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2011年9月10日 (土)

オガワコマドリの小川さんの話を聞く

 山階鳥類研究所のH岡さんから小川三紀(1876 ~1908)についての講演会があると教えていただきました。小川三紀は”みのり”と読みます。小川は、オガワコマドリのオガワなのです。日本の鳥学の黎明期を支えた一人、わずか32才でこの世を去った方ですが、その業績は偉大です。
 以前、小川三紀について調べたことがありますが、『野鳥』誌はもとより『鳥』もない時代。唯一の手がかりは『動物学雑誌』というたいへん資料の希薄な時代のため苦労をいたしました。それでも、日本で最初の日本産鳥類リストを単行本として発行し、当時の日光の貴重な記録を残していることが解りました。
 本日は、千葉県我孫子市にある鳥の博物館にて、山階鳥類研究所の鶴見みや古さんによる講演です。ミニトークとされていますが、内容は重く濃いものでした。
Turumimiyako

  小川家は静岡藩の藩医をつとめた家柄、医学系から生物系への転向はうなずけます。また、鶴見さんによると鳥の素晴らしいスケッチが残っていたので調べたらS.Ogawaのサインがあるのを見つけました。どうやら、これは兄の三知のサイン。兄の三知は著名なステンドグラス作家として名を残しており、絵心のあった兄が弟の仕事を手伝ったことが解りました。このように少ない資料から推理して解明していく作業は、わくわくさせられます。
 ちなみに、三紀のリストにはオガワコマドリの名前はありません。彼が死んでから8年経った1916年、黒田長禮は小川の採集した標本の中から日本で記録されたことのないこの鳥を発見します。この剥製には、明治39(1906)年12月9日に駿河國安倍郡麻機村(現在の静岡県静岡市)にて採集、小川のメモには「何属か?」と付記されているだけでした。黒田は、自身のコレクションの中から北京で採集した標本と比較して、この鳥をErithacus cyaneculus(現在は、Luscinia svecica)の雌と同定し、採集者であり先輩でもある小川に敬意を表しオガワコマドリと命名したことになります。
  いずれにしても、小川のような先人の苦労があって今の鳥学があります。この流れを知ることで今が解り、これからの展開も考えることができるのではないでしょうか。
 山階鳥類研究所の小川三紀資料のURLです。
 http://www.yamashina.or.jp/hp/hyohon_tosho/ogawa_minori/m_index.html

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