BINOS Vol.18-日本野鳥の会支部の論文集
日本野鳥の会神奈川支部の研究年報『BINOS Vol.18』が届きました。
現在、このような論文集は、本部のStrixと栃木県支部の『Accipiter』があります。Strixは数年間、休刊をしていましたが、BINOSは休むことなく18年間発行されています。たいしたものです。
BINOSの今号は、とくに内容が濃いように思いました。タゲリの越冬生態については今まで詳しく書かれた報告がなかっただけに興味深く読みました。チョウゲンボウを25年間追いかけた記録も凄い。また、コシジロオオソリハシシギという亜種がいることは初めて知りました。良く見つけたものです。このほか、各地の鳥相の調査記録も10年を超えるものばかり。昔は、1年間も調査をすれば発表したものですが、10年20年が当たり前になりました。それだけに説得力ある内容です。
神奈川支部は拙ブログでも以前、記事にしたように重鎮の浜口哲一さんがお亡くなりになりました。日本野鳥の会の数ある支部のなかで、もっとも学究的な支部として評価の高かった神奈川支部を指導してきたのが浜口さんです。その柱を失ったのですから、どうなることかと心配しておりました。しかし、このBINOSを見る限り浜口さんの意志は受け継がれていると確信できます。
それにしても、BINOSの発行部数は数100部です。日本野鳥の会の会員数は4万人、神奈川県下にはその1割ほどの会員がいます。バードウォッチャーに関しての数字はわかりませんが、数10万人。ひょっとすると100万という数字になるかもしれません。それにも関わらず、野鳥について科学的な取り組みをする人が少ないのです。
日本野鳥の会神奈川支部Webサイト、BINOS最新号についてのURLです。購入方法も書かれています。
http://www.mmjp.or.jp/wbsj-k/binos/BINOS_18.html
これだけの知識と情報が、定価1,200円・送料80円で入手できます。
« 脚輪の着いたカルガモ-六義園 | トップページ | タイマー録音大失敗の巻 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『鳥屋の本読み』卒業(2023.01.24)
- 1960年代のAudubon Magazine-アメリカの録音事情(2022.12.30)
- 小林重三の『狩猟鳥類掛図』(2022.12.04)
- 柳沼俊之さんの野鳥カレンダー2023-ご案内(2022.11.07)
- まぼろしの図鑑刊行-ご案内(2022.09.28)
「研究」カテゴリの記事
- 伊香保の謎の鳥-鳴き声をアップ(2021.12.11)
- アオバズクの鳴き声-倍音の課題(2021.10.13)
- コガラのさえずりの課題(2020.11.20)
- 一度に2つの声を出せる-クロツグミ(2019.12.30)
- 日本野鳥の会神奈川支部の「BINOS 第26集」(2019.12.05)
コメント