聞こえない低い音(フクロウ)と高い音(エゾライチョウ)
北海道オンネトーの野鳥たちの声が耳について離れません。まだ、興奮冷めやらぬ状態です。
ところで、案内していただいたH田さんは私より多少年上です。同行したK久保さんは、私たちより多少年下。ところが年の差とは関係なく、聞こえる音と聞こえない音があることわかりました。若いK久保さんは、低い音が聞こえないのです。いちばん顕著だったのはフクロウ(亜種エゾフクロウ)の声です。今回、一晩置いておいたPCM-D50に入っていたフクロウをアップしておきます。ボリュームをかなり増幅し、ノイズリダクションをかけています。うしろでトラツグミが鳴いています。
私たちが聞いた時は、山を一つは超えたであろうほど遠くで鳴いていました。それでも「ホ、ホ、ホ」という笑え声のような声や「五郎助奉公」というさえずりは、はっきりと聞こえました。私とH田さんには聞こえたのですが、K久保さんは「聞こえない」と言うのです。フクロウの声と声の間は、30秒前後あります。その間、耳を澄ましているのはかなり苦労します。「五郎助」で「鳴いた!」と言えば次の「奉公」にかぶってしまいますから聞き逃します。そこで「五郎助」のところで肩を叩くから耳を澄ませて「奉公」の部分を聞いてもらうことにしました。しかし、それでも聞こえません。フクロウの声は、250~550Hzと低い声。遠くで鳴くと人によっては聞こえない音なのです。
このK久保さんの名誉が回復したのは、エゾライチョウです。車で移動中、エゾライチョウが道を横切りました。雄が鳴くかもしれないと待っていると、K久保さんが鳴いていると言うのです。今度は、私とH田さんには聞こえません。
そのときのエゾライチョウの声をアップしておきます。PCM-D1で録音、ボリューム調整、ノイズリダクションをかけています。
「HazelGrouse11042612.mp3」をダウンロード
「ピィーイ、ピッピッピ」という声です。2回鳴いています。後ろではゴジュウカラやカラ類もにぎやかですから、注意してお聞きください。エゾライチョウの声は、8000Hz付近にあります。高い鳥の声の代表ヤブサメとほぼ同じ。この高さになると、もう還暦を過ぎたバードウォッチャーには聞こえません。「鳴いた!」と言われるとその声が入ってしまうので、鳴いたらK久保さんに手を上げてもらうことにしました。おかげで録音することができましたが、手を上げた時の「ガサッ」という音が入ってしまいました。
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