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2011年8月29日 (月)

セミが山を登っていく-日光

 録音仲間のTさんから、栃木県日光でセミがだんだん高い所で鳴くようになったとメールをいただいた。高いところというは、鳴いている木の高さではなく標高のこと。以前は、いなかったところで今年は聞くようになったとのことです。
 私が録音を始めた頃、8月になり野鳥の声が静かになったので、セミの声を録ろうとしたことがあります。当時は、DAT+ステレオマイクですので、セミに近づくことが難しかった時代です。六義園で録ると周囲の道路を通る車の音が入ります。そこで、日光ならば録れるだろうとセミを探しました。
 アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシなどの平地ゼミのいるところは、山内でした。山内は、東照宮など二社一寺のあるエリアで標高が600m程度のところです。早朝でしたが、夏休みなので人の気配が多く駐車場で車のドアが閉まる音などが気になって良い音が録れなかった思い出があります。これが1999年8月のことです。
 その後、山内より少し標高の高い別荘地で、平地ゼミが鳴いているの見つけ、多少静かなところで録音することができました。この別荘地は、山に向かって広がっているので、毎年セミが標高を上がって行くのがわかります。録音仲間のTさんとは「だんだんセミが登っていく」と気にしていました。今年のTさんの報告では、標高800mあたりで平地ゼミが鳴いていたとのことでした。ここには、同じく録音仲間のkokekokkoさんのお宅もあり、今まで聞くことのなかった平地ゼミが自宅の周りでも聞くようになったとうかがいました。
 
 少なくとも経緯の解る別荘地では、12年で200m登ったことになります。しかし、セミは地中に数年いることが知られているます。今、鳴いているセミがそこで孵ったのならば、約6年前に卵が産み付けられたことになり、約6年で200m登ったことになります。そうなると、かかった時間は半分となってしまいます。
 いずれにしても、生き物が生息域を変えていく速度としては早いものだと思います。気温を中心に、急速に日光の環境が変化していることになります。

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