夏鳥がまだ来ない
六義園を歩いて鳥仲間に会うと「まだですね」が挨拶になってしまいました。”まだ”というのは、夏鳥がまだ来ないということです。いつもならば、センダイムシクイなどの夏鳥の声が聞こえて姿が見えても良い頃だからです。
だいたい夏鳥はまず4月中旬にセンダイムシクイ、下旬にオオルリ、5月上旬にキビタキ、そして、サンコウチョウやメボソムシクイなどの夏鳥ラッシュを迎え、ツツドリなどのホトトギスの仲間が遅れて渡っていきます。この間に、アカハラが増えてさえずりが聞かれたりもします。
都会のコンクリートジャングルの中に緑の島のようにある六義園は、日本海に浮かぶ離島のように渡り鳥が翼を休めていくのです。そのため、六義園の常連のバードウォッチャーにとって、今頃が一年中でいちばん楽しい季節となります。
しかし今年、六義園で会った夏鳥はツバメだけ。ツバメの渡来は、ほぼ例年どおりでしたが、森林性の鳥たちの渡来は遅れているようです。少なくとも例年であれば、今日あたりセンダイムシクイとオオルリが現れても良いのです。
ここ1週間は、月が満月に近い日が続いています。本当ならば、猛禽類をさけて夜に渡る小鳥たちにとって都合の良い条件のはずです。ですから、過去の記録を見るとこの時期に多くの夏鳥たちに会っているのだと思います。
しかし、月の条件は良いものの、このところの寒さと天候の悪さが影響しているようです。数日前までの強い風は渡りをする小鳥にとっては渡りを躊躇させるものなのでしょう。そして、寒いですね。森林性の小鳥の多くは、昆虫食です。寒さで虫の活動が阻害されれば、旅の途中でのエネルギー補給に苦労して遅れているのではないかと想像しています。
まさか、原発事故による放射能を察知して渡ってこないと言うことはないでしょうね。
« メボソムシクイ3亜種は別種 | トップページ | 六義園でイカルのさえずり »
「観察記録」カテゴリの記事
- 日だまりの印旛沼で(2025.02.03)
- 新年おめでとうございます(2025.01.11)
- 戦場ヶ原に冬が来ました(2024.12.28)
- 伊豆沼のガン(2024.12.10)
- 冬のルリビタキ(2024.11.26)
「徒然」カテゴリの記事
- Syrinx本編を終了いたしますー予告(2023.08.17)
- 大浜清さん・追悼(2023.06.26)
- ブログを休載いたします(2023.06.05)
- 迷彩のジャマーが欲しい(2023.05.29)
- 細尾菜を食べる-日光(2023.05.15)
六義園に夏鳥が来ていないというのはちょっとびっくりですね。今年は日光でもサクラの開花が遅れていて、例年ならば4/10頃には開花する庭のチョウジザクラがまだ一分咲きといったところです。最近寒い日が続いているので余計遅いのかもしれません。
でも六義園ではイカルの声が聞こえたようで少しずつ増えていくことでしょうね。
この記事を見て不思議に思っていたところ、22日の朝、近くでセンダイムシクイ、コサメビタキの囀りを初めて聞きました。六義園を飛び越して来たわけではないでしょうけれど、日光でも着実に夏鳥が渡ってきているようです。
忙しい季節になりますね。
投稿: こっこ | 2011年4月23日 (土) 21時16分
こけこっこ様
日光には、センダイムシクイもコサメビタキも到着したようで安心いたしました。
日光は目的地ですからよく見聞きできるとだと思います。六義園は、通過地ですから数が多くないと出会うことができないのだと思います。ですから、まだ本格的な渡りでない、あるいは本隊はこれから来るということではないでしょうか。
連休は、野宿ですか。できたらお邪魔したいです。
投稿: まつ | 2011年4月23日 (土) 21時21分