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2011年7月12日 (火)

ふすま絵に描かれた鳥-林泉寺

 去年の5月、埼玉県越谷市にある林泉寺さんから「本堂の天井に描かれた鳥が何であるか鑑定して欲しい」と依頼されました。その報告を「天井絵に描かれた鳥たち」として記事にしました。
 去年の暮れ「今度はふすま絵が出てきたので、これも鑑定して欲しい」と頼まれていました。ところが、暮れから正月、そして大震災と気ぜわしい日が続き、行きそびれておりました。今日、やっとおたずねすることができました。
 ほぼ1年ぶりの林泉寺、緑の絨毯となった水田に囲まれ、真夏の青空と白い雲を背景に静かにたたずんでいます。なんだか、夏休みに故郷に帰った感じでお邪魔いたしました。
 ふすま絵は、全部で10枚近くあるのですが、何が描かれているのかわかるのはわずかに3枚。どうも掃除をされたために絵の具が取れてしまったようです。タッチや木の材質は天井絵と同じですから、おそらく同時代、江戸時代初期のものでしょう。天井絵もかなりすすけていますが、掃除はできなかったために残ったことになります。ふすま絵のほうは、なんとももったいないことをしたものです。
 とこで2枚は唐獅子、鳥のほうは白いキジのようなスタイルからハッカンではないかと思いました。写真をアップしておきます。

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コメント

昨日は、お忙しい中、林泉寺まで足をお運びいただき、御礼申し上げます。ご案内担当のなこ です。
 ふすま絵の鳥「ハッカン」という名を初めて知りました。尾の長い、きれいなキジですね。見ていただき、ありがとうございました。
 江戸初期の頃、珍しい、美しい鳥を外国から輸入し、見て楽しむということが行われていたのでしょうか。将軍や、大名は、現在のお金持ちよりも、ずっと大きな力を公使していたのでしょうか。
 江戸初期の頃、どんな時代だったのだろうかと、想像がふくらみます。
 

なこ様
 こちらこそ、お世話になりました。
 また、目の保養をさせていただきました。貴重な文化を守るというのは、簡単ではありませんね。どうぞ、大切になさってくださいね。

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