というのは、拷問に等しいことですので、書き続けることはなんら苦ではありません。これからも、私のおしゃべりにおつきあいいただければ幸いです。

2011年3月21日 (月)

ウグイスのおぼつかないさえずり-六義園

 昨日の六義園は、もっとも早いサクラが咲き始め、アセビの花が満開。園内では、3ヶ所でウグイスがさえずっていました。いずれも、まだおぼつかない鳴き方でした。こんな声です。PCM-D1で録音、低音ノイズを軽減しています。

 「ホー、ホケキョ」にまだ力が無く、途中で終わってしまったりしています。また、谷渡りも短いものです。ときどきつぶやくような声もあって、いかにもさえずりの練習をしているという印象の声です。
 これでも1週間もすれば、本格的なさえずりとなってしまいます。ですから、このような鳴き方は鳴き始めて数日しか聞くことができません。録音もなかなかできない貴重な声、この季節限定の一瞬の声なのです。ですからここ数日、この声を録ろうと六義園に通っていました。遠くで鳴いていると駆けつけても、すぐに鳴き止んでしまいますので、なかなか録音できませんでした。昨日は、歩いていたすぐそばで鳴いてくれましたので、やっと録音できた次第です。
 世の中、3.11大災害の話題で持ちきり。私たち人間は右往左往していますが、季節はそんなことにはお構いなしに移ろっていきます。

2011年3月20日 (日)

続・尾の両側が白いアカハラ

 イラストレイターのM輪さんから、先日の「尾の両側が白いアカハラ」の記事についてメールをいただきました。M輪さんによれば、
 「山階図鑑を見たところ、(アカハラ)雄成鳥について『最外側尾羽の内弁の先には狭き灰白色の縁を有するもの多きも、これ無きものもある』、と書かれています。雌成鳥については『外側尾羽の内弁の先端の灰白色斑はこれ無きものの方が多い』とあり、雄とはちょっとニュアンスが違うようにも読めます。いずれにしても、外側尾羽の内弁先端に『灰白色の斑』を持つ個体がいるようです。」
 とのこと。アカハラの尾の両側に白い部分があることは、すでに事実として記載されていました。さすが山階芳麿先生です。困った時の山階図鑑です。それに尾に白い部分があるのは、雄に多く雌は少ないというところまでわかっていたのです。
 そして、さらにM輪さんは、
 「たまたま、千葉中央博物館に行った折、標本を見る機会がありました。アカハラをざっと見たところ、2個体について『灰白色の斑』を確認できました。上面はコントラストもあって、白く見えます(下面は分かりづらいです)。」
 と、標本によるチェックもしていただきました。おかげで、アカハラの尾に白斑があることは珍しいことでないことわかりました。お忙しいなか、お調べいただきありがとうございました。
 私が、シロハラの”尾の両側は白い”と強く印象を持っているのは『フィールドガイド日本の野鳥』のおかげです。このシロハラの絵には、尾の両側が明確に白く描かれています。そのため、この白斑の有無がアカハラとシロハラの識別のポイントひとつと理解してしまったのです。思い込みとは恐ろしいもので、探鳥会の解説も調査のおりの識別ポイントもこれでやってきていました。
 しかし、実際に白い部分はもっとも外側の羽の内側であるために尾を広げないと見えない特徴です。今日、六義園で撮影したシロハラの写真です。尾を閉じていると白い部分は見えません。図鑑の絵のようには、白い部分が目立たないです。

Pale_thrushbuck

 念のために、尾の両側が白かったアカハラの同じようなアングルもあげておきます。

Brownheadedthrush1

  どちらも種類も、後ろから見ただけでは尾に特徴はでないことがわかります。ロシアの図鑑では、アカハラ、シロハラ、マミチャジナイは同じ種として扱われ亜種関係とされています。それだけに中間の模様のものがいてもおかしくありません。これからは、お腹の色を見ない限り軽々に判断しないようにいたします。
 そして、今度は逆に尾に白斑のないシロハラがいるのか気になります。
 M輪さん、貴重な情報ありがとうございました。お礼申し上げます。

2011年3月19日 (土)

お詫びと訂正

 先日、「カラフトムシクイの謎」と題し、記事をアップいたしました。これは、一昨年6月北海道サロベツで録音したカラフトムシクイのさえずりと、先日東京郊外で録音したカラフトムシクイのさえずりが異なるばかりか、市販されているCDに収録されているものとも違うために、亜種による違いなのか、それもとも誤認かという主旨の内容でした。
 昨日、”花鳥茶屋”のA井さんからサロベツのものは「ハシブトガラに聞こえる」と言うご指摘とともに、私の音源とご自身で録音されたスペクトルグラムも添付していただきました。どちらもご指摘通り、パターンは一致するものでした。
 残念ながら私自身、ハシブトガラのさえずりを聞いたことがありませんので、市販のCDで傍証を試みました。蒲谷鶴彦先生の『野鳥大鑑鳴き声420』(2001)に収録されているハシブトガラとは異なりました。しかし、上田秀雄さんの『野鳥の声283』(1998)に収録されているハシブトガラのさえずりとは一致いたしました。私が、カラフトムシクイと教わって録音したものは、ハシブトガラということになります。
 まずはお詫びいたしまして、訂正いたします。なお、過去の記事の2010年7月 2日の「雨の中のカラフトムシクイ」は「雨の中の録音-加工と編集」書き換え、誤認であったことの注を書き添えました。2011年3月10日の「カラフトムシクイの謎」は、注を書き添えました。
 いずれにいたしましても、謎ではなく誤認。確認を怠った私のミスでした。汗顔のいたりです。A井さんのご指摘には、深く感謝いたします。重ねてお礼申し上げます。

2011年3月18日 (金)

ファーストインプレ-FostexのFR-2LE

 前から気になっていた録音機があります。FostexのFR-2LEです。マイク付きの小型軽量安価なメモリー録音機が多いなかで、多少大きく、多少重く、多少高い機種です。マイクは付いているとはいえ、基本的にはマイクを付けて録音する設計の録音機です。いわば、デンスケタイプのメモリー録音機です。これがあれば、お気に入りのマイクAT825Nを生かすことができます。このたび、ネットオークションにて安価で入手できました。おかげで大きくて重い録音ということになりました。

Fr2le

 しかし、手に持ってみると意外と軽いのに驚きました(カタログ値800g)。これならばウエストポートに入れて持ち歩けます。大きさは大きな弁当箱、いわゆるドカベンの感じです(206x57x132mm)。機能は、先発機種にかかわらず最新機種とそう変わりません。サンプリング周波数は16/24bit, 44.1/48/88.4/96kHz、バッテリーは単3×4本(何時間持つか不明)です。実際に手にしてみるとメーカーサイトには書いてなかったプレレック機能があり、ファイル名は時刻で分単位が付き、最大4Gのファイルまで録音できることがわかりました。今日、午前中に試しただけですので、これ以外の機能もあることでしょう。
 今日はじめて使った印象では、大きな液晶やスイッチ類のレイアウトなど、大きなだけに操作性は抜群です。何しろ小型の録音機にはない”録音をしている”という充実感を味わえることができます。いわば、コンパクトデジカメでフルオートで撮影しているのと、デジタル一眼でマニュアル撮影している違いを感じます。
 音は、マイク性能の影響も大きいかと思いますが、感度は十分で自然な音に聞こえます。今日、六義園で録音したシジュウカラのさえずりをアップしておきます。低音ノイズを軽減し、ボリュームを調整しているだけです。ノイズリダクションはかけていません。シジュウカラの声がシジュウカラに聞こえればOKです。

2011年3月17日 (木)

イヌの声で鳴くハシボソガラス

 今日、秋葉原に行ったら人通りは少なめでした。目的のトモカ電気の入っているラジオ会館は、地震の影響で立ち入り禁止。シャッターが下りていました。あの大きなヨドバシマルチメディア館ですら、電池、懐中電灯などは売り切れ。ところが、それ以外のものは相変わらずあふれんばかりにあります。街のマーケット、コンビニも同じです。無いものはどこにもありませんが、それ以外のものは普通にあるのですから不思議な感じがします。
 さてじつは地震の日の午前中、郊外のキガシラシトドのポイントに行っておりました。六義園の鳥仲間のK村さんから「キガシラシトドが鳴いている」という情報がありましたので、できたら録音、少なくとも声を聞きたいと思って出かけました。あわよくば一声でもキャッチできればと思いYAMAHAのW24をセットして置きぱなしにしの録音です。このおよそ1時間の音源をチェックしているときに地震に襲われたことになります。もし、昼頃から風が強くならなければ、そのまま頑張っていたことでしょう。現地で地震にあっていたら、何10kmと歩いて帰ってこなければならないところでした。いわば、録音モードであったがために助かったことになります。
 ところで当日、録音できたもののなかにこんな声がありました。PCM-D1で録音。わずかに低音ノイズを軽減し、フェードイン・フェードアウトをかけています。

 何でしょう。
 イヌの声に聞こえませんか。実は、ハシボソガラスなのです。以前、六義園で木の上からイヌの声が聞こえたので、不思議に思って見上げたらハシボソガラスがいたことがあります。そのときは録音できませんでしたが、記憶ではよく似ています。
 このシーズン、もうハシボソガラスは繁殖期に入っているはずです。川辺のヤナギの木などには巣がありますから巣ごもりしていてもおかしくないのですが、このハシボソガラスは1羽で行動していました。そして、このイヌの声で鳴き続けていました。ただ、この前後にはハシボソガラス本来の濁った声でちゃんと鳴いていましたので、普通の声も出せるのです。同じカラスの仲間で普段は濁った声で鳴くオナガやカケスも繁殖期には可愛い声を出すことがあります。このハシブトガラスもそうだったのでしょうか。それにしては、まわりに他のハシボソガラスはいませんでした。このイヌの声の意味は、何だったのでしょう。

2011年3月15日 (火)

Birder誌の特集は『鳥の声ナビ』

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 Birder誌4月号の特集は、野鳥の声についてです。「鳥の“声録”に挑戦!」ということで、私も登場しています。野鳥録音の方法と編集の方法の手ほどきを解説しています。ご興味をある方、ぜひお買い求めください。これで一人でも多くの方が、野鳥録音に志してもらえるとありがたいと思います。
 編集者のN村さんとは、3月号のムシクイ特集からのご縁です。このときに他の方が録音したムシクイの声を私が加工編集し聞きやすくしてあげたところ、その違いに驚いたことからの企画となったとのこと。野鳥録音は、録音するだけではなくて編集加工のノウハウもセットで普及していかなくてはならないことを痛感いたしました。
 なお、先日の記事「地震-本の雪崩が起きた」で本の雪崩でカオス状態の私の部屋を紹介いたしましたが、地震前の部屋の写真も掲載されています。改めて見ると、さほど変わりが無いか・・・。

  なお、Birder誌は、富士山マガジンサービスで電子書籍版を買うことができます。こちらでは“ちら見”ができます。私の記事もさわりをご覧いただけます。
  http://www.fujisan.co.jp/magazine/2066

2011年3月14日 (月)

謎の声は身近な鳥だった

 今日は、日本野鳥の会で新聞社の取材を受ける予定でした。しかし朝、電話があり中止。また、今週末に依頼されていたセミナーの講演も中止のメールが来ました。そして、夕方マーケットに行ってみたら棚が空っぽ。遠い東北地方の地震や津波のことと思っていましたが、だんだん身近になってきました。
 午前中、空いたので六義園のセンサス調査を行いました。急な連絡にもかかわらず、K藤さんとK久保さんも参加していただきました。野鳥は元気です。キンクロハジロの後ろ髪も長くなりました。シジュウカラのさえずりがさかんに聞こえ、ウグイスのさえずりも3カ所で聞かれました。ルリビタキがコゲラに追われるなど、鳥たちは春爛漫の感じです。そして、歩いていると暑いくらいになりました。ウグイスは鳴いたか、ツバメはまだかいなと言った日でした。
 ところで昨日、不明な声が気になりました。連続した節で間を開けて続けて鳴くものです。遠かったこともあり、確認することができませんでした。ひょっとするとムシクイ類かもという淡い期待をさせる声でした。ところが今日、同じ声が聞こえました。場所もほぼ同じところです。声をアップします。PCM-D1で録音、低音のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。

  今日は、近くて鳴いている姿もよく見えました。声の主は、なんとシジュウカラ、それも雄です。嘴が声といっしょに動くのを確認できたましたので間違いありません。ときどきシジュウカラらしい声がまじるので納得できると思います。状況は、シジュウカラ4羽が入り乱れての鳴き合いです。よく見ると、雄2羽雌2羽。2番のシジュウカラがなわばりを争って鳴きなっているようです。雄は胸を張り、胸の黒い部分をアピールしています。声は、その興奮したときに出していました。
 シジュウカラもヒヨドリもこの季節いろいろな声を出します。わからない声にどっきりさせられる季節、野鳥たちの声の季節の始まりです。

2011年3月13日 (日)

地震-六義園の蓬莱島が崩壊

 時間が経つとともに地震、そして津波の被害が甚大であることが伝わってきます。家の本棚の雪崩など軽微なもの、記事にするのもはばかれます。
 日光野鳥研究会のイベントを中止になったため、昨日今日と六義園へ行きました。六義園では、かなり古い建物や石塔、石灯籠などがあり、被害は多いと思いました。しかし、意外と軽微な被害ですみました。いちばん目に付いたのは蓬莱島の崩壊です。蓬莱島は、池の中程にある岩で作られた人工の島です。
 まず、2009年8月23日に撮影された元の姿です。江戸時代の絵地図にはありませんので近年、作られたと思われます。しかし、自然な雰囲気で池の風景のアクセントになっています。

Houraijima1

  今日の蓬莱島です。左側の岩が落ち、マツが傾いてしまいました。この後、マツは撤去されました。今後、新たにマツが植栽されるそうです。

Houraijima2
 このほか、藤代峠の頂上付近が崩れたため、立ち入り禁止になっています。
 地震によって、野鳥が減ったり増えたりすることがあるのか気になりましたが、冬縄張りを持って生活しているルリビタキ、シロハラ、アカハラ、アオジ、クロジなどはほとんど変わりありません。縄張りを守り始めたシジュウカラ、ハシブトガラスも定位置につきました。ウグイスは、今日はっきりとさえずりはじめました。キンクロハジロやハシビロガモの数も大きな変化はなく、鳥のようすを見る限り平常です。そして、私も含めた常連のバードウォッチャー、カメラマンの皆さんも地震が起きても、いつもの通りの顔ぶれ。地震の話題になれば、平和に野鳥を楽しめる幸せをかみしめていました。

2011年3月11日 (金)

地震-本の雪崩が起きた

 今日は、地震のネタ以外、考えられませんね。
 まずは、被災された方々にお見舞い申し上げます。皆様におかれましては、大事なきことをお祈りいたします。
 私は、地震のときは家の自分の部屋にいました。最初は、ゆっくりとした揺れで緊迫感はありませんでしたが、だんだん揺れが大きくなりモノが落ち始めました。最後には、本棚の本が雪崩を打って落ち始めパニックって来ました。コンピュータのモニターを押さえていたのですが、本棚が倒れたらやばいと思って居間の方へ移動。居間にあるスピーカーが倒れてしまったので、慌てて元に戻しまた倒れないように押さえていました。その間にも、私の部屋ではドシドシ、本が落ちていく音がします。正直、録音をしようなどという発想はおきませんでしたね。あとで考えれば、貴重な音が録れたことと思います。
 一段落して部屋に戻るとその惨状に唖然。本棚の上に置いてあった雑誌系がコンピュータに置いてある机に向かって雪崩となって崩れています。モニター用スピーカーは棚が壊れたので落ち、コードでかろうじてぶら下がっているのがわかります。

Jisin1

 左右にある本棚に上にあった雑誌や報告書が、交互に落ちたようで報告書の上に野鳥誌、その上に日本鳥学会誌、そしてBirder誌と断層となって折り重なっていました。

Jisin2

 現在、家の前の本郷通りは上り下りとの大渋滞で、ほとんど車が動いていません。下り方向に歩いて行く人の群れがとぎれません。このような風景は初めて見ました。
 今のところ、電気、ガス、水道、インターネットは生きています。ただし、マンションのエレベーターは停止、携帯電話はまったく通じません。
 いずれにいたしましても、カミさんともども怪我もなく無事でおりますので、ご安心ください。

2011年3月10日 (木)

カラフトムシクイの謎

 昨日、めでたくカラフトムシクイのさえずりを録音できましたが、あらたな課題が生じました。
 一昨年、北海道のサロベツで録音したカラフトムシクイとした声とかなり違うのです。  今、手元にあって聞くことのできる音源は、蒲谷鶴彦先生がカムチャッカで録音された『野鳥大鑑鳴き声420』、織田敏雄さんの『サハリンの鳥』、"SOVIET BIRD SONGS"、"Die VOGELSTMMEN Europas,Nordafrikas und Vorderasiens"です。いずれのカラフトムシクイも、複雑で変化に富んだ節回しで、多少の違いがありますがニュアンスは皆よく似ています。昨日、録音できたカラフトムシクイはこれらにくらべて比較的おとなしめで、まだ本格的なさえずりではないのかもしれません。
 しかし、サロベツのものは、単調な節で間を開けて鳴いています。まったく歌の構成が違うのです。他の音源の声紋を見ると複雑な節で鳴いているなかに、この単調な節の部分に似たところもあります。音の高さ、幅もほぼ同じです。ですから、まったく違うとも言い切れないのです。
 "WARBLERS OF EUROPE ASIA AND NORTH AFRICA"によると、カラフトムシクイは現在3つの亜種に分類されています。分布域から推測するに基亜種のPhylloscopus proregulus proregulusが、ユーラシアの東部に分布しているもので、CDに収録されているものや日本で記録されているものと思われます。この本には、他の亜種の声は違うように書いてあるのですが、アルファベット表記ではその違いが読み取れません。
 亜種の違いなのか、それとも誤認、誤認ならば何と間違えたのでしょうか。いずれにしても、今後の課題として残りました。一つ片付くと、また新たな謎が生まれてくるという楽しい連鎖です。

注:花鳥茶屋のA井さんより、私がサロベツで録音したカラフトムシクイとした音源は「ハシブトガラに聞こえる」とご指摘をいただきました。上田秀雄さんの「野鳥の声283」に収録されているハシブトガラの声とも一致いたしました。謎は、解明されました。A井さん、重ねてお礼申し上げます。

2011年3月 9日 (水)

シャッターの嵐の中で録音できるか-カラフトムシクイ

 山階鳥類研究所のH岡さんから、カラフトムシクイがさえずっているので録音してみたはという情報をいただきました。とはいえ、情報が出回っているため数10人のカメラマンがいるとのこと。行くのをためらいましたが、これも経験と本日、行ってみました。
 案の定、現地に着くと20人ほどの人がいました。皆、キョロキョロしているので鳥は出ていないようです。待つこと2時間半、さかんにシャッターを押す人がいて、カラフトムシクイの出現です。
 カラフトムシクイは、木の上の方を鳴きながら移動していきます。それを「あっちに行った、こっちに来た」と、ぞろぞろと追いかけてはシャッターの嵐です。この状態で録音することが可能なのか、実験には最高の状態となりました。そのときの録音がこれです。カラフトムシクイとの距離は約10m、空抜きです。録音機はPCM-D1、全体にボリュームを上げ、フェードイン、フェードアウトをかけているだけです。

  シャッターの音の間にカラフトムシクイのさえずりが聞こえます。これでもシャッター音の少ない部分です。この他、車の音、ヘリコプターが飛ぶなど、他の騒音もにぎやかです。
 同じ付近を、加工してみました。それがこの音。いかがでしょうか。

 まず、カラフトムシクイのよくさえずっているところや雰囲気を醸し出しているニワトリの声を残し、人声、シャッター音、人の移動していく音などをカット、3000Hz以下の低音の軽減、さらに500Hzの軽減してノイズリダクションをかけました。これに、YAMAHAのW24で録音した環境音をミックスダウンしています。
 いかがでしょうか。鳴いてくれれば、なんとかなるというのが今日の教訓でした。H岡さん、おかげさまで録音できました。ありがとうございました。

2011年3月 8日 (火)

尾の両側が白いアカハラ

 一昨日の小石川植物園での観察会で、アカハラを見つけました。ところが、飛び立ってその先の木にとまる時に尾の両側に白い部分が見えたのです。尾の両側が白い以上シロハラです。最初、確かにお腹のレンガ色が見えたので「アカハラがいます」と言ってしまったのですが、尾の両側の白が見えた以上、誤認と思い「すみません。シロハラでした」と訂正いたしました。日陰の灌木の中とはいえ白とレンガ色のお腹を見誤ることがあるのか、私もとうとう焼きがまわって来たのか思い、しっくりしませんでした。
 この日、このほかにもトラツグミやルリビタキがいて写真が撮れそうだったので、本日もう一度たずねました。平日の園内は、空いていて貸し切り状態です。ホンセイインコやウメに来るメジロを撮っていると、昨日とほぼ同じエリアでアカハラに出会いました。ところがこのアカハラ、飛び立って舞い降りるときに尾の両側に白い部分が出るのです。なんと一昨日、シロハラと間違ったと思ったのは間違い。アカハラで良かったです。これでしっくりしましたが、そんな個体がいるのですね。
 このアカハラの尾の白い部分が出たところを写真に撮ろうとしました。しかし、この特徴は舞い降りるときにブレーキをかけるために尾を広げた時に出るのです。飛び立つ時は、写せてもその先を追って舞い降りるチャンスに写真を撮るというのは、なかなか難しく私の技術では無理。とまっている時、後ろから見ると尾の左右と先の色の淡いのはわかります。

Brownheadedthrush1

 飛んでも、尾を広げない限り両側の白は見えませんでした。これでも、広がるとシロハラと同じように白い部分が出現します。

Brownheadedthrush2

 ところで、夏の日光で林道を車で走っている時に目の前のよぎって藪に入った鳥が、ツグミ大で尾の両側が白かったことがあります。日光にはアカハラは多いのですが、夏にシロハラもいるのかと色めき立ちましたが、見えたのは一瞬のこと、それも車の中からなので確認できないままでいます。もしかしたら、アカハラの尾の両側が白いタイプだったのかもしれません。このようなタイプは、どのくらいの割合でいるのでしょう

2011年3月 7日 (月)

広重はスカイツリーからの展望を描いていた!

 このところ、スカイツリーの話題がよく取り上げられています。先週は、歌川国芳の浮世絵にスカイツリーが描かれているというネタが紹介されていました。下記URLが新聞記事です。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110304-00000029-maiall-soci
  ミステリーとして取り上げられています。しかし、当然のことながらスカイツリーより低いし、隣の火の見櫓から推測してもせいぜい30mほどしかありません。すかすかの構造物なのですから、スカイツリーとするのはどうみても無理があります。また、左手の橋は永代橋ですから位置的にも隅田川の下流となります。
 ところで昨日、スカイツリーの展望台が報道陣に公開され、今朝は各局その映像を流しています。この映像を見て、先日買い求めた広重の『東都名所隅田川全図雪中景』によく似ていることに驚きました。隅田川が右から左に流れ、その両岸の画角がよく似ています。もう一度、写真をアップしておきます。

Ukiyoe1

 正確には、この絵の視点はスカイツリーの展望台よりやや北、隅田川の上流にあります。高さ的には、地上300mより低い印象もあります。しかし、今日流された隅田川方向の風景の視野と雰囲気がそっくりです。
 万が一「広重のミステリー-江戸時代にスカイツリーがあった」や「広重は予言者だった!」「浮世絵はオーパーツだ!」なんて記事が出る前に書いておきます。
 そもそも江戸時代、高い構造物や航空機がないなかで、このような高空からの視点で描くことができた不思議があります。しかし、『江戸名所図会』や『東都歳時記』には、高い位置からの構図はたくさんあります。これは江戸時代に確立した技法のようで、地面を歩いて取材した材料から視点を高空に持って行って描くのでしょう。絵心のある人ならば、一方向から見た材料からあらゆる視点から描くことができるのと同じこと。さほど不思議ではありません。ですから、これからもスカイツリーはもとより東京タワーなどから見たように描かれた絵はいくらでも見つかると思います。
 今日の東京は現在、雪が降っています。スカイツリーの展望は、広重の描いた浮世絵と同じ風景が広がっていることでしょう。

2011年3月 6日 (日)

観察会と評議員会

 今日の午前中は、小石川植物園で小石川後楽園庭園保存会の方々にバードウォッチングの指導。午後は、財団法人日本野鳥の会の評議員会で議長。濃厚なスギ花粉のなかで一日中、しゃべっていたようなものなので喉が痛くなりました。申し訳なかったのですが懇親会はパスいたしました。
 小石川植物園では、はじめにM田園長から植物園の施設や歴史のお話がありました。あの巨大植物・ショクダイオオコンニャクの開花騒動のときにテレビによく登場されていた方です。特別に温室内に立ち入らせていただき、現在のショクダイオオコンニャクも見せていただきました。
 その後を私が引き継いでバードウォッチング。ハシブトガラスの巣もあるしネグラでもあるのでカラスネタだけでも行けそうですが、トラツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキなどが次々に出てくれたので、ネタで困ることはありませんでした。何よりも皆さん、好奇心旺盛で、次から次に鳥に関する質問攻めに会いました。おかげで、途切れること無く話しができて楽しい観察会となりました。
 日本野鳥の会の評議員は、終わったのではと以前の記事「多忙な日」をご記憶の方は思われるでしょう。そうなんです。実は、昨年5月の評議員会では、これで最後だから言い残すことの無いようにと議論をうながし、その後の懇親会もご苦労さん会で、おおいに盛り上がりました。しかし、新制度への移行のタイミングで再度、評議員会の開催となりました。もうお別れかと思った全国の評議員の方々にまた会えて同窓会のようなムードでしたが、支部名称問題など議論すべきところは議論できたと思います。
 これから新制度へ移行することで、日本野鳥の会がどう発展して行けるのか、行くのか、興味のあるところです。私自身、これでお役目ごめんとなりましたが、野鳥関係の最大の団体として、あるいは唯一の全国組織としての役割を果たしていくのか見守っていけたらと思います。

2011年3月 5日 (土)

コゲラの春-頭の赤い羽毛

 今日、六義園に入ったとたん、2羽のコゲラが出迎えてくれました。
 1羽は「ギーギー、キョキョキョ」と鳴いて目の前のケヤキの枝先でさかんに何かついばんでいます。よく見ると、頭の羽毛を逆立ててします。そして、その隙間からかすかに赤い羽毛が見えました。

Pygmywoodpeckerredhead
 雄のコゲラです。この赤い羽毛を見たのは、数えるほどしかありません。記憶では3回目、滅多にないチャンスです。
 どうやらこの2羽は番のようです。雄のこの赤い羽毛の意味は、おそらく雌に見せるためのものだと思います。「キョキョキョ」は、おもに春に聞かれる声ですから、これも繁殖に関わるアピールだと思います。コゲラが春を迎え、繁殖の準備を言ったところでしょう。
 コゲラは、赤い羽毛を見せる、「キョキョキョ」と鳴く、ドラミングと、繁殖期にはさまざまなアピールをしていることになります。それぞれの意味は、どのように違うのが知りたいところです。

2011年3月 3日 (木)

ムクドリのごちそう-トカゲを食べる

 子供の時から、3月3日のひな祭りは天気が悪い思い出しかありません。本来ならば旧暦でおよそ1ヶ月後、江戸ならばちょうど花が咲き乱れ新緑がまぶしい季節となっているはずの行事です。
 今日も寒いうえに風が強く、子供の頃に記憶していた天気となりました。K久保さんと郊外の河原へ。例の珍鳥2種と眉のないエナガが目的です。風が強いので、録音モードから撮影モードに切り替えてのバードウォッチングです。しかし、寒い。川辺は風が通るのでなおさらです。ただ、日差しはまぶしく風がなければ暖かそうではあります。
 珍鳥ポイントには、あいかわらず2,30人の人がいます。遠くから見ると、寒風のなか押しくらまんじゅうでもしているかのように人が固まっていました。
 近くの土手の斜面では、ムクドリの小群がいました。そのうちの1羽が、懸命に何かをつついています。見つけたK久保さんが「トカゲを食べている」と教えてくれました。見ると、身体の長さがムクドリと同じくらいもあるトカゲをつついています。つつかれ続けるトカゲは、のたうち回っています。私が近づいたので、ムクドリはトカゲをくわえて飛び、5mほど先に降りました。このころになるとトカゲは、動くことはなくぐったりとしています。
 ムクドリの食事は、細いくちばしでついばむことができる小さな虫や木の実です。この大物をどうやって食べるのか、興味のあるところです。私は、つついてばらばらにして、ついばんで食べると思ったのです。しかし、いくらつついても脚で押さえつけられないので、ちぎることはできません。
 ちょっと目を離したすきに、ムクドリはトカゲを丸呑みにしました。
 それがその写真。口からトカゲの尾が出ているのがわかります。まるで、キツツキの仲間の長い舌のように見えます。

Whitecheekedstarlingtokage_2

  食べ終わったムクドリは、トカゲの重さで高く飛ぶことができないのか、低く飛んで行きました。

2011年3月 2日 (水)

『朝の小鳥』4月分収録-難題のツバメのさえずり

 今日は、文化放送にて4月分『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
  4月の放送内容は、春の街と里山の鳥です。ツバメ、カワラヒワ、ヒガラ、コサメビタキです。じつは、野鳥録音をしていて感じるのは身近な鳥の声の録音が難しいことです。身近な鳥でもキジバトやヒヨドリは山にでもいますから、静かなところで録音できます。
 しかし、今回取り上げたツバメはもっとも録音の難しい鳥と言えるでしょう。身近にたくさんいるツバメがどうして難しいのかというと、身近すぎて人工音が多くて録音しづらいです。だいたい、表通りの人通り車通りの多い場所で巣作りをして、その周辺でさえずるのですから騒音に紛れてしまいます。その上、基本的にはサブコロニーで繁殖するので、さえずる頻度は少ないのです。さらに、さえずるのは渡ってきたばかりの頃で、しばらくするとあまり鳴かなってしまいます。
 また、人の近くで繁殖するので警戒心が薄いと思って近づくと、警戒の「チュッピ」としか鳴いてくれず、「土食って泥食って渋ーい」という聞きなしどおりの声はなかなか録れないのです。
 コツは、とにかく静かなところで巣作りをしているツバメを見つけること。裏通りや大きな倉庫のようなところにあれば理想的です。そして、やはり早朝に出向くということにつきます。そして、ソングポイントを見つけて、その下に置いておき録音するという方法をとりました。さらに加えるならば、早朝から街角にじっと立っていて不信に思われないようにする工夫も必要です。
 早ければ、そろそろツバメの渡ってくるところもあるでしょう。この難しいツバメの声の録音にチャレンジしてみてください。
  なお、4月の放送内容は下記の通りです。
4月 3日 ツバメ
    10日  カワラヒワ
    17日  ヒガラ
    24日  コサメビタキ

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