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2011年7月16日 (土)

イワヒバリを求めて-千畳敷

 以前から懸案なのがイワヒバリです。冬には何度も見ているのですが、繁殖期のイワヒバリを見たりさえずりを録音したことがありません。ここ数年は、栃木県那須岳に通っているのですが会えずじまいです。そのため、イワヒバリの音源が必要な時はイワヒバリ研究の第一人者中村雅彦先生から借りています。毎度、先生の手を煩わせるのは恐縮なので、なんとか今年はものにしたいと思っていました。
 今年、録音地として候補に挙げたのは、立山、乗鞍、千畳敷です。いずれも、バスやロープウエイで手軽に行ける高山帯です。山男の義弟によると、どこも人が多い、登山者は朝早いから夜明け前から人が歩いている、お花畑があるところはコース以外歩けないから鳥がいても近づけない、だからイワヒバリの録音は難しいだろうとのこと。そこで、しぼったのが千畳敷です。千畳敷にはホテルが一軒あるだけです。部屋は16室。ロープウエイの始発は午前8時、それまで最悪でも数10人の人間が朝歩いているかも知れませんが、広い千畳敷ですから人を避けられそうです。また、探索コースがあるうえに比較的なだらか道です。ということで、ホテルに予約を入れると希望日は満室、空いているのは14日だけでした。
 いっきに標高2,600m。どんなに涼しいかと思ったら、暑いのです。日向は、猛烈な暑さと日差しで、身体がどんどんひからびていくがわかるほどです。ただ、朝夕は涼しいです。夜明け前は、寒いくらいで厚手のパジャマ、羽毛のインナー、レインコートと持って行ったもの全部を着込みました。
 おかげさまで、高山帯の自然を堪能することができました。広がる高山植物のお花畑、道端に咲いたクロユリ、いちめんに咲いたシナノキンバイの黄色い花、そしてルリビタキやビンズイのさえずりが絶えず聞こえ、ときおりカヤクグリが飛び交います。空はあくまでも青く、高山にしてはほぼ無風、録音には最高の季節に来て、最適の条件となりました。しかし、なんと肝心のイワヒバリはいないのです。朝夕はとても静かですから、かなり遠くで鳴いても聞こえるはずです。大きめの鳥ですから、飛べば見えるはずです。
 ホテルの支配人に聞いたら「いつもホテルのまわりで遊んでいる」、自然ガイドの人がいたので、これもおたずねしたら「いつも、このあたりにいるけど今日は見ていない」とのこと。
 持って行ったPCM-D50を長時間録音、YAMAHA W24とC24、OLYMPUS LS7でタイマー録音と広い千畳敷に4台を仕掛けました。現在、このデータの精査中ですが、今のところイワヒバリらしい声は入っていません。ただし、ルリビタキ、ビンズイ、カヤクグリは、良い雰囲気で録音することができました。
 今年も、イワヒバリにはフラれました。当分、中村先生のお世話になりそうです。

Senjyoujiki

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