オオコノハズクの足指の毛
たびたびオオコノハズク・ネタで恐縮です。
亜種オオコノハズクと亜種リュウキュウオオコノハズクの違いは、足指まで毛が生えているかいないかと言われています。亜種オオコノハズクには毛があり、亜種リュウキュウオオコノハズクにはないのが区別のポイントとなっています。
オオコノハズクの元記載は、シーボルトのファウナ・ヤポニカです。この図鑑に描かれているオオコノハズクには、足指に毛があるように見えます。
足指の毛の記述は、三大図鑑にすべて共通して記載されています。剥製に接することの多かった黒田長禮、山階芳麿、清棲幸保の3巨頭の記述ですから、信頼できます。なお、亜種オオコノハズクとコノハズクと違いもこの足指の毛の有無がありおます。コノハズクには毛がありません。
このあたりを確認しようと数ある写真図鑑を見たり画像検索をして探しても、なかなか足指までちゃんと写っている写真がありません。
そのなかで、手元にある図鑑のうち『山渓カラー名鑑・日本の野鳥』(1985)のオオコノハズクの写真は、足指に毛が生えているのがかろじてわかります。白いビロードのような毛に覆われています。シーボルト図鑑に描かれているのとよく似ています。この写真の撮影地は北海道江別です。
しかし、『日本の鳥550・山野の鳥』(2000)の写真は3枚あり、この内2枚は足指が写っているのですが、どう見ても毛がないのです。ですから、足指の鱗一枚一枚がわかります。また、白く見えず褐色系の色に見えます。こちらの撮影地は、長崎県対馬と新潟県福島潟となっています。いずれも、もう一つの識別ポイントである虹彩の色は赤みがありオレンジ色に見えますから、オオコノハズクであることは間違いないと思います。しかし、足指の毛があるようには見えないのです。これって知らなかったのは私だけでしょうかという不安を感じながらの記事です。
こうなると、八丈島のオオコノハズクや三宅島のオオコノハズクの足指の毛の有無が気になります。
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