鳥づくしの野点
茶道で使う羽箒を研究しているS坂さんから「カラスの羽毛で羽箒を作ってみたい、六義園で羽を拾えますか」の問い合わせのがあったのは8月のこと。換羽期で羽は落ちているものの、暑いし鳥はいなし蚊の多いのでしばらくお待ちいただきました。ところが、あっという間に10月中旬となってしまいました。換羽期は終わりましたが、ネグラに集まるカラスは増えてきたので、羽毛はまだ落ちています。ということで本日、S坂さんご夫妻にお出でいただき六義園にて羽拾いをいたしました。
幸いにして、六義園を一回りすると数10本拾うことができました。以前、拾って置いたものをプラスすれば、これで羽箒が何本か作れそうです。風が強いので鳥の出方はやや寂しい感じでしたが、森の中からキビタキの声が聞こえて夏鳥にも会え、気持ちのよい秋の日を満喫いたしました。
この後、芦辺の茶屋跡にて野点をしていただきました。鳥仲間だけに道具は鳥づくしです。S坂さんご自身は、カラスとシラサギのストールです。写真は、トキ柄のハンカチの敷物。トキのドラえもんのケースには茶巾が入っています。鳥の形をした灯心押さえは茶筅立て。茶杓はトキの柄(実はこれは耳かきで茶杓に付けてあります)。茶器は、タカと富士山の蒔絵、形が茄子です。これは、縁起の良い初夢のテーマですが、六義園のある駒込を詠んだ川柳に「駒込は一富士二鷹三茄子」があります。富士は富士神社、鷹は鷹狩りのための鷹屋敷(現在の駒込病院付近)があり、茄子の名産地であったためです。鳥ばかりではなく、駒込にもちなんだ道具です。
御殿場土産の”とらや”の人形焼きとどら焼きもたいへんおいしゅうございました。けっこうなお手前、けっこうな秋の日の野点でございました。
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