シマフクロウ作戦・実施中
日本野鳥の会では、シマフクロウの保護のために生息地の買い上げなどの活動をしています。シマフクロウは、日本では130羽ほどにまで減少してしまった絶滅が危ぶまれている大型のフクロウです。
http://www.wbsj.org/nature/kisyou/kb/
今、このシマフクロウの生息状況の把握ために録音機を使った作戦が実施されています。これは、YAMAHAのPOCKETRAK CXでタイマー録音してシマフクロウの鳴き声を捕らえて生息を確認しようというものです。シマフクロウの声は、静かなところであれば1kmは届きます。たとえば、1km置きに10台置いておけば10kmにわたって生息の確認ができることになります。そのため、YAMAHAから10台のCXを提供してもらい今、北海道の東部に設置しています。私は、設定の方法など簡単なアドバイスをいたしましたが、送られてきた写真は、なんとCXが雪の中に突き刺してあります。右の写真のようにジップロックでくるみ、左の写真のようにマイク部分だけを出して本体は雪のなかです。
雪の上に置いて風に吹かれて温度が下がるより、雪の中の方が暖かいだろうという調査員の判断です。しかし、この写真を見たYAMAHAの担当者は、一瞬言葉がありませんでした。私もびっくりしたくらいですから、かなりのショックのごようす。しかし、担当者の心配をよそにCXは、ちゃんと稼働し何度かはシマフクロウの声を捕らえています。
ただ、現地で注意したことは、雪のなかに入れて冷えた録音機をすぐに自動車に中に入れないことです。寒さには強くても、寒いところから急に暖かいところへ持って行くと結露してしまいます。基盤はもとよりマイクの振動板が結露してしまうと、致命的な障害が起きるかもしれません。そのため、現場ではクーラーボックスに入れてから車内に持ち込むようにしたとのことでした。
現在進行中の作戦ですので、どのような結果が得られるか未知数です。しかし、録音機の活躍によってシマフクロウの保護に役立つということになれば画期的なこと、今後が楽しみです。
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この記述は驚きました。保護活動のためなら手段を選ばないということなのかなぁ。素人がやりそうなことです。こういう「苛酷な環境にも耐えました」という自慢になるのでしょうか。物を大切にできないような連中が、所詮自然保護など出来るわけがありません。YAMAHAも無能です。何に使うかくらいは聞いていたのでしょうから、型落ちとはいえ寒冷地対策をしたプロトでも提供できていたら、後に成果が生まれた際に必ずや知名度が上がるでしょうに。これが野鳥録音というものなりでしょうか。
投稿: maja | 2011年6月 8日 (水) 06時52分
maja様
なるほどmaja様のような見方もあるのだなあと、私もショックでした。
機材かシマフクロウとどちらが重要かというと鳥になってしまうのは、いたしかたないと思っています。本当ならば、シマフクロウのいそうなところに調査員を何人も配し調査するのが良いのでしょう。しかし、人もお金もないなかで保護活動を行わなくてはならないための機材の活用です。今年は、とくに3.11震災対応に職員が追われ、そのようななかで早急にシマフクロウの現状を把握し保護活動をしなくてはならないという現実もありました。機材を有効利用してこそ、機材も生きてくるのだと思います。また、記事にもありますように機材を消耗品として扱うのではなく結露しないように素人なりに配慮したことは評価されないのでしょうか。
ただ「YAMAHAも無能」は、言い過ぎだと思います。彼らは音と機材の専門家ですが、鳥の専門家ではありませんので、それは無理です。もし攻めるのであれば、野鳥の調査とはどういうものか、野鳥録音とはどんなものか、説明不足であった私や調査担当者でしょう。また、記事が自慢していように読み取れるのであれば、拙文をお詫びいたします。
私としては、さまざまな取り組みによりシマフクロウを守り北海道の森林の保全が進めばと思っています。この調査は、そのなかのごく一部です。このことから、シマフクロウの保護を否定されないことを望みます。
いずれにしても、maja様のようなご意見があることは日本野鳥の会の担当者に伝えますし、今後の調査方法の参考にさせていただきます。
投稿: まつ | 2011年6月 8日 (水) 08時43分