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2011年9月12日 (月)

高品位録音の実験-検証と方向性

 先月、96kHz/24bitで録音し録音機により音の違いがでるか実験いたしました。『高品位録音の実験-六義園』です。記事にしようと何度か試みたのですが、検証が難しくそのままになっておりました。というのは、音をブログにアップするためには、mp3に変換しなくてはなりません。圧縮された音源では、せっかくの高品位で録音した意味がないと思い躊躇いたしました。また、聞いてみるとマイクの特性、指向性の有無のほうが大きく影響しており、高品位録音による音の厚みとか奥行きを聞き取ることはなかなか難しいのです。
 そのため、スペクトル表示をしてどこまで高音を捕らえているかを判断しようと思いました。しかし、前回の記事でも書いたように録音ボリュームを均一にすることは、難しく公平に比較することが難しいことがわかりました。そのため、録音した音源をソフトでピークを-6dbに調整をして表示するという苦肉の作となりました。
 まず、基礎データです。
 日時:8月18日午前10時
 場所:東京都文京区六義園
 対象機種:ソニー PCM-D1、PCM-D50、PCM-D10
      YAMAHA W24、C24
      OLYMPUS LS-7
 音源:ミンミンゼミと主にツクツクボウシ、アブラゼミ。
 方法:同時に録音したほぼ同じ部分を、30秒ピックアップいたしました。それをフェードイン、フェードアウトしただけです。低音ノイズの軽減、ノイズリダクションなどはしておりません。
PCM-D1
「semiD1-11081801.mp3」をダウンロード
PCM-D50
「semiD50-110818_01.mp3」をダウンロード
PCM-M10
「semiD10-110818_02.mp3」をダウンロード
W24
「semiW24-110818_1003.mp3」をダウンロード
C24
「semiC24-110818_1001.mp3」をダウンロード
LS-7
「semiLS7-110518-3.mp3」をダウンロード

  印象としては、やはりPCM-D1が音がシャープというかクリアに聞こえます。指向性がいちばん強い印象です。それに対し、無指向性をうたっているPCM-M10とLS-7は、「ゴーッ」というグランドノイズが大きく聞こえます。YAMAHAはこの中間です。このあたりで、96kHz/24bitで録音といよりマイク特性の違いのほうが大きく感じた理由です。
 次にスペクトル表示で比較してみました。実際は、ステレオで録音していますが、わかりやすいようにモノラルで表示いたしました。左右が30秒、天地が48,000Hzです。
PCM-D1
Semid1

PCM-D50
Semid50

PCM-M10
Semid10

W24
Semiw24

C24
Semic24

LS-7

Semils7


 いちばん高い音まで捕らえていたのは、なんとC24でした。ミンミンゼミの倍音が約32,000Hzでうっすらと見えます。音の本体が上まで見えるのはD50で、約30,000Hz、D1もほぼ同じですが、D50のほうが上まであるようにみえますがコントラストが不明瞭です。どちらかというとD1は、すっぱりと音がなくなっている感じです。その反対がW24で、表示できる全体にうっすらと音があります。そして、LS-7も30,000Hz近くまで、音が伸びています。
 いずれにしても、48kHz/16bitでの録音は24,000Hzまでしかとらえることができません。しかし、いずれの録音機でも96kHz/24bitで録音することで、それ以上の高い音までとらえることができました。セミのみならず野鳥の声でも96kHz/24bitで録音することで、30,000Hzまで分析が可能となります。ただし、このような高音は聞くことはできませんので、ソフトを使っての分析となります。鳴き声の音域が高音で倍音がさらに高い音域まである鳥の声の分析には、96kHz/24bitでの録音は有効なものだと思います。
 皆さまも高品位での録音をお試しください。いろいろな発見があるかも知れません。

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