謎の鳥20-アカエリカイツブリで解決
以前、訪れたサロベツの原生花園で録音した謎の鳥20。2008年6月12日、早朝のまだ薄暗い中で録音した声です。環境は、やや乾燥した草原です。声は、カタカナで無理矢理表現すると「ウーィン、ケレケレケレ・・・」を繰り返していました。私は録音当時、環境からクイナ系ではないかと思っていました。
http://www.birdcafe.net/collection/collection-all.htm
上記URLで「謎の鳥」へ行き、謎の鳥20を聞いてみてください。
一昨日、花鳥茶屋のA井さんからアカエリカイツブリではないかとのご指摘をいただきました。実は、謎の鳥20をアップした時にもA井さんから「アカエリカイツブリでは」とメールをいただいていたのですが「環境から水面がないので可能性はない」とご返事をしてしまいました。今回、A井さんから『野鳥大鑑』と『バードリサーチ鳴き声図鑑』の声紋を比較すると、アカエリカイツブリかなと思うとの再度のご指摘をいただきました。さっそく私も声紋でチェックしてみますと確かに「ケレケレケレ」の部分がそっくり。念のために『野鳥の声283』も比較してみましたが、これも良く似ていました。ということで、謎の鳥20は"アカエリカイツブリ"でした。聞くだけですと雄と雌が鳴き合っているため同じようには聞こえません。しかし、声紋で比較すると「ケレケレ」の部分が”へ”の字のようなパターンとなりそっくりです。声紋解析の勝利です。
サロベツ原野にある湖沼では、アカエリカイツブリが繁殖しています。私が謎の鳥20を録音した原生花園から直線で10kmほど離れた沼では、今年は雛が孵り、それを撮ろうする野鳥カメラマンが集まり、道をふさぐというトラブルが生じています。
このような、アカエリカイツブリが鳴きながら飛んでいったのでしょう。それにしても、毎度A井さんのご指摘には脱帽です。A井さん、ありがとうございました。
« ツクツクボウシ初認-六義園 | トップページ | 『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』購入 »
「観察記録」カテゴリの記事
- カワアイサのディスプレイ-日光(2021.02.24)
- キジバトのさえずり-染井墓地(2021.01.26)
- 頭の白いムクドリ-染井墓地(2021.01.23)
- ツグミの鳴き声-染井墓地(2021.01.07)
- 野鳥録音始め-スズメ(2021.01.03)
「考証」カテゴリの記事
- スズメのいっせい鳴き止み(2020.12.29)
- 若いツバメ-考証(2020.09.04)
- 『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』-増刷御礼・その5(2020.03.30)
- 『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』-増刷御礼・その4(2020.03.29)
- 『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』-増刷御礼・その3(2020.03.28)
コメント