昨日に引き続きイカル・ネタです。
JR上野駅の3、4番線ホームにイカルがいるのはご存じでしょうか。山手線外回り、京浜東北線南行きのホームで、御徒町駅寄りの真ん中にいます。ホームの売店だったシャッターに描かれたイカルです。
おそらくこの絵を見て多くの人は、イカルだとわかる方は少ないでしょう。いいところブンチョウが描かれていると思っているのではないでしょうか。以前はおもな駅にある売店のシャッターなどにイカルが描かれていました。私が知る限り、この上野駅の3、4番線ホームに残るだけとなってしまいました。
では、なぜイカルが描かれているのか。ヒントは、駅の売店の別名のキヨスクです。鉄道弘済会の売店をキヨスクと言うようになってのは1970年代でしょうか。キヨスクと言うようになって、しばらくしてイカルの絵が描かれるようになりました。
実は、キヨスクにイカルが描かれているのが気になって鉄道弘済会に電話をかけた方がいます。日本野鳥の会東京支部(当時)の事務局にいたT橋さんです。T橋さんによると、電話に出た担当者から「イカルが『キヨスク』と鳴くため」だと教えられましたというのです。たしかに言われてみると、イカルのさえずりのなかにありそうな節です。新たな”聞きなし”だと、T橋さんと盛り上がったことがあります。
しかし、昨日の記事に書いたようにイカルは地方によって鳴き方が違います。たとえば、栃木県日光のイカルです。
「Grosbeak-nikko.mp3」をダウンロード
こちらは、長野県軽井沢のイカルです。
「Grosbeak-karuizawa.mp3」をダウンロード
昨日の六義園で録音したイカルも聞いてください。
いずれも、音色は似ていますが、節が違うことにおわかりいただけると思います。そして、いずれも「キヨスク」には、やや無理があります。ただこれだけ鳴き方が違うのですから、日本のどこかに「キヨスク」と鳴くイカルがいるのかもしれません。
いずれにしても鉄道弘済会の会議の場で、キヨスクと鳴く鳥がいる、それはイカルという鳥、イカルの絵をシンボルにと話し合いがなされたはずです。提案した方は、バードウォッチャーだったに違いないと思います。
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