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2011年3月10日 (木)

カラフトムシクイの謎

 昨日、めでたくカラフトムシクイのさえずりを録音できましたが、あらたな課題が生じました。
 一昨年、北海道のサロベツで録音したカラフトムシクイとした声とかなり違うのです。  今、手元にあって聞くことのできる音源は、蒲谷鶴彦先生がカムチャッカで録音された『野鳥大鑑鳴き声420』、織田敏雄さんの『サハリンの鳥』、"SOVIET BIRD SONGS"、"Die VOGELSTMMEN Europas,Nordafrikas und Vorderasiens"です。いずれのカラフトムシクイも、複雑で変化に富んだ節回しで、多少の違いがありますがニュアンスは皆よく似ています。昨日、録音できたカラフトムシクイはこれらにくらべて比較的おとなしめで、まだ本格的なさえずりではないのかもしれません。
 しかし、サロベツのものは、単調な節で間を開けて鳴いています。まったく歌の構成が違うのです。他の音源の声紋を見ると複雑な節で鳴いているなかに、この単調な節の部分に似たところもあります。音の高さ、幅もほぼ同じです。ですから、まったく違うとも言い切れないのです。
 "WARBLERS OF EUROPE ASIA AND NORTH AFRICA"によると、カラフトムシクイは現在3つの亜種に分類されています。分布域から推測するに基亜種のPhylloscopus proregulus proregulusが、ユーラシアの東部に分布しているもので、CDに収録されているものや日本で記録されているものと思われます。この本には、他の亜種の声は違うように書いてあるのですが、アルファベット表記ではその違いが読み取れません。
 亜種の違いなのか、それとも誤認、誤認ならば何と間違えたのでしょうか。いずれにしても、今後の課題として残りました。一つ片付くと、また新たな謎が生まれてくるという楽しい連鎖です。

注:花鳥茶屋のA井さんより、私がサロベツで録音したカラフトムシクイとした音源は「ハシブトガラに聞こえる」とご指摘をいただきました。上田秀雄さんの「野鳥の声283」に収録されているハシブトガラの声とも一致いたしました。謎は、解明されました。A井さん、重ねてお礼申し上げます。

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コメント

初めてコメントさせていただきます。あしだちの会会員の「つな」と申します。このブログを見つけて会員に宣伝して回っています。鳥好き自然好きには痒いところに手が届く!最高におもしろいブログで毎日楽しみに拝見しております。
さて私も6日午後、カラフトムシクイを見に行きました。恥ずかしながらさえずりには気がつきませんでした。カメラマンを翻弄するする姿は実に愉快でした。私は見るだけなので思ったより太くはっきりしていた頭央線が新鮮でした。
録音された音はどれもすてきです。写真では味わえない臨場感をお茶の間で味わえます。
またコメントさせてくださいね。

つな様
 あしだちの会には、いつもお邪魔させていただきありがとうございます。このところ、来訪者が増えたと思ったら貴会の方々がおいでいただいているのですね。
 たしかにカラフトムシクイは、カメラマンを翻弄しますね。小生意気な少女がオジさんを手玉にとっているという感じです。さえずっているのですから実際は雄ですが、そんな印象を与える鳥です。
 これからもよろしくお願いいたします。

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