落ちたカラスの巣
早くも六義園の夏鳥の渡来は、一段落。ということで、今日はハシブトガラスの巣の調査をしました。隣接する児童公園のものを含めて今日現在21個の巣がありました。多い年で24個、少ないと15個ですから、今年は多いほうです。
今までも12年間調査を続け、毎年平均17~18個、合計約200個の巣を見てきましたが、今年初めてのことがありました。それは、巣の落下です。それも2個も。過去にも明らかに作りかけのもので下から覗くと透けて見えるような巣が消失することはありました。しかし、抱卵を確認している上に産座がある完成した巣が丸ごと落ちてしまったのは、はじめてです。写真は、落ちていた産座の部分です。
巣が落ちたのは、5月1日頃。このところ、たいへん風の強い日が続いていたのをお気づきでしょうか。私が北海道から帰ってくる時も飛行機がとても揺れ、怖いぐらいでした。とにかく、この数日の強風は恐怖を伴うものでした。
この強風のおかげでカラスの巣も落ちてしまったことになります。面白いのは、落ちた巣が作られていたのは樹種はどちらもクスノキでした。それも高いクスノキです。我が家は7階なので、風で木が揺れるのがよく見えます。風のなかでクスノキの梢は、左右に数mは揺れています。揺れるというより振り回されていると言ったほうが適切でしょう。これでは、カラスの巣も落下してしまいます。
クスノキに対し、スダジイやアカマツに作られた巣は落ちていません。クスノキはしなやかに揺れています。このしなやかさの揺れが、堅固に組み合わされたカラスの巣を壊してしまうのでしょう。
地震を柔構造で破壊を免れる耐震方法がありますが、クスノキのしなやかさはしなやかすぎたようです。
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