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2011年8月

2011年8月31日 (水)

今年のスズミグモ-六義園

 今日は六義園のセンサスを行いました。K藤さん、A藤さんが同行。セミ時雨のなか鳥を探しましたが、去年の同日の「もっとも鳥の少ない季節」と記事と同じように今日もいませんでした。この時期、本当に鳥たちはどこに行ってしまうのでしょう。
 ところで、去年の今頃はスズミグモが3ヶ所で網を張り、卵塊も見ることができました。このスズミグモは東京にいるはずのないクモ、それが温暖化の影響で分布を北上させていると教えてもらいました。
 そういえばスズミグモの季節だと思いだし、今日はていねいに探したのですが、見つけることはできませんでした。実は、今年は7月16日に巣とまだ小さい雌がいるのを見つけています。しかし、すぐに雌はいなくなり網も消失してしまいました。そのときの巣の写真です。巣は、ドーム状をしています。
Suzumigumo2011
  その後、気にはしているのですが、見つけることができないでいます。去年は猛烈な暑さが続きました。それに比べれば、今年は過ごしやすい夏でした。あの去年の暑さが、スズミグモにとっては都合のよい東京となったのでしょうか

2011年8月29日 (月)

セミが山を登っていく-日光

 録音仲間のTさんから、栃木県日光でセミがだんだん高い所で鳴くようになったとメールをいただいた。高いところというは、鳴いている木の高さではなく標高のこと。以前は、いなかったところで今年は聞くようになったとのことです。
 私が録音を始めた頃、8月になり野鳥の声が静かになったので、セミの声を録ろうとしたことがあります。当時は、DAT+ステレオマイクですので、セミに近づくことが難しかった時代です。六義園で録ると周囲の道路を通る車の音が入ります。そこで、日光ならば録れるだろうとセミを探しました。
 アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなどの平地ゼミのいるところは、山内でした。山内は、東照宮など二社一寺のあるエリアで標高が600m程度のところです。早朝でしたが、夏休みなので人の気配が多く駐車場で車のドアが閉まる音などが気になって良い音が録れなかった思い出があります。これが1999年8月のことです。
 その後、山内より少し標高の高い別荘地で、平地ゼミが鳴いているの見つけ、多少静かなところで録音することができました。この別荘地は、山に向かって広がっているので、毎年セミが標高を上がって行くのがわかります。録音仲間のTさんとは「だんだんセミが登っていく」と気にしていました。今年のTさんの報告では、標高800mあたりで平地ゼミが鳴いていたとのことでした。ここには、同じく録音仲間のkokekokkoさんのお宅もあり、今まで聞くことのなかった平地ゼミが自宅の周りでも聞くようになったとうかがいました。
 
 少なくとも経緯の解る別荘地では、12年で200m登ったことになります。しかし、セミは地中に数年いることが知られているます。今、鳴いているセミがそこで孵ったのならば、約6年前に卵が産み付けられたことになり、約6年で200m登ったことになります。そうなると、かかった時間は半分となってしまいます。
 いずれにしても、生き物が生息域を変えていく速度としては早いものだと思います。気温を中心に、急速に日光の環境が変化していることになります。

2011年8月28日 (日)

ふなばし三番瀬海浜公園の謎-なぜ立ち入り禁止?

   干潟の上をさわやかな風が吹き抜けていきます。日陰に入ると、涼しげです。やっと猛暑を抜け出た谷津干潟。今日は、あしだちの会の谷津干潟探鳥会に参加しました。
 到着したときは、満潮。しばらくして潮が引き始めると、バラバラとトウネンの群れが入ってきました。なかにキリアイが1羽、いよいよ秋の渡りの始まりです。と思ったのですが、入ってきたのはこの群れ程度、今日の谷津干潟はシギやチドリの姿が少なく、ちょっと寂しい感じでした。
 どうして谷津干潟の鳥が少ないのかという話題になりました。原因として考えられるのは、アオサの大量発生により底質がかわってしまって食べ物がない、ハヤブサやオオタカが飛来していなくなったなどの原因が考えられます。また現在、立ち入り禁止になっている三番瀬に行っているのではないかという意見もありました。いつもならば、三番瀬は潮干狩りでにぎわう季節です。そこに人がいないのですから、三番瀬にいて谷津干潟にやってこない可能性があります。
 ところで、3.11大震災以来、ふなばし三番瀬海浜公園は立ち入りが禁止になっています。周囲はフェンスに囲まれ、監視員が巡回していて見つかると追い出させるという状況です。なんでいつまでたっても立ち入り禁止なのか、いつ入れるようになるのか、実は先日電話をしたところです。
 電話に出た男性に「いつ入れるのようになるのか」聞いたところ「ちょっと待ってください」と言われ、上司らしい方に替わりました。立ち入り解除については「施設が液状化によりかなりダメージを得ている、改修のための予算をこれから議会に申請する、予算が通たら工事を始める、だからいつになるか解らない」といことで、少なくとも今年度内は無理ということでした。
 「なぜ、施設と関係のない干潟も立ち入り禁止なのか」という問いには「でこぼこしていて足元が悪ので」とのこと。干潟で足元が良いところなどないのですから、事なかれ主義の役人の解答にあきれてしまいました。
 「ブログなどを見ると人が入っているが、入っても良いのか」との問いには、「立場上、良いとは言えない」と、いろいろ突っ込み所のある回答をいただいのですが、これ以上いろいろ聞くといやなクレーマーだとおもわれそうなので止めておきました。
 東京湾岸にある東京港野鳥公園、葛西臨海公園、幕張の浜、あるいはディズニーランドなどの施設は、もう震災前と同じように利用されています。それなのに、なぜふなばし三番瀬海浜公園だけが、いつまでたっても立ち入り禁止なのでしょう。それも厳重なフェンスまで作っているのは解せません。広い敷地をカバーするフェンスを作る予算があるのならば、改修に回して干潟部分くらいは、人が入れるようできたと思います。まず、フェンスを作ったことから、なにか隠しているのかと疑ってしまいます。実は、猛烈な放射能のホットスポットが見つかっているなどの秘密があるのでしょうか。
 しかし、三番瀬にヘラシギが来たという情報でも出回れば、バードウォッチャーや野鳥カメラマンがフェンスを越えて大挙して押し寄せるのに違いありません。そうなったら、広い干潟にいる数100人もの人間を職員で追い出すことは不可能です。
 それにしても、電話から少なくとも2名のオジさんが毎日いるようですが、人の来ないこの施設で毎日、何をしているのでしょうか。

2011年8月27日 (土)

野鳥録音講座終了

 「定員を上回る申し込みがありました!」と日本野鳥の会のSさんがうれしそうに報告してくれました。本日、日本野鳥の会の事務所で開催された野鳥録音講座は、定員25名を超える28名となりました。けっこう広い会議室なのですが、スタッフをいれて30人以上もの人が入ると手狭な感じとなりました。遠くは、島根県、大阪府から駆けつけてくれた方もいて恐縮この上もありません。おかげで、興に乗ってしまいましたので時間はオーバー、現在は喉が痛く疲れています。2時間半の講演、質疑を入れれば3時間のプログラムでしたが、寝ている方はいませんでした。さぞ、聞いていただいた方々もお疲れになったことだと思います。
 本日、お出でいただいた方々の顔ぶれを見ると、探鳥会や珍鳥ポイントに集まる野鳥カメラマンの集団とは違う傾向がありました。まず、平均して若めです。男性は、私と同じくらいからやや上。また、女性はもっとお若い方が多く、これはいろいろな意味で希望が持てます。
 多くの方が初心者、まだ録音機を持っていない方もいるとのことでしたので、基本の”き”から解説をいたしました。ですから、皆さんには「まだ野鳥録音をしている方は現在は少数、メモリー録音機の普及とともに今後どんどん増えることでしょう。ですから、今から野鳥録音をしておけば10年後はベテランになって威張れます。」と言っておきました。私自身わずか15年のキャリアで、このような講演をしているのですから予言は当たることでしょう。
 今回は、野鳥の声や録音とはという基礎編の話のあと初めての試みとして、スピーカーから野鳥の声を流し、それを実際にYAMAHAから提供された録音機で録ってみるという実習を行ってみました。本当ならば、野外でやりたいところですが30人もの人がいたら野鳥録音ができないことは自明の理。なんとか、まねごとでもできないかという苦肉の作です。録音機のスイッチを入れて設定をするところから解説しましたので、野鳥録音のイメージは伝わってことと思います。
 反省点は、講演時間が長かった。できたら、録音編と編集編と2部構成にして2回に分けて行うべきでした。話す私も聞く方も、やはり3時間の束縛はたいへんでした。
 受講していただいた方々、日本野鳥の会のスタッフの方々、機材の提供と補佐をしていただいたYAMAHAの担当者の方々、皆さまのおかげで無事に講座を終了することができました。あつく御礼申し上げます。

2011年8月26日 (金)

オオコノハズクの剥製を見る-山階鳥類研究所

 久しぶりに訪れた山階鳥類研究所は、セミ時雨に包まれていました。
Yamasina

  「いつでも良い」というS藤さんのお言葉に甘えて、ぽっかりとスケジュールの空いた本日、伺いました。目的は、オオコノハズクの課題の解決です。以前、拙ブログで記事にいたしましのたで、下記のURLをご覧ください。
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/03/post-6902.html
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/03/post-d519.html
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/04/post-fc01.html
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/04/post-a980.html
 ざっと、課題についてお話しすると、本土のオオコノハズクは木魚鳴き、三宅島では子犬鳴きという違いがあることがわかりました。以前より亜種のリュウキュウオオコノハズクは、笑い声鳴きであることがわかっています。そして、伊豆七島(八丈島)産のオオコノハズクはかつて別亜種だったことがわかりました。そして、この亜種は現状では亜種リュウキュウオオコノハズクとなっています。今ある情報では、本土、沖縄、三宅島では鳴き声が違っているのですから、何らかの違いがあるのではないか思います。
 本土と沖縄の亜種の形態の違いは、本土の亜種には足指に毛があり、亜種リュウキュウオオコノハズクはないと違いがあります。では、伊豆七島産のオオコノハズクに足指に毛があるのだろうかという疑問がわいてきました。この部分の解決のために、ぜひ剥製を見て確認したいということでの山階鳥類研究所の来訪です。
 約束の時間にうかがうと、すでにオオコノハズクの剥製を出していただいて、すぐに検証に取りかかれました。ラテックスの手袋にマスクをしての剥製の取り扱い、ちょっと緊張いたしました。
 ところで、オオコノハズクは色も大きさも個体差が大きく、まるで違う種類のフクロウが一つに引き出しに紛れ込んでいるのではないかと思うほどです。そのなかで、大きさや色による三つの産地に違いの傾向が見て取れました。たとえば、本土産は小型で灰色ないし黒っぽい、そして足指にはしっかりと毛がありました(写真図鑑のなかには、本土産でありながら足指の毛のないものがいます。これはなぜなのかの課題は残ります)。沖縄産は赤茶、ないしオレンジ色がかった茶で大きく、足指には毛がありません。肝心の伊豆七島(八丈島)産は、大さも色もまちまちでした。これは冬に捕獲されたもの中には、本土から漂行したものが混在しているためでしょう。そのため、繁殖期に捕獲されたものだけを見ると、色は本土と沖縄の中間くらいで、赤身のある茶色の個体が多い傾向にありました。そして、肝心の足指の毛ですが”ある”のです。本土産ほどではないのですが、あることはあるのです。形態を見る限り、伊豆七島のものは本土と沖縄の間という印象がありました。
 剥製が鳴いてくれれば、かなりの部分が解決できるのですが、そうも行きません。これから私は鳴き声のデータの収集を少しでもできればと思っています。そして、S藤さんらが取り組んでいるDNAの解析により、亜種かそれとも種間の違いなのか、検証されていくことと思います。また、老後の楽しみができました。
 S藤さんはじめ、所員の方々にお世話になりました。ありがとうございました。また、昼食も楽しかったです。

2011年8月25日 (木)

流山でカラスの講演会

 千葉県流山市でカラスについての講演を行うと予告をしたままになっていました。
 下記の通りの実施要領です。

カラスから学ぶこと-今、問われる野生動物との付き合い方-
講師:松田道生
日時:2011年9月4日(日曜日)午前10時~12時
   9:40  受付開始
場所:流山市生涯学習センターC-401大会議室
参加費:会員以外の方 300円
主催:特定非営利活動法人NPOさとやま
 詳しくは、下記のPDFファイルをご覧ください。
  http://www.nposatoyama.com/satoyamajuku201109.pdf

今年はゴキブリが多い

  20歳代の頃、東京の北区十条に下宿していました。飲食店が立ち並ぶ商店街でしたので、ゴキブリが多いところでした。夜、歩いていると飛んでいるゴキブリが身体によくぶつかりました。当然、下宿にもゴキブリが多くて寝ていると顔の上を歩いて行き、びっくりして目が覚めたことがあります。そのため当時、出始めのゴキブリホイホイを置いたところ、一晩で満杯。その上をゴキブリが駆け抜けていったのは驚きました。因幡の白ウサギ、はたまた群れで橋を作り川を渡る南米のグンタイアリ状態だったわけです。
 ところで今年は、ゴキブリが多いですね。今の住まいに引っ越し来てから、ゴキブリを1匹も見ない夏がありました。いても、ベランダで1匹。部屋のなかで1匹程度です。ところが、今年は少なくとも3匹。延べにすると5匹ほどに部屋のなかで遭遇しています。種類はクロゴキブリです。十条に下宿していた頃に比べれば、どうってことの無い数ですが、捕まえ損ねて同じ部屋にゴキブリがいるかと思う緊張感は久しぶりです。ゴキブリが多いのは、このところの暑さのせい?。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。
 昨夜は寝入ったところ、手の上をクロゴキブリに歩かれて目が覚めました。ゴキブリに起こされたのは、十条に下宿していた以来、35年ぶりです。

2011年8月24日 (水)

『朝の小鳥』9月分収録-都会の野鳥たち

  今日は、文化放送にて『朝の小鳥』9月放送分のスタジオ収録でした。
 9月のテーマは、都会で生活する野鳥たちです。変わらぬ鳥、増えた鳥、共存している鳥などを紹介いたしました。身近な鳥だけに、野鳥に親しみを持ってもらい、興味を引いてもらえればと思ってのシナリオです。
 しかし、音となると都会での録音はなかなか難しいものがあります。ノイズは避けようはありません。いかにノイズを小さくして、目的の鳥の声を拾うかにかかっています。とにかく近くで大きく録ること、そして編集加工を丁寧にすることでしょうか。また、メモリー録音機の登場で、以前に比べれば野鳥の声を録ることは容易になりました。少なくとも、街の中でパラボラを持って人目を引くと言うことはなくなりました。せっかく都会の鳥が近くなってきているのですから、工夫次第で都会の鳥の録音に挑戦してみていただければと思います。
 9月の放送予定です。
 9月4日 シジュウカラの若鳥
  11日 ヒヨドリ
  18日  オナガ
  25日  ヒメアマツバメ

2011年8月23日 (火)

今日からアオマツムシ

 去年、アオマツムシの鳴き声の初認は8月14日でした。六義園の過去の記録では、早いと8月12日、遅いと9月3日でした。という記事「今年もアオマツムシが鳴き始めた」を去年書きました。
 ところで、今年は本日8月23日。だいたい20日前後には鳴き始めますから、ほぼ順当な記録ということになります。
 こうしてみると、アオマツムシはいったい何をきっかけて鳴き始めるのでしょう。温度との関係はいちばんありそうです。涼しさを感じてならば、数日前のほうが寒いくらいでしたのでもっと早く鳴き始めて良さそうなものです。去年は10日近く早かったことになりますが、今年以上の猛烈な暑さが続いていたときです。ということは、温度プラスアルファなのかもしれません。
 季節の感じ方、それぞれの生き物の生き延びてきた戦略にあると思います。比較的ブレの少ないアオマツムシの鳴き始めは、何を指標にしているのか不思議です。

2011年8月22日 (月)

野鳥ステップアップ塾-スワロフスキー

 横浜にあるスワロフスキーの代理店、アドウェーブにはダンススタジオがあります。ここで、講座を開けないかということで相談を受けました。横浜駅から徒歩数分が便利なのか、定員20名入る程度の教室で何ができるか、何曜日の何時に設定したら人が来てもらえるのか、受講料はいくらならば参加しやすいのか、そもそもプログラムをどう組んだら良いのか。いろいろと議論をいたしました。結局、やってみるしかないということになりました。そうなると、もし多くの講師に依頼して人が集まらなかったら迷惑をかけることになるというわけで、私がやることになってしまいました。
 本当は、私が話を聞きたい講師陣を集め、私自身のバードウォッチングのステップアップを図りたいと思ったのですが、まずは実験となってしまいました。つきましては、『野鳥ステップアップ塾』の広報がはじましたので、お知らせいたします。どうぞ、お近くでご都合のつく方、ぜひ受講してみてください。
会場:アドウェーブ・スタジオ
   神奈川県横浜市西区高島2-3-21 ABEビル1階
   JR横浜駅東口より徒歩7分
   横浜市営地下鉄高島駅より徒歩5分
第1回 10月26日(水) 14:00~15:30
「江戸の自然と野鳥から ~東京の鳥の原点を探る」
第2回 11月30日(水) 14:00~15:30
「どうやって野鳥の名前を調べてきたか ~鳥類図鑑の歴史」
第3回 12月21日(水) 14:00~15:30
「野鳥を数えると見えてくるもの ~六義園25年間の調査」
第4回 1月25日(水) 14:00~15:30
「野鳥のさえずりの楽しみ方 ~野鳥の声と録音方法」
第5回 2月29日(水) 14:00~15:30
「カラスから学ぶ ~野鳥の生活を知る」
定員:20名(この講座はスワロフスキー製品のユーザーのみを対象としたものではありません。野鳥観察に興味を持つ方なら誰でも受講できます。)
受講料:10,000円(チケット制ですので、他の方が利用することもできます)
 詳細は、下記からPDFファイルで募集チラシを見ることができます。
「stepup-1.pdf」をダウンロード

2011年8月21日 (日)

久しぶりの結婚披露パティ

 昨夜は、ワイバードのT仲さんの結婚披露パーティでした。じつは、4月に予定されていたのですが、3.11震災のため昨日に延期されてしまいました。当時は、計画停電があって今にも電気が無くなるという雰囲気が蔓延していました。そのため、ホテルから延期も申し出があったと聞いています。しかし、先般の猛暑でも電力が足りたのですから、あの計画停電とはなんだったのでしょうか。「原発がないと電力がたりなくなる」という、戦略ではなかったかと疑ってしまいます。
 さて何はともあれ、結婚パティは楽しいですね。やはりお祝い事はやるべきです。また、こうしてパーティができる幸せを実感いたしました。
 パーティ会場には鳥仲間のテーブルが2つあって、前日にも会った日本野鳥の会のA西さん、K南さんはじめ、久しぶりにお会いする顔ぶれに鳥の話や最近の情報交換でもりあがってしまいました。鳥仲間というのは葬式だろうが結婚式だろうが関係なく鳥のネタで盛り上がってしまうので、ときどきひんしゅくを買ってしまうのです。私も、ご両人がテーブルに回ってきた時も、新婦をそっちのけで新郎と秋の粟島の情報交換をしてしまいました。考えてみればたいへん失礼だったかもしれません。
 ところで、久しぶりの結婚式でスーツを出したら、スギ花粉が付いているらしく鼻がむずむずして目が痒くなったのには困りました。

2011年8月20日 (土)

会議日和-日本野鳥の会

 数年前、仕分け人として有名になってしまった蓮舫さんの番組に出たことがあります。TBSラジオのニュースを掘り下げる番組「BATTLE TALK RADIOアクセス」です。このときは、もう一方のキャスターがコラムリストの神足裕司さんでした。神足さんは、いつも「週刊アスキー」で文章を拝見しているため緊張して番組にのぞみました。内容は、東京のカラス問題です。番組が進行していくと、蓮舫さんが少なくとも私の本を読んでいて質問されていることがわかりました。カラスの問題を勉強して番組に望んでおり、とても頭の良い方だという印象を持ちました。今思えば、適切で鋭い質問は、その後国会議員となり仕分け人となった片鱗がありました。
 ところで、昨日は日本野鳥の会にて、理事と監事のレクチャーでした。午前11時から懇親会が終わった午後8時過ぎまで、報告を受けての話し合い、議論の1日でした。天気も悪く会議日和でありますが、長時間の会議は疲れました。準備や進行を担当されたスタッフの皆さんもさぞお疲れになったことでしょう。今まで、評議員やその他の委員をやってきましたが、これほど集中して議論をしたことはなく実りの多いものとなりました。
 ここで問題になったのは、収益を上げていない事業をどうするかです。日本野鳥の会の事業の多くには、関係者の思い入れが深くあります。どの事業にも寄付者がいて、立案実行したスタッフが現役で事務所やサンクチュアリにいるのです。あるいは、支部、連携団体がかかわっています。ですから、収益が上がらないからと言っても、そう簡単には仕分けられないのです。経営そのものは、かなり逼迫しているのですから早急な対応をしなくてはなりません。しかし、多くの思い入れのために先送りされてきたことも事実。新体制のもと、どうするのか、大きな課題です。
 蓮舫さんの仕分けは、下調べや勉強を綿密に行っての質問であり判断だと思います。それだけに、鋭い質問をされるのであり説得力ある結果を出せるのではないでしょうか。昨日一日では、何が仕分けの対象なのかまで。これから、まだまだ勉強しなくてはならないことになるでしょう。

2011年8月18日 (木)

高品位録音の実験-六義園

 ”暑さも今日まで”と言う予報を知ってか、六義園からセミの大合唱が聞こえてきます。本日は、このセミの声でメモリー録音機の性能を試してみました。以前より気になっているのですが、高品位の96kHz/24bitで録音した場合の録音機による違いです。というのは、96kHz/24bitで録音すると48,000Hzの音の高さまでカバーできます。しかし、カタログによるとマイク性能は48kHz/16bit録音でカバーできる音の高さの24,000Hz程度しかないからです。
 私は、ラジオ局のフォーマットが48kHz/16bitであること、96kHz/24bitで録るとデータ量が多くなることで、ほとんど48kHz/16bitで録音しています。はたして各録音機に付いているマイク性能はどうなのか、知りたいと思ったからです。
 セミの声は、低音から高音まで幅広くあります。鳥と違って鳴き続けてくれますから、試すのには好都合だと思っての実験です。
 
 
 
 現在、手元の録音機のうち96kHz/24bit録音が可能なのは、ソニーのPCM-D1、PCM-D50、PCM-M10。YAMAHAのW24、C24。OLYMPUSのLS-7。番外のフォステクスFR-2LEの計7台があります。
 性能の検証のためには、いろいろ条件を統一しなくてはなりません。そのため、昨晩のうちに録音設定を統一させました。まず、録音モードを96kHz/24bitにして、ローカットをオフ、リミッターもオフにしました。いちばん、めんどくさいのは録音ボリュームを合わせることでした。部屋のなかのノイズで-24にするようにしたのですが、目盛りがけっこう不安定でなかなかたいへんです。また、YAMAHAは、-24の目盛りがないので3/1あたりに来るように合わせておきました。さらに、電池をすべて新鮮なものに入れ替え、ジャマーはできる限り薄いものに統一。これだけの準備をするのに小一時間かかってしまいました。
 実は、昨日も実験したのですが、ローカットがまちまち。久しぶりに出したので電池が少ないものもありました。また、録音ボリュームを現地で合わせることは、次から次に音が変化する自然のなかでは無理なことがわかりました。これでは公正さを欠くことになると思い、下準備をしっかりとして再挑戦です。
 次の問題は、六義園のどこで実験をするかです。真夏の暑い日でしたので、来園者はほとんどいません。常連の高齢者も来ていません。しかし、いつ人が来るか解らないところで、7台の録音機を並べるのははばかれます。また、どこでもセミが鳴いているように思ったですが、場所によっては静かです。静かなところは道路の音も聞こえず良いのですが、セミが鳴いていないことには実験ができません。あちこちウロウロしていると、汗がぼたぼたしたたり落ちて来ます。
 なんとか、3ヶ所で各10分程度の録音をして実験終了。いずれ解析をして、また当ブログので報告いたします。
 しかし、今日の六義園は暑かった。
Recoder1

2011年8月17日 (水)

カワセミのお酒-鳳鸞酒造

 甥っ子のT史君が、栃木県那須のお土産だといって清酒をくれました。

Houran

 カワセミの住む清流をイメージしてのことなのでしょう、ブルーがとてもきれいな瓶に、カワセミの雄の写真がプリントされたラベルが付いています。企画した方は、きっとカワセミの生態を知っていてデザインしたのだと思います。
 鳳鸞酒造という栃木県の地酒メーカーの製品です。社名の鳳と鸞は伝説上の鳥の名前ですから、きっと鳥好きの方がいらっしゃるのでしょう。
 いったいいくらするのか、甥っ子に散財をさせてしまったのなら申し訳ないとググったのですが、カワセミのボトルはネット上では売っていないようです。地元に行かないと手に入らない貴重なお酒、なおさら飲むのがもったいなくなりました。

2011年8月15日 (月)

スズメバチだと思っていた昆虫-アカウシアブ

 以前から気になっていた昆虫がいます。真夏、日光の山の中で車を留めるとかならずやってくる昆虫です。黄色と黒の縞模様があるために、はじめはオオスズメバチだと思っていました。そのため、車のドアにとまられると乗ることができず、いなくなるまで20分も待っていたことがあります。それが、あるときハチではなくハエの顔をしているの気がつきました。今回、写真が撮れたので名前を調べて見ました。

Akausiabu_2

  名前はアカウシアブ。ハエの顔つきをしているわけです。このアブに刺されるとスズメバチほどではありませんが、けっこう痛いそうです。スズメバチの警戒色を真似ねて天敵をさけているのでしょうか。自然のなかのパクリなのかもしれません。

2011年8月14日 (日)

日光でコガネグモ発見

 いつも立ち寄る日光の知人宅のテラス前に、大きなクモが巣を作っていました。調べて見たらコガネグモでした。コガネグモの名前は知っていましたが、姿を見たのは初めてです。

Koganegumo

 足の先から足の先まではゆうに20cmはあります。身体だけでも、5cm以上はあります。いつも六義園で見慣れたジョロウグモが、可愛く思える大きさです。
 いろいろ調べて見たら、最近は減少しているようで、地方によってはレッドリストに載っています。里山の自然を象徴するクモですが、里山が自体が減ってしまったために、このクモも少なくなっているとのことでした。私自身、見つけることがなかったですから少ないことは間違いありません。
 また、コガネグモを使ったクモ合戦が鹿児島県で行われているように、南方系のクモです。それだけに、栃木県には少ないという記事もあり、日光のような寒冷地に出現することがあって良いのかという疑問があります。
 コガネグモも温暖化の影響を受けているのでしょうか。

2011年8月13日 (土)

雨の中のタイマー録音

 ここ数日、栃木県日光に行っていました。朝晩はさすがに涼しいのですが、昼間は東京と変わらないほど暑く日に焼けました。もう、小鳥のさえずりの季節は終盤、録音をしないでゆっくりするつもりでした。それでも何となく気になって、霧降高原でタイマー録音をしてしまいました。3泊4日でしたので、朝と夜とも3回チャンスがありました。
 YAMAHAのW24とOLYMPUSのLS-7の2台を毎日、場所を変えて置きました。ところが連日、雨に見舞われてしまいました。夕食後にどっと降ったり、昨夜は深夜にぱらっと来たようで回収のために行くと道路が濡れていました。
 以前、記事にしたように録音機はビニールの袋に入れて口を輪ゴムでしっかりと留め、タッパに入れています。しかし、マイク部分はカバーすることはできません。スポンジのウインドスクリーンのみです。いちおう、雨の当たりにくいところに置くのですが、日光特有の土砂降り、回収するとびっしょり濡れています。本体までは、水がしみるようなことはありませんでしたが、ウインドスクリーンを絞ると水がしたたり落ちる状態です。これでは録音は無理と思いましたが、聞いてみるとW24、LS-7ともちゃんと録音されているのは驚きました。
 アップしたのは、W24で録音したアカハラのさえずりです。ボリュームの調整、低音ノイズの軽減、かるくノイズリダクションをかけています。

「Brown-headedThrush110811_0300.mp3」をダウンロード

 前の日の夕方に置いたのですが、夜半に大雨。翌朝、このアカハラのさえずりを録音しているときには、ウインドスクリーンが雨でびっしょり濡れマイクもその影響を受けている状態です。少なくとも変なノイズが乗ったり、音がひずんだりこもったりはしていません。
 さすがに8月中旬ですから、小鳥たちのさえずりは少なくなっていました。もう、ルリビタキやコマドリ、コルリのさえずりは聞こえません。しかし、アカハラがさかんに鳴き、ウグイス、ホトトギス、ホオジロは、まだまだ楽しめました。

2011年8月 9日 (火)

『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』購入

  今日は、日本野鳥の会にて8月27日の「野鳥録音講座」の打ち合わせ。現在、20人近い参加申し込みがあるとのことで、この調子で行けば定員は埋まりそうです。ぜんぜん人が集まらなかったらどうしようと思っていたので、ほっといたしました。
 この帰りに神保町の鳥海書店に立ち寄りました。例によって地震の話になり、本棚は倒れなかったそうで何よりでした。買いもとめたのは、レジの前に置いてあった『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』です。出版社が北海道ですが、日本で記録のある種類が全450種収録されています。基本は生態写真です。標本写真だと色が変わってしまい、違和感がありますが、これならばわかりやすそうです。それに、表紙裏に鳴き声各23種類が収録されたCD(8cm)が2枚付いています。これで、今年の秋は虫の声を楽しめそうです。

Battakoorgi_2

『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』
日本直翅類学会監修 村井 貴史・伊藤 ふくお著
出版社: 北海道大学出版会
判型: 四六 並製
頁数: 452
ISBN: 978-4-7329-1394-3
Cコード: C0045
発行日:2011年7月22日
定価: 2,730円 (本体価格2,600円+税)
 アマゾンのURL。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%82%AE%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E7%94%9F%E6%85%8B%E5%9B%B3%E9%91%91-%E6%9D%91%E4%BA%95-%E8%B2%B4%E5%8F%B2/dp/4832913948/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1312889737&sr=8-1

2011年8月 7日 (日)

謎の鳥20-アカエリカイツブリで解決

  以前、訪れたサロベツの原生花園で録音した謎の鳥20。2008年6月12日、早朝のまだ薄暗い中で録音した声です。環境は、やや乾燥した草原です。声は、カタカナで無理矢理表現すると「ウーィン、ケレケレケレ・・・」を繰り返していました。私は録音当時、環境からクイナ系ではないかと思っていました。
  http://www.birdcafe.net/collection/collection-all.htm
 上記URLで「謎の鳥」へ行き、謎の鳥20を聞いてみてください。
 一昨日、花鳥茶屋のA井さんからアカエリカイツブリではないかとのご指摘をいただきました。実は、謎の鳥20をアップした時にもA井さんから「アカエリカイツブリでは」とメールをいただいていたのですが「環境から水面がないので可能性はない」とご返事をしてしまいました。今回、A井さんから『野鳥大鑑』と『バードリサーチ鳴き声図鑑』の声紋を比較すると、アカエリカイツブリかなと思うとの再度のご指摘をいただきました。さっそく私も声紋でチェックしてみますと確かに「ケレケレケレ」の部分がそっくり。念のために『野鳥の声283』も比較してみましたが、これも良く似ていました。ということで、謎の鳥20は"アカエリカイツブリ"でした。聞くだけですと雄と雌が鳴き合っているため同じようには聞こえません。しかし、声紋で比較すると「ケレケレ」の部分が”へ”の字のようなパターンとなりそっくりです。声紋解析の勝利です。
 サロベツ原野にある湖沼では、アカエリカイツブリが繁殖しています。私が謎の鳥20を録音した原生花園から直線で10kmほど離れた沼では、今年は雛が孵り、それを撮ろうする野鳥カメラマンが集まり、道をふさぐというトラブルが生じています。
 このような、アカエリカイツブリが鳴きながら飛んでいったのでしょう。それにしても、毎度A井さんのご指摘には脱帽です。A井さん、ありがとうございました。

2011年8月 6日 (土)

ツクツクボウシ初認-六義園

 今日の六義園は、今までない蒸し暑さ。森の中もちっとも涼しくありません。かろうじて、池の畔で少し風があったのが救いでした。
 元気なのはセミだけ、森全体がニイニイゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミの合唱に包まれていました。そして今日、今年初めてのツクツクボウシを聞きました。ただし、数は少なくわずか2ヶ所のみ。それも、すぐに鳴き止んでしまいました。かろうじて、録音できたのが、この一節です。PCM-D50で録音、低音ノイズを軽減しています。

「tukutuku110806_00.mp3」をダウンロード

 ツクツクボウシの過去の記録を調べて見ました。80年代から90年代の六義園では、もっとも遅いのは8月23日(1986年)、もっとも早いのは8月11日(1990年)でだいたい8月中旬というのが平均でした。ですから、8月6日というのは早めの記録と言うことになります。

2011年8月 5日 (金)

デジスコ通信に投稿-情報を公開できない弊害

  以前、日光野鳥研究会でバードリサーチの平野敏明さんをお招きして、野鳥記録の重要性から記録の取り方まで講演していただいたことがあります。野鳥の記録は、野鳥の保護という縦糸に科学的な野鳥の見方の必要性を横糸として織り込まれたお話しでした。この講演のなかでも、情報公開の問題が話題となりました。これは、記録の科学的に正しい表現としては、日時、地名、もちろん種名などの客観的な記述で公表しなくてはなりません。このご時世ですから公表することで、どんな影響が野鳥に及ぶかもしれないという不安がつきまといます。論文にするという平野さんの世界では、1年くらいのタイムラグが生じるので、影響を少なくすることができるという話でした。しかし、研究者の方も野鳥カメラマンが押しかけるかもしれない危険を感じて、情報の扱い方に苦慮されていることがわかりました。
 そして、野鳥の保護を考えた場合、とても深刻な事態になっているのではということで、デジスコドットコムのメールマガジン『デジスコ通信』に寄稿しました。下記URLで、読むことができます。
http://www.digisco.com/mm/dt_56/toku1.htm
 はっきり言って、一つの鳥に集まる野鳥カメラマンは野鳥が本当に好きだと思えません。ですから、野鳥がどうなっても良いということなのでしょうが、野鳥が好きで自然を守ろうとする心づもりがある者にとっては、野鳥カメラマンの集中は開発と同じ自然破壊です。

2011年8月 4日 (木)

『夏休み子ども科学電話相談』-3日目

 本日は、NHKラジオの『夏休み子ども科学電話相談』の出演日でした。
 鳥に関する質問も多く、カラスもあってとても楽しく番組に参加できました。ただ、今日は臨時ニュースが2本も入ってスタジオはバタバタしていました。ニュースが入るたびに調整室からスタジオ、隣のニュースを読むブースにアナウンサーが駆け込んできたりして緊張感が走りました。淡々と番組を進行させるベテランの鎌田アナのおかげで、ラジオを聞いている人には、この緊張感は伝わらないですんだことと思います。
 じつは答えた質問以外にも、たくさんの質問が来ています。電波に乗っていない質問を合わせてると感じとしては、ニワトリなど飼い鳥と野鳥が半々ぐらい。野鳥のなかでは、ツバメがらみの質問がいちばん多いと思いました。たとえば、ツバメは毎年同じ巣に戻ってくるのか、スズメがツバメの巣にワラを運んでいるがなぜか、どうして渡る日がわかるのか、などなど。番組が夏ということもあって、子供たちの目にとまる野鳥としてはツバメが多いのでしょう。少なくともツバメが目にとまり関心を持ってくれる子供たちがまだまだたくさんいることになります。
 番組を聞き逃した方、下記URLで各日の各先生の解答が1問だけ聞くことができますので、アクセスしてみてください。
 http://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/
 私の出番は今日で終わりですが、鳥担当の中村忠昌さんの出演日は8月23日。また、番組前半は明日まで。高校野球が終了後の8月22日より26日まで後半がありますので、ぜひお聞きください。それにしても、何事もなくこの番組が平和に流されることを祈ります。

2011年8月 2日 (火)

真夏の夜の思い出-科学映画

 子供の頃、住んでいた東京の西のはずれ板橋区新河岸では夏休みの夜に映画会がありました。住宅地のなかに広場とも公園とのつかない空き地、原っぱと呼んでいたのですが、そこに皆が集まってゴザを敷いて暗くなるのを待つのです。
 スクリーンは、ただの白い布で風があるとはためいてしまい見にくい画面でした。それでも、バスに乗って赤羽や池袋へ行かなくても、タダで映画を見ることができる映画会は夏休みの楽しみでした。
 覚えている演目は、ディズニーのアニメーション、モノクロでした。あるいは伴淳三郎主演の『二等兵物語』を覚えています。当然、教育関係の企画ですから科学映画、あるいは教育映画というジャンルの映画がかならず上映されました。劇映画やアニメーションの前に、どちらかというと退屈な教育映画が上映されていたのだと思います。
 そのなかで、野田の鷺山を舞台にした映画を覚えています。当時は、まだ鳥には興味はありませんでしたが、たくさんのサギがいるコロニーの映像を覚えています。タイトルは『白鷺と子供たち』だったと思うのですが、検索しても出てきません。また、日光のイワツバメと子供たちの交流を描いた『五千羽のイワツバメ』も見たかもしれません。この映画は、その後日光がらみで見る機会があり記憶が錯綜してしまっています。
 このような教育映画のなかには、下村兼史が監督をした”或る日”シリーズもあったことでしょう。あるいは、理研映画の名作も上映されていたのかもしれません。残念ながら、これ以上の記憶はありません。
 これらの映画は、劇映画のようにDVDになることはありません。フィルムセンターで時折上映されますが、オリジナルが残っていないタイトルもありそうです。これらの映画のなかには貴重な映像が残っていると思います。未来に残さなくてはならない文化遺産だと思うのですが、残念です。
 風に揺れるスクリーンのなかで揺らいでいた今なき野田の鷺山の風景は、私の記憶の中だけというのは、あまりにももったいないと思います。

2011年8月 1日 (月)

もう1羽発見-お茶の水駅のイカル

 お茶の水のヒメアマツバメの帰り、JR御茶ノ水駅の聖橋口でキヨスクのイカルを見つけました。
Kiosuku2

 詳しくは、以前記事にした「上野のイカル」を参照してください。

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