歴史を見ると今が見えてくる-鳥の名前と識別の歴史
やっとスワロフスキー野鳥ステップアップ塾のためのパワーポイントが完成いたしました。素材を集めながらコツコツと作ったら1ヶ月かかってしまいました。題して「スズメはどうしてスズメになったのか」副題は「鳥の名前と識別の歴史」です。
鳥の名前がどのように付いて、どう統一されてきたか。これを語ると鳥学と図鑑の歴史となります。日本の鳥の名前が最初に出てくる書籍は魏志倭人伝。近世は、江戸時代のシーボルトから始まります。明治時代は外国人、大正は貴族たちの日本鳥学会、昭和は中西悟堂の日本野鳥の会、戦後は、高野伸二さんの図鑑を中心とした野外識別の時代となり現代にいたります。
野外で鳥の名前がわかるという当たり前のことができるようになったのは戦後。それも確立したのは、1970年代以降で図鑑と双眼鏡の普及が大きな役割をはたしています。こうした歴史を見渡すと流れがわかり、今自分がどこにいて何をすべきなのかわかるのだと思います。それにしても、私は良い時代に生まれバードウォッチングをはじめたことになります。
図鑑について言えば、望遠レンズがなかった時代は絵が命です。日本で最初の日本人による図鑑『有益鳥類図譜』(1893[明治26]年、成島譲吉、籾山鈎)は、石版刷りの手彩色。ホトトギスの絵を上げておきますが、浮世絵を彷彿させられます。
ここから高野伸二さんの『フィールドガイド日本の野鳥』(1982年)までの図鑑の絵につながって行くことになります。この先人たちの苦労が、今の日本のバードウォッチングを支えてくれているのです。といったお話しです。
スワロフスキー野鳥ステップアップ塾の受講生の方、楽しみにしていてください。この話は、来月18日の日光野鳥研究会の講演会でも取り上げる予定です。会員の方もお楽しみに。
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